チュートリアル 4699

センサー信号パスの概要

筆者: Sohail Mirza

要約: このアプリケーションノートは、圧力、温度、電流、光および近接検出用の最も一般的な各センサートランスデューサでのセンサーシグナルチェーンについて論じます。またシグナルパスの選択の複雑さも紹介します。回路例およびブロックダイアグラムは、設計要求を満足する最適な部品の選択に役立ちます。

圧力センサーと重量計(力検出)

概要

圧力と重量を検出して測定したいというニーズは、近代の産業制御やシステム監視では極めて一般的な要求事項です。圧力は、間接的に流量や高度など、圧力以外の特性の測定にも使用されるため、圧力の測定は特に重要です。力はトランスデューサの出力に影響する特性であるため、圧力測定と重量測定のデバイスは、「力センサー」とみなされます。力センサーのアプリケーションは膨大で真空計から重機の重量計、産業油圧機器、内燃機関用の多岐管における絶対圧力(MAP)センサーにまで至ります。各アプリケーションについて、それぞれ異なる精度やコストに対するニーズが存在します。

圧力センサー

圧力と重量を測定(力検出)するための手法や技法はいくつかありますが、最もよく使われている測定素子は歪みゲージです。

最も一般的なタイプの歪みゲージは、さまざまな重量/圧力センサーで使われている金属箔タイプと、圧力測定に広く使われている半導体を用いたピエゾ抵抗式トランスデューサの2つです。ピエゾ抵抗式トランスデューサは、金属箔タイプに比べて感度に優れ、直線性が良好ですが、温度依存性が大きく、また初期オフセットが大きくなります。

基本的に、歪みゲージはすべて、抵抗値を変えることによって加えられた力に反応します。したがって、電気的な励起状態において、圧力や重量を効果的に電気信号に変換します。通常、このような1つ、2つ、または4つの能動抵抗素子(歪みゲージ)がホイートストンブリッジ構成で配置され(ロードセルと呼ばれることがあります)、圧力や重量に応じた差動出力電圧を生成します。

エンジニアは、さまざまな力検出アプリケーションの固有の要求に合ったセンサーモジュールを設計することができます。適切な設計には、物理特性に適した検出素子と、適正に設計されたシグナルチェーンが含まれています。

力検出アプリケーションにおけるシグナルチェーンのブロック図。マキシムが推奨する圧力センサーソリューションの一覧については、japan.maximintegrated.com/psiをご覧ください。
力検出アプリケーションにおけるシグナルチェーンのブロック図。マキシムが推奨する圧力センサーソリューションの一覧については、japan.maximintegrated.com/psiをご覧ください。

完全なシグナルチェーンのソリューション

センサーのシグナルチェーンは、ノイズの存在する下で、極めて小さな信号を処理することができる必要があります。抵抗トランスデューサからの出力電圧の変化を正しく測定するには、次に挙げる電気的な機能を正確に提供することができる必要があります。すなわち、励起、増幅、フィルタリング、および収集です。ソリューションの中には、信号操作、誤差補正、ディジタル利得、およびユーザーによる設定可能性を実現するためにディジタル信号処理(DSP)手法を必要とするものもあります。

励起

センサーの励起には、通常温度ドリフトの小さな、正確で安定した電圧源または電流源が使用されます。センサーの出力は、励起源に対してレシオメトリックになります(通常はmV/Vで表される)。したがって、設計は一般的に、アナログ-ディジタルコンバータ(ADC)と励起回路の両方に共通したリファレンスを備えているか、あるいはADCのリファレンスとして励起電圧を使用します。また、ADCの追加チャネルを使用して励起電圧を正確に測定することができます。

トランスデューサ/ブリッジ

シグナルチェーンのこの部分は、上記の「概要」の項で説明したように、ロードセル(ホイートストンブリッジ形態)として配置された歪みゲージトランスデューサで構成されています。

振幅とレベル変換—アナログフロントエンド(AFE)

一部の設計では、トランスデューサの出力電圧範囲は極めて小さく、必要な分解能はナノボルトレンジに達します。このようなケースでは、トランスデューサの出力信号を増幅してからADCに入力する必要があります。この増幅の段階で誤差が生じないようにするため、オフセット電圧(VOS)が極めて小さな、また温度ドリフトとオフセットドリフトが小さな低ノイズアンプ(LNA)を選択する必要があります。ホイートストンブリッジの欠点は、コモンモード電圧が対象の信号よりもはるかに大きいということです。つまり、通常100dB以上の優れたコモンモード除去比(CMRR)がLNAに必要であるということになります。シングルエンドのADCを使用するときには、収集する前に大きなコモンモード電圧を除去するための追加回路が必要となります。また、信号の帯域幅が狭いため、アンプの1/fノイズによって誤差を生じる可能性があります。このため、多くの場合、チョッパ安定化アンプを使用します。このような厳格なアンプ要件のいくつかは、超高分解能ADCのフルスケール範囲のほんの一部を使用することで避けることができます。

