チュートリアル 4682

コンピュータ断層撮影(CT)医療画像処理入門

筆者: John Scampini

要約: このアプリケーションノートはコンピュータ断層撮影(CT)画像処理診断装置が体内構造の3D画像を生成する方法を説明します。ハイエンドのスパイラルCT技術が説明されています。これはフォトダイオードが収集した光を処理して電気信号にし、最終的にディジタル収集システム(DAS)によってディジタル形式に変換する方式です。この変換処理は高速で行う必要があり、このためCTの設計においてADCのサンプリングレートと分解能が非常に重要となります。

概要

コンピュータ断層撮影(CT)医療画像診断装置は、複雑なコンピュータ支援X線断層撮影画像処理技術を使用して、体内構造の3次元(3D)画像を生成します。

断層画像の生成に使用されるX線画像は、まず扇型のX線ビームを患者に照射し、次に薄型、半円形のディジタルX線検出器で投影画像を検出することによって生成します。患者をX線源と検出器の間に配置し、検出器の半円の幾何学的中心がX線源の位置になるように構成します。各画像は、人体を輪切りにした非常に薄いスライスのX線投影像です。断層CT画像の生成に必要な多数のX線投影像を収集するため、支持ガントリ内で患者を中心にX線源と検出器を回転させます。X線源と検出器が回転している間に画像が収集、蓄積されます。従来のX線の場合と同様、画像スライス内の信号レベルは、X線源から対応するピクセル位置までの線上にある患者の相対的な放射線濃度を示します。

コンピュータ断層撮影(CT)医療画像診断装置

画像取得時間と解像度を向上させるため、各メーカーでは、マルチスライスCT画像処理技術を利用しています。マルチスライス画像処理では、画像スライスを1枚だけ生成する単一の2D検出器アレイではなく、3Dアレイを使用します。画像処理の次元の追加によって、装置では、複数のスライスを同時に生成することができます。CT画像処理で使用される光検出器アレイは、半円形の検出器アーチの長い次元に1000個もの検出器を並べ、アーチに対して接線方向の短い方の次元に16個以上の検出器を配置しています。短い次元の検出器の数によって、利用可能な画像スライスの数が決まります。

患者に扇形のX線ビームを照射し、薄型、半円形のディジタルX線検出器で投影画像を検出
患者に扇形のX線ビームを照射し、薄型、半円形のディジタルX線検出器で投影画像を検出

最近のCT画像診断装置は、スパイラルCTという方式を使用して、人体内の任意の平面で画像を生成することもできます。スパイラルCT装置では、患者をガントリの中心内にゆっくりと移動させながら、X線源と検出器を患者の周りで回転させます。この方式で収集される画像を処理するには、超高速のコンピュータが必要です。高度な断層撮影画像処理技術を使用して、必要な画像を生成します。

CT画像診断装置のブロック図。マキシムが推奨するCT画像処理ソリューションの一覧については、japan.maximintegrated.com/ctをご覧ください。
CT画像診断装置のブロック図。マキシムが推奨するCT画像処理ソリューションの一覧については、japan.maximintegrated.com/ctをご覧ください。

X線の検出

初期のCT画像診断装置では、シンチレーション結晶と光電子増倍管の両方を使用してX線検出を行っていました。シンチレーション結晶でX線を光に変換し、それらの光信号を光電子増倍管で使用可能な電気信号に変換しました。最近のCT装置では、より高度なシンチレーション結晶物質と固体光検出ダイオードをこの目的に使用するようになっています。

各フォトダイオードからの出力は、ダイオードに入射した光に比例する電流です。これらの電流は、低ノイズのトランスインピーダンスアンプ(TIA)によって電圧に直接変換したり、コンデンサまたはアクティブインテグレータオペアンプ回路を使用した時間積分によって電圧出力を生成したりすることができます。各ダイオードからの電流の積分は、複数の方法で実行可能です。フォトダイオード検出器アレイ自体の静電容量を、この目的に使用することができます。これらのコンデンサからの信号を、ダイオードアレイ検出器内のFETスイッチを使用して多重化します。さらに、それらの信号をディジタル収集システム(DAS)に送り、そこで高分解能アナログ-ディジタルコンバータ(ADC)を使用して増幅し、ディジタル形式に変換します。もう1つの方式では、すべてのフォトダイオードからの信号をDASの積分回路に送ります。これらの実装では、積分した電流信号を電圧に変換し、同時にサンプリングを行い、多重化してADCの入力に送ります。

コンピュータ断層撮影(CT)医療画像診断装置の画像

1枚のX線画像の取得に必要な時間はさまざまですが、わずか100µsほどにもなります。DASでこれらの信号の変換に使用されるADCのサンプリングレートによって、多重化の量、したがってシステム内のコンバータやアンプの数がおおよそ決まります。X線画像の広いダイナミックレンジを維持するため、ADCには広いダイナミックレンジが必要です。16ビット以上の分解能を持つコンバータが一般的です。ADCの出力は高速バスを介して画像信号プロセッサに送られ、信号処理の追加や画像の再生が行われます。実装によっては、ディジタル処理がADCからかなりの距離を物理的に離れていることがあります。そのような場合は、高速ラインドライバを使用して信号を転送します。

断層撮影画像処理

得られたX線画像データ一式は、画像プロセッサによって画像に変換されます。画像プロセッサは、通常、断層撮影画像の再生に必要となる大量の計算を実行する超高速のコンピュータです。得られる画像は、非常に広いダイナミックレンジを持つのが一般的です(16ビットのグレースケール画像)。この広いダイナミックレンジを限られた可視表示範囲に最も効果的にマッピングするには、さらに画像処理が必要です。

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