チュートリアル 4689

血圧モニタを設計する上での検討事項

筆者: John DiCristina

要約: このアプリケーションノートは2つの主要なタイプの血圧モニタ、様々な測定技術、電気部品の機能、および設計者が部品を選択する上で検討する必要がある重要な点について紹介します。

概要

血圧モニタ(血圧計)は、空気圧で膨らむ測定帯と聴音器または圧力センサーを使用して動脈内の血圧を測定します。このモニタリングは、2つの方式のいずれかで行うことができます。1つは、測定帯を手動で膨らませて聴診器で動脈壁の音を聞く方法(聴診方式)、もう1つは、圧力センサーを内蔵した血圧モニタによって動脈壁の振動を検出する方法(振動測定方式)です。

上腕式血圧モニタ
上腕式血圧モニタ

手首式血圧モニタ
手首式血圧モニタ

自動モニタの種類

自動血圧モニタには、主に上腕式と手首式の2種類があります。上腕式では、測定帯を上腕に巻き付けて、腕の近くの平らな場所に置いたモニタにチューブで接続します。手首式はより小型であり、装置全体を手首に巻き付けます。こちらの方が、はるかにスペースが重要な設計になります。上腕式では測定帯を手動で膨らませることが必要な場合もありますが、上腕式の大部分とすべての手首式で膨張は完全自動となっています。

測定手法

自動血圧モニタは、腕に巻き付けた測定帯を圧力で膨らませ、その部位にある主な動脈の血流を妨げます。この圧力は徐々に緩められ、やがて血液が動脈を流れ始めます。これを測定することによって収縮期血圧がわかります。このときに脈拍数も検出します。血流が制限されなくなったときの測定から、拡張期血圧がわかります。この測定サイクル全体は、ポンプ、測定帯、弁、および圧力センサーによって、すべて自動的に実行されます。

圧力センサーからの信号は、オペアンプ回路または計装アンプによって調整され、その後、アナログ-ディジタルコンバータ(ADC)によってデータ変換が行われます。その後、利用されているモニタおよびセンサーの種類に適した方式で、収縮期血圧、拡張期血圧、および脈拍数がディジタル領域で計算されます。その結果得られた収縮期血圧、拡張期血圧、および脈拍数の測定値は、液晶ディスプレイ(LCD)に表示され、日時情報を付加して不揮発性メモリに保存されます。

高度な音声インジケータを内蔵した血圧モニタのファンクションブロックダイアグラム。マキシムが推奨する血圧モニタの設計ソリューションの一覧については、japan.maximintegrated.com/bloodpressureをご覧ください。
高度な音声インジケータを内蔵した血圧モニタのファンクションブロックダイアグラム。マキシムが推奨する血圧モニタの設計ソリューションの一覧については、japan.maximintegrated.com/bloodpressureをご覧ください。

データインタフェース

血圧モニタによっては、詳細な解析や測定値の経時的な追跡のためにデータをコンピュータにアップロードする機能を備えている場合があります。このデータ転送は、通常、USBインタフェースを介して行います。この機能は、ディスクリートUSBトランシーバでも実現可能であり、マイクロコントローラに内蔵することもできます。

音声インジケータ

血圧モニタの可聴式インジケータには、単純なビープ音からより高度な音声出力まで、さまざまなものがあります。単純なビープ音は、パルス幅変調(PWM)機能を備えた1つまたは2つのマイクロコントローラポート端子で駆動することができます。より高度な音声インジケータは、ディジタル-アナログコンバータ(DAC)とスピーカアンプを追加して実現することができます。

電源管理

上腕式モニタはAAA (単4形)アルカリ電池(1.5V) 4本、手首式モニタは単4形アルカリ電池2本を使用するのが普通です。使用されている技術に応じて、モニタのポンプおよびアナログ回路の電源電圧は5Vまたは3.3V、ディジタル回路の電源電圧は3.3Vまたは1.8Vとなっています。そのため、上腕式モニタでは、通常、ポンプ/アナログの電源電圧を5Vにレギュレートするバックブーストスイッチングレギュレータや、3.3Vのディジタル要件に対応した低ドロップアウト(LDO)リニアレギュレータが必要になります。手首式モニタは、通常、ブーストスイッチングレギュレータを使用してポンプ/アナログの電源電圧を3.3Vに昇圧し、ディジタルの1.8V電源にはLDOを使用します。

バッテリ寿命を延長するために、リアルタイムクロック(RTC)が動作を維持し、モニタの電源をすぐに再投入することができる限りは、モニタがオフの間はスイッチングレギュレータの電源を切断可能な場合もあります。

ディスプレイとバックライト

血圧モニタでは、マイクロコントローラに内蔵されたドライバで駆動することができる単純な100セグメント以下のLCDを使用します。1個または2個の白色LED (WLED)か、エレクトロルミネセント(EL)光源1個を使用することによって、バックライトを追加することができます。手首式モニタにはスイッチングトポロジ、上腕式モニタにはリニアトポロジを使用することよって、ディスクリートWLEDドライバを容易にモニタの設計に追加することができます。

静電放電

すべてのモニタは、静電放電(ESD)に関するIEC 61000-4-2の要件を満足する必要があります。ESD保護を組み込んだ回路を使用したり、ESDラインプロテクタをむき出しになった配線に追加することで、これらの要件を満たすことができる場合があります。
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