収集—ADC

ADCを選択するときには、ノイズフリーレンジや有効分解能(ADCが固定の入力レベルを識別可能な程度を示す)などの仕様に注目してください。これに代わる用語として、レンジ内のノイズフリーカウントやノイズフリーコードがあります。高精度ADCのデータシートの多くは、ピークトゥピークノイズやRMSノイズ対速度の表としてこれらの仕様を掲載しています。ときには、ノイズヒストグラムのプロットとして仕様が図示されている場合もあります。

ADCのその他の検討事項として、低オフセット誤差、低温度ドリフト、および良好な直線性があります。特定の低電力アプリケーションでは、速度対電力がもう1つの重要な基準となります。

フィルタリング

トランスデューサ信号の帯域幅は一般に小さく、ノイズに対する感度は高くなります。したがって、フィルタリングでノイズ全体を低減して信号帯域幅を制限すると実用的です。シグマ-デルタADCを使用すると、このアーキテクチャに固有のオーバーサンプリングによって、ノイズフィルタリングの要件を簡素化することができます。

ディジタル信号処理(DSP)—ディジタル領域

アナログ信号の処理に加えて、信号抽出およびノイズを低減するためにさらにディジタル領域で捕捉した信号を処理します。特定の各アプリケーションやこれらの微妙な違いに対応した特定のアルゴリズムを見い出すのは一般的なことです。オフセット補正と利得補正、直線性補正、ディジタルフィルタリング、および温度(およびその他の依存要因)による補償などの一般手法も用意されています。これらは、通常ディジタル領域で利用されます。

信号の調整/高集積ソリューション

一部の高集積ソリューションでは、必要な機能ブロックのすべてが、センサー信号コンディショナと呼ばれる1つのICに集積化されています。信号コンディショナは、通常は、ある温度範囲にわたって、入力信号の補償、増幅、および較正を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)です。信号コンディショナの高度化に応じて、ASICは、次に挙げるブロックのいくつか、またはすべてを内蔵します。すなわち、センサー励起回路、ディジタル-アナログコンバータ(DAC)、プログラマブルゲインアンプ(PGA)、アナログ-ディジタルコンバータ(ADC)、メモリ、マルチプレクサ(MUX)、CPU、温度センサー、およびディジタルインタフェースです。

アナログ信号経路のコンディショナ(アナログコンディショナ)とディジタル信号経路のコンディショナ(ディジタルコンディショナ)の2つのタイプの信号コンディショナが一般に使用されています。アナログコンディショナは応答時間が速く、入力信号の変化を反映した連続出力信号を提供します。これらは一般に、接続が固定された(柔軟性のない)補償方式です。ディジタルコンディショナは、通常マイクロコントローラをベースとしており、ADCやDSPルーチンによって生じる待ち時間のため、応答時間は遅くなります。量子化誤差を最小限に抑えるためにADCの分解能を見直す必要があります。ディジタル信号コンディショナの最大の利点は、ユーザーのアプリケーションに適応可能な補償アルゴリズムの柔軟性があるということです。

温度検出

概要

温度検出は、産業システムにおいて以下の3つの主要な機能を実現する上で極めて重要な要素です。
  1. 温度制御は、たとえば、オーブン、冷却、および環境制御などのシステムにおいて温度の測定に依存しており、加熱か冷却かの判断を行います。

  2. 較正は、さまざまなトランスデューサや発振器などの部品においての温度によってしばしば変化します。このため、温度を測定して、敏感なシステム部品の精度を保証する必要があります。

  3. 保護は有害な温度変動から部品とシステムの両方に対して必要です。温度検出によって適切な処置が決まります。
温度検出

サーミスタ、RTD、熱電対、およびICは、今日、最も広く使用されている温度検出技術の一部です。各設計手法には、それぞれの長所(たとえば、コスト、精度、温度範囲)があり、それぞれが特定のアプリケーションにふさわしい長所です。これらの各技術について、以下で説明します。

マキシムは、業界で最も総合的な専用の温度センサーICのラインアップを揃え、さらにシステムをサーミスタ、RTD、および熱電対にインタフェース接続するのに必要な部品のすべてを製造しています。

