チュートリアル 4692

人工呼吸器と換気率測定入門

筆者: John Gossan

要約: このアプリケーションノートは人工呼吸器とその基本的な機能を紹介します。換気率の測定方法を議論し、1回の呼吸のガス交換量が患者にとって十分であるかを決定するための公式を紹介します。空気-酸素混合気の検出、空気-酸素混合気の制御、吸息の制御、技術者や医師との通信インタフェース、およびアラームシステムなどのシステムの補助機能が取り上げられています。

概要

人工呼吸器は、ガスを出し入れする患者の肺の作業の全部または一部を担うように設計された電気機械式(または完全機械式)の装置です。

人工呼吸器と換気率測定入門

肺におけるガス交換は、血液に酸素を送って体内の細胞に分配し、血液が収集した二酸化炭素を血液から取り除くために必要です。肺におけるガス交換は、最も小さな気道と、微小なガス交換嚢である肺胞においてのみ行われます。生命維持に十分な量のガスが交換されているかどうかを確認するには、換気率を測定します。換気率は、一定時間内に肺を出入りするガスの量として表されます。換気率は、1回の呼吸中に吸入または吐き出したガスの量(1回換気量)に呼吸率を掛けて計算することができます(たとえば、0.4L x 15回/分 = 6L/分)。

したがって、人工呼吸器は、過不足のない換気を実現する1回換気量と呼吸率を生み出し、人体のガス交換のニーズに応える必要があります。

人工呼吸装置のファンクションブロックダイアグラム。マキシムが推奨する人工呼吸器設計ソリューションの一覧については、japan.maximintegrated.com/ventilatorをご覧ください。
人工呼吸装置のファンクションブロックダイアグラム。マキシムが推奨する人工呼吸器設計ソリューションの一覧については、japan.maximintegrated.com/ventilatorをご覧ください。

動作

このプロセスでは、まず目的の酸素濃度(21%~100%)を患者に提供することができるように、適正な空気-酸素混合気を作成します。吸息期は患者が強制的に息を吸う期間であり、電磁弁を閉めることによって制御します。最大吸息圧は、この吸息弁の逃がし設定によって設定します。吸息弁が開くと、空気-酸素混合気は大気中に放出され、患者は息を吐きます。しかし、吸息弁が開いている間は、患者は可能なら自由に息を吸ったり吐いたりすることができます。したがって、人工呼吸器は、定期的に吸息を強制しますが、吸息を制限することはありません。

人工呼吸器は、ライフクリティカルな装置です。部品が1つでも障害を起こした場合、装置はデフォルトで安全な状態になる必要があります。また、自身の動作を監視し、必要なときにアラームを発する必要があります。制御システムから独立したアラームシステムが重要な圧力値を監視し、過圧力または低圧力障害条件が検出された場合や、吸息イベントのタイミングがプリセットした限度から外れた場合は措置を講じます。

システムで監視および制御する必要がある主な副機能は、以下のように分けることができます。
  1. 空気-酸素混合気の検出 両方の気流の圧力を監視することによって、コントローラは正しい混合比を計算することができます。

  2. 空気-酸素混合気の制御 コントローラは、入力ガスをつなぐ電磁弁の状態を操作することによって混合比を変更することができます。

  3. 吸息の制御 可変弁によって最大気道圧を設定し、電磁弁によって、治療士の決定した率で周期的な吸息を強制します。この電磁弁の制御システムには複数のモードがあるため、治療士は臨時の補助から完全なサポートまで、様々な患者のニーズに対処することができます。

  4. 技術者や医師との通信インタフェース これには、情報を表示したり、医療チームから入力を受け取ったりする機能が必要です。LCDドライバ、タッチスクリーンコントローラ、オーディオ警報(ビープ、トーンなど)も含まれることがあります。

  5. アラームシステム 電源の状態、最大および最小吸息圧、タイミングの整合性など、安全な動作に不可欠の要素はすべて監視する必要があります。このアラームシステムは、制御システムから独立している必要があります。そして、圧力センサーなど一部の部品は重複している場合があります。
FDAの承認を達成するために必要な時間とコストを考えると、人工呼吸器メーカーは、長年にわたって装置の部品供給を保証する顧客本位の製造中止ポリシーを持ったサプライヤを選択する必要があります。

長年にわたって製品の製造中止を慎重に回避してきた結果、マキシムの製品は医療分野のお客様から信頼を得ています。マキシムは、製品の製造中止がお客様にとってどれだけの打撃であるかを認識しています。そのためマキシムは、製品を順次新しい生産ラインに移行し、ウェハのバッファストックを設け、最終購入を可能にし、アップグレード製品を開発するなどして、誠意をもって対応しています。マキシム製品で、需要があるにもかかわらず製造中止になったものは今までほとんどありません。マキシムの「製造中止に関する方針」は、同業サプライヤ企業の中でも最も柔軟に対応しているものの1つです。