アプリケーションノート 5447

FPGAに最適な電源の選択

筆者: Viral Vaidya

要約: フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)向けの電源を設計する際には、考慮すべき事柄が多くあります。これらの考慮すべき事柄には、多くの電圧レール、そしてシーケンシング/トラッキングの両方に関する異なる要件、電圧リップル制限があります(これらに限りません)。このアプリケーションノートでは、これらの点、さらには、FPGA向け電源を設計する際に技術者が考慮しなければならない電源に関するその他の事柄について説明します。

この記事と同様の記事が、「Electronic Specifier」の2012年8月1日号に掲載されました。

はじめに

フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)およびコンプレックスプログラマブルロジックロジックデバイス(CPLD)には、3~15あるいはそれ以上の電圧レールが必要です。ロジックファブリックには、通常は最新のプロセス技術ノードが使用され、それによってコア電源電圧が決定します。コンフィギュレーション、ハウスキーピング回路、各種I/O、シリアライザ/デシリアライザ(SerDes)トランシーバ、クロックマネージャ、およびその他の機能ごとに、電圧レール、シーケンシング/トラッキング、および電圧リップル制限についての要件が異なります。技術者は、FPGA向け電源を設計する際にはこれらすべての事柄を考慮しなければなりません。

電力要件は電圧レールから

プログラマブルロジックデバイス(PLD)およびFPGAは、ボード上のシステムオンチップ(SoC)としての役割を持っているため、これらのデバイスへの給電はシステム全体に匹敵します。Xilinx® Virtex® MシリーズやAltera® Stratix®シリーズなどのハイエンドFPGAは、余裕を持って、個別のレール数を10~15搭載します。Xilinx Kintex®およびSpartan®シリーズまたはAltera Arria®およびCyclone®シリーズなどのより低密度のFPGAは、アプリケーションに応じて2~10のレールを使用します。
FPGAには非常に多くの種類があるため、各アプリケーションに適した電源を選択することが重要です。個々のレールの全体的な電力レベル、それらのシーケンシング要件、およびシステムパワーマネージメントの必要に応じた、パワーレギュレータのセットを選択する必要があります。さらに、FPGA内のプロセス技術ノードの微細化が進んでいるため、電源電圧レールの許容誤差をより厳格にする必要があります。このため、ライン/負荷およびプロセス・電圧・温度(PVT)の変動に対する1%のレギュレーション精度が極めて重要です(図1)。
図1. 産業用FPGAアプリケーションで使用される電源アーキテクチャを示す簡略ブロック図
図1. 産業用FPGAアプリケーションで使用される電源アーキテクチャを示す簡略ブロック図

システムの理解

システムレベル設計の考慮事項は、電力アーキテクチャの選択に影響します。より単純なFPGAプリケーション向けの電源システム設計は、シングルレールおよびマルチレールのレギュレータを使用しています。これらのレギュレータは、5V/12Vの入力から内蔵のシーケンシングと最小限の外付け部品を使用してFPGAの全レールに給電することができます。これらのアプリケーションでは使いやすさこそが最重要であり、レギュレータ内の高集積度が使いやすさを実現します。これらの電力設計を簡易化する機能として、内蔵MOSFET、内蔵補償回路、デジタルでの設定、さらには内蔵インダクタが含まれます。
インフラ機器は、FPGA、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、およびペリフェラルを使用し、それらはマスターコントローラによって制御される多数のポイントオブロード(POL)レギュレータによって給電されます。これらのアプリケーションでは、多くの場合PMBus ™プロトコルまたはI²C/SPIベースのマイクロコントローラによる制御が使用されます。一部のアプリケーションでは、ボード上のFPGAの電力とその他のいくつかのデバイスの両方の制御を、パワーマネージメントおよび監視とともに行う必要があります。また、トリガイベントに基づいて一部のICのオン/オフを行うことが推奨されます。これらは、複数のPOLレギュレータおよびファンを制御するMAX34440MAX34441などの先進的なシステムパワーマネージメントICが対象とする領域です。これらのデバイスは、ハイバネートやスタンバイなどの複数の動的なパワーレギュレーションを可能にし、優れた監視および障害ロギングを可能にします。
バッテリで動作するアプリケーションは、Xilinx FPGAの省電力モードを利用して、アルゴリズム実行以外はFPGA回路をハイバネートモードに維持します。MAX15053などのレギュレータは、これらのFPGAに給電することが可能で、さらには、パルススキッピングおよび軽負荷動作モードおよび制御などの技術を用いてエネルギーを節約し、効率改善することができます。

FPGAの電源レールの理解

現代のPLDは、デバイスの大部分に給電し、最も高い電力を消費するコア電源レールを備えています。それぞれの新しい技術ノードには、新しいコア電源電圧レールが存在します。補助電源電圧レールは、コンフィギュレーションロジック、クロックマネージャ、およびその他のハウスキーピング回路などのサポート回路に給電します。さらに、FPGAはあるインタフェース規格から他のインタフェース規格へのブリッジに使用されることが多く、個々のI/Oドライバがそれぞれ1.2V~3.3Vの範囲の独自の電圧レールを使用します。インタフェースの例には、LVTTL/LVCMOS、LVDS、バスLVDS、mini-LVDS、HSTL、SSTL、TMDSがあります。
高速SerDesトランシーバはそれぞれが1~数アンペアの電流を消費し155Mbps~28Gbps以上の速度で動作するため、それらの給電には特別な注意が必要です。たとえば、100Gイーサネットアプリケーションはそれらのトランシーバを多数使用し、10A以上の電流を消費します。高い速度が使用されるため、ノイズの多い電源レールは性能にとって特に有害です。

FPGAの電力ニーズの評価

3つのステップでFPGAの電力ニーズを評価します。
  1. 入力電圧を決定します。これはFPGAのデータシートの電力概算を用いて確認することができます。必要とするすべての電圧レールと電流を確実に特定します。
  2. 使用な可能な電源レギュレータについては、データシートを参照します。VIN、VOUT、IOUT、シーケンシング、インタフェースおよびプログラマビリティの使用がFPGAの要求事項を満たしていることを確認します。
  3. メーカーの製品データベースを使用して、FPGAおよびアプリケーションに最適な部品を分類、選択します。

常に最新のPMIC機能を考慮

アプリケーションで使用される個々の電圧レールの全体的な電力レベルを評価すれば、FPGAまたはPLDに適した電源を簡単に選択することができます。この点を理解していれば、電源を検討し、最終的に選択するというプロセスを開始することができます。今日のパワーレギュレータは、基本的な入出力電圧および電流以外にもいくつかの高度な機能を提供します。スタートアップシーケンシング/トラッキング、プリバイアスされた負荷でのパワーアップ、外部クロックへの同期、リモートセンシング機能をひとつのデバイスに組み込むことができます。これらの新しい機能のあるものは、アプリケーションによって、重要な場合とまったく不要な場合があります。結局のところ、アプリケーションを熟知している場合にのみ、本当に正しい電源を選択することができるのです。
マキシムの製品ガイド「Xilinx FPGA向けアナログソリューション」と「Altera FGPA向けアナログソリューション」をご覧ください。
次のステップ
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