温度検出アプリケーションにおけるシグナルチェーンのブロック図。マキシムが推奨する温度センサーソリューションの一覧については、japan.maximintegrated.com/-40+85をご覧ください。
温度検出アプリケーションにおけるシグナルチェーンのブロック図。マキシムが推奨する温度センサーソリューションの一覧については、japan.maximintegrated.com/-40+85をご覧ください。

サーミスタ

サーミスタは、温度に依存した抵抗器で、通常、金属酸化物セラミックや金属酸化物ポリマーなどの半導体材料で作られています。最も広く使用されているサーミスタの温度抵抗係数は負であるため、よくNTCと呼ばれます。正温度係数(PTC)のサーミスタもあります。

サーミスタの特性としては、通常で最大+150℃の中程度の温度範囲(より高温に対応しているサーミスタもある)、精度に依存した低~中程度のコスト、および貧弱ですが予測の可能な直線性があります。サーミスタは、プローブ、表面実装パッケージ、ベアリード付き、およびさまざまな特殊パッケージで提供されています。マキシムは、サーミスタの抵抗をディジタル形式に変換するMAX6682MAX6698などのICも製造しています。

サーミスタはほとんどの場合、1つまたは複数の固定値の抵抗器に接続されて電圧分圧器を形成しています。分圧器の出力は通常、ADCによってディジタル化されます。サーミスタの非直線性は、ルックアップテーブルまたは計算によって補正することができます。

RTD

測温抵抗体(RTD)は、温度で抵抗が変化する抵抗器です。白金が最も一般的で、最も正確な線材です。白金のRTDはPt-RTDと呼ばれています。ニッケルや銅などのその他の金属もRTDの製作に使用されます。

RTDの特性としては、最大+750℃の幅広い温度範囲、優れた精度と再現性、および適度な直線性があります。Pt-RTDの場合、0℃における最も一般的な定格抵抗値は100Ωと1kΩですが、他の値も利用可能です。

RTDの信号調整は、RTDを高精度の固定抵抗に接続して電圧分圧器を形成することで簡単に行うことができますが、特に広範囲の温度測定の場合には複雑になる可能性があります。一般的な手法は、図1に示すように、高精度の電流源、電圧リファレンス、および高分解能ADCで構成されています。直線性補正は、ルックアップテーブル、計算、または外付けの線形回路で実行することができます。

図1. 簡略化したRTD信号調整回路
図1. 簡略化したRTD信号調整回路

熱電対

熱電対は、異なる金属からなる2本のワイヤを接合することで製作されます。ワイヤ間の接点がほぼ温度に比例した電圧を生成します。熱電対には複数のタイプがあり、文字で表されます。最もよく使われる熱電対はK型です。

熱電対の特性としては、最大+1800℃という幅広い温度範囲、低コスト(パッケージに依存)、K型デバイスで約40µV/℃の超低出力電圧、適度な直線性、および中程度に複雑な信号調整(つまり冷接点補償と増幅)があります。

熱電対の出力は低いため、熱電対で温度を測定することは幾分難しくなります。また、熱電対のワイヤが、信号調整回路に接続された銅のワイヤ(またはトレース)に接触する点で追加の熱電対が生成されるため、なお一層測定が複雑になります。この接触点は、冷接点と呼ばれます(図2を参照)。熱電対で温度を正確に測定するには、図3に示すように第2の温度センサーを冷接点に追加する必要があります。次に、冷接点で測定された温度を熱電対の電圧の測定によって示された値に加算します。図3に示す回路は、1つの実装例であり、いくつかの高精度部品が含まれています。

図2. 簡単な熱電対回路。金属1と金属2の間の接合部が、熱電対の主となる接合部です。その他の熱電対は、金属1と金属2のワイヤが測定デバイスの銅線またはプリント基板(PCB)のトレースと接合される場所に存在します。
図2. 簡単な熱電対回路。金属1と金属2の間の接合部が、熱電対の主となる接合部です。その他の熱電対は、金属1と金属2のワイヤが測定デバイスの銅線またはプリント基板(PCB)のトレースと接合される場所に存在します。

図3に示すすべての部品に加えて、マキシムは、K型熱電対用に信号調整機能を実行するMAX6674MAX6675を製造しています。これらのデバイスは設計作業を簡素化し、熱電対出力の増幅、冷接点補償、およびディジタル化に必要な部品の点数を大幅に削減します。

図3. 熱電対信号調整回路の例
図3. 熱電対信号調整回路の例

温度センサーIC

温度センサーICは、シリコンPN接合の予測可能な熱線形特性を利用しています。これらは、従来の半導体プロセスを使用して作られた能動回路であるため、これらのICはさまざまな形態をとります。これには、ディジタルインタフェース、ADC入力、およびファン制御機能など、他の技術では利用することができない多くの機能が搭載されています。温度センサーICの動作温度範囲は、-55℃という低温と+125℃という高温まで拡張され、またいくつかの製品は、約+150℃の上限まで動作します。標準タイプの温度センサーICを以下で説明します。

アナログ温度センサー

アナログ温度センサーICは、温度を電圧(場合によっては電流)に変換します。最も簡単な電圧出力のアナログ温度センサーには、わずかに3つの有効な接続部があるだけです。すなわち、グランド、電源電圧入力、および出力です。機能を拡張したその他のアナログセンサーには、追加の入力または出力(たとえば、コンパレータや電圧リファレンス出力)があります。

アナログ温度センサーは、バイポーラトランジスタの熱特性を使用して温度に比例した出力電圧を生成します。利得とオフセットをこの電圧に加えることでセンサーの出力電圧とダイ温度との間の便利な式が得られます。これによって優れた温度精度を得ることができます。たとえば、DS600は、業界でも最高精度のアナログ温度センサーであり、-20℃~+100℃について±0.5℃未満の誤差が保証されています。

ローカルディジタル温度センサー

アナログ温度センサーとADCを内蔵することで、確実に直接ディジタルインタフェースを備えた温度センサーを作成することができます。このようなデバイスは、通常ディジタル温度センサーまたはローカルディジタル温度センサーと呼ばれています。「ローカル」とは、センサーがセンサー自身の温度を測定することを示しています。この動作は、外部のICやディスクリートのトランジスタの温度を測定するリモートセンサーとは対照的な動作です。

基本的なディジタル温度センサーは単純に温度を測定し、温度データをいくつかのインタフェースで読み取れるようにします。このインタフェースとしては、1-Wire®、I²C、PWM、および3線式があります。より複雑なディジタルセンサーには、その他の機能、たとえば、温度過昇/過降の出力、これらの出力のトリップスレッショルドを設定するレジスタ、およびEEPROMがあります。マキシムは、複数のローカルディジタル温度センサーを製造しています。これには、広い温度範囲にわたって±0.5℃の精度を保証するDS7505DS18B20が含まれます。

リモートディジタル温度センサー

リモートディジタル温度センサーはリモートセンサーまたはサーマルダイオードセンサーとも呼ばれています。リモートセンサーは、図4に示すように、外部のトランジスタ(ディスクリートのトランジスタ、または別のICのダイに内蔵されたトランジスタ)の温度を測定します。マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびASICは、ほとんどの場合、通常、サーマルダイオードと呼ばれる1つまたは複数の検出トランジスタ(図4に示したトランジスタに類似)を搭載しています。

図4. リモート温度センサーMAX6642によって外付けICのダイ上の検出トランジスタ(またはサーマルダイオード)の温度を監視
図4. リモート温度センサーMAX6642によって外付けICのダイ上の検出トランジスタ(またはサーマルダイオード)の温度を監視

リモート温度センサーには、単一のICで複数の高温箇所を監視可能であるという重要な利点があります。図4のMAX6642のような基本的なシングルリモートセンサーは、それ自身の温度と外部の温度の2点の温度を監視することができます。外部の場所は、図4に示すようにターゲットICのダイ上の場合もあれば、ディスクリートトランジスタによって監視される基板上の高温箇所の場合もあります。リモートセンサーの中には、7点もの外部温度を監視するものもあります。したがって、8箇所(ICと基板の高温箇所)が単一のチップによって監視されます。例としてMAX6602を取り上げてみましょう。この温度センサーには4つのリモートダイオード入力があるため、内蔵のサーマルダイオードによる1ペアのFPGAの温度、ディスクリートトランジスタを使用した2点の基板高温箇所、およびMAX6602が配置された基板上の箇所の温度を監視することができます。ここに述べたMAX6602とMAX6642のどちらもが、外付けのサーマルダイオードを読み取るときに±1℃の精度を達成しています。

電流、光、および近接検出

概要

電流検出は多くのアプリケーションで重要であり、よく知られた2つの方式に分類することができます。
  • 1つ目の方式では、電流検出は一般に大電流で使用され、またほとんどの場合、電源監視で使用されます。標準的なアプリケーションとしては、短絡検出、過渡電流検出、および電池の逆接続検出があります。

  • 電流検出は、光に当てたときに少量の電流が生成されるフォトダイオードなど、はるかに小さな電流の検出(マイクロアンペア単位)を必要とするアプリケーションでも使用されます。一般的なアプリケーションは、環境光検知、近接検出、および光の吸収/反射による化学プロセスの監視です。
以上の電流検出手法は、複数の構成で利用可能な電流検出アンプまたはトランスインピーダンスアンプ(TIA)を利用しています。各タイプの電流検出アンプについて以下で説明します。

電流センサー

電流検出アンプを使用する電流検出

電流の測定には、さまざまな手法が使用されていますが、最もよく知られた手法は電流検出抵抗器を用いる手法です。この手法の基本原理は、オペアンプを用いた差動利得段を使用して電流検出抵抗器の両端の電圧降下を増幅し、得られた電圧を測定するというものです。ディスクリート部品を使用して増幅回路を作成することができますが、ディスクリートによる実装よりも内蔵の電流検出アンプを使用する方が大きな利点が得られます。すなわち、温度ドリフトの向上、プリント基板(PCB)面積の減少、および幅広いコモンモードレンジの取り扱いが可能、などです。

ほとんどの電流検出アプリケーションは、ローサイド方式またはハイサイド方式のいずれかを利用しています。ローサイド手法では、検出抵抗はグランド経路と直列に接続されます。この回路は、低い入力コモンモード電圧を取り扱い、出力電圧はグランド基準です。ただし、ローサイド検出抵抗によって、望ましくない不要な電気抵抗がグランド経路に生じます。ハイサイド方式では、検出抵抗は正の電源電圧と直列に接続されます。この場合、負荷は接地されていますが、ハイサイド抵抗器は比較的大きなコモンモード信号に対処する必要があります。

電流検出アプリケーションにおけるシグナルチェーンのブロック図。マキシムが推奨する電流検出ソリューションの一覧については、japan.maximintegrated.com/detectをご覧ください。
電流検出アプリケーションにおけるシグナルチェーンのブロック図。マキシムが推奨する電流検出ソリューションの一覧については、japan.maximintegrated.com/detectをご覧ください。

マキシムのハイサイド電流検出アンプは、電源の正端子と監視対象回路の電源入力との間に配置された電流検出抵抗器を利用しています。この配置によってグランドプレーン内の不要な電気抵抗を避け、レイアウトを大幅に簡素化し、回路全体の性能を一様に向上しています。マキシムの片方向と双方向のさまざまな電流検出ICには、検出抵抗を内蔵しているデバイスと内蔵していないデバイスがあります。

トランスインピーダンスアンプ(TIA)による光検出

もう1つのよく知られた電流測定手法は、TIAのように入力バイアス電流が極めて小さなオペアンプを使用します。TIAは電流入力を電圧出力に変換します。この方式は、光検出アプリケーションでフォトダイオードによって生成される電流のように、変化量が大きく、より小さな電流において機能します。

単純なフォトダイオードは光検出のための非常に正確なトランスデューサです。光検出は、日光を利用した電源管理から高度な産業用プロセス制御のアプリケーションまで、多くのさまざまなアプリケーションで使用されています。ある状況における照明の照度は広範囲にわたって変化する可能性があるため(たとえば20klx~100klxなど)、幅広いダイナミックレンジが光センサーにとって重要な要件となりえます。フォトダイオード、アンプ、およびアナログ-デジタルコンバータ(ADC)を内蔵したMAX44007MAX44009などの集積化ソリューションは、0.025lx~104,000lx (MAX44007)および0.045lx~188,000lx (MAX44009)のダイナミックレンジを提供します。

トランスインピーダンスアンプ(TIA)による光検出

フォトダイオードによる近接検出

近接検出は多くの方法で行うことができますが、フォトダイオードを使用することで、他の方法に比べて精度が向上し、より多くの電力を節約可能です。光がフォトダイオードに照射されると、光量に比例した電流が生成されます。低入力ノイズで広帯域幅のバッファ段がこの電流をシステムの他の部分に転送します。MAX9945などの低入力電流ノイズのアンプによって正確な測定が可能になります。

センサー通信インタフェース

センサーは、アナログまたはデジタルの手法を用いて、検出した情報を送出します。アナログ手法は、電圧または電流のループをベースにしています。デジタル情報は、CAN、CompoNet®、IO-Link®、RS-485などのデータインタフェースを用いて送出されます。

センサー通信インタフェース

バイナリセンサーは、単一のビット情報のみを送出します。一般に、1つのロジックレベルを用いて、対象物体の有無を検出して送出されます。また、バルブ内のピストンのような物体が所定の限界距離に達すると、センサーはこれを検出し、バイナリインタフェースを介してプログラマブルロジックコントローラ(PLC)システムに送出します。

産業環境は過酷であるため、センサーインタフェースはあらゆる形態の取り扱いミスやEMIに対して堅牢でなければなりません。