アプリケーションノート 5280

近接およびタッチセンサーMAX1441プログラマのユーザーマニュアル

筆者: Youssof Fathi

要約: 近接およびタッチセンサーのMAX1441は、車載用パッシブリモートキーレスエントリ(PRKE)などの容量性近接検出アプリケーション向けに設計されています。このセンサーは、ユーザーのアプリケーションファームウェアでプログラムする必要がある2kワードのフラッシュを内蔵しています。このプログラマは、量産環境におけるMAX1441フラッシュメモリのプログラミングを容易にするために開発されました。このプログラマはUSB/JTAGインタフェースを継続的にポーリングして通信可能なMAX1441を探します。MAX1441デバイスを見つけたら、プログラマは約3秒で内蔵フラッシュメモリの消去、プログラミング、および検証を行います。その後、プログラムする次のMAX1441を探してポーリングを開始します。このアプリケーションでは、複数のインスタンスを同一コンピュータ上で起動することができます。

はじめに

いかなる生産ラインでも、可能なかぎりのコスト削減と効率化は主要な課題です。この目標の達成を促進するため、マキシムでは、車載用近接およびタッチセンサーMAX1441の内蔵フラッシュメモリを量産環境でプログラムするためのアプリケーションソフトウェアを開発しました。このソフトウェアは、USBポートからJTAGインタフェースを継続的にポーリングして通信可能なMAX1441を探します。MAX1441デバイスを見つけたら、フラッシュメモリのマスター消去を実行し、指定のファームウェアをフラッシュメモリに書き込んでその内容を検証します。3つの動作すべてが3秒程度で完了します。このソフトウェアを起動する前に、MAXQUSBJTAG-KITデバイスドライバを正しくインストールしておく必要があります。
MAX1441プログラマソフトウェアは必要な処理がすべて完了したことを確認してから次の段階に進むため、余計な時間を費やさずに作業を完了することができます。また、プログラミング手順全体を通じて、マウスやキーボードによるユーザーの操作は不要です。ソフトウェアが自動的にMAX1441の有無を検出するため、ユーザーはMAX1441を差し込んで、プログラミング完了後に取り外すだけです。MAX1441のホットプラグ接続を避けるため、オン/オフ電源スイッチが必要な場合があります。このアプリケーションでは、複数のインスタンスを同一コンピュータ上で実行することが可能です。インスタンスごとに、利用可能なUSBポートとMAXQUSBJTAG-KITが1つずつ必要です。アプリケーションのインスタンスが複数動作している場合、特定のソケットに対して、どの通信(COM)ポートがオペレーティングシステムによって割り当てられているかを知る必要はありません。アプリケーションのインスタンスを複数起動する際に推奨する手順は、1つのインスタンスのハードウェアをUSBポートに接続し、1つのデバイスのプログラミングを開始してから、次のインスタンスを起動するというものです。

要件

MAX1441プログラマソフトウェアには、以下のものが必要です。
    a. Windows XP®/Windows Vista®/7 (32ビットまたは64ビット)が稼働するコンピュータ
    b. アプリケーションの実行インスタンスごとに1つの利用可能なUSBポート
    c. アプリケーションの実行インスタンスごとに1枚のマキシム製USB/JTAGボード(MAXQUSBJTAG-KIT)
    d. MAX1441 VBATターミナル用に必要な電源
    e. アプリケーションと同じディレクトリに置かれたHEX拡張子のファームウェアファイル
    f. MAX1441を装着するテスト用ソケット

ソフトウェアのインストール

MAX1441_programmer.zipを一時フォルダにダウンロードして展開します。Install_MAX1441_Programmer.exeを実行して指示に従います。MAX1441_programmerアプリケーションと関連ファイルが、インストール中に指定したフォルダにダウンロードされます。デフォルトのディレクトリはC:\MAX1441です。インストールが完了すると、フォルダの中味は図1のようになるはずです。
図1. c:\MAX1441フォルダに含まれるファイル
図1. c:\MAX1441フォルダに含まれるファイル

ドライバのインストール

CDM20814_Setupファイルをダブルクリックして、FTDI仮想通信ポートドライバをインストールします。図2のような画面が表示されます。ドライバのインストールが始まり、完了したらウィンドウが自動的に閉じます。
図2. 仮想通信ポートドライバのインストール
図2. 仮想通信ポートドライバのインストール

USB/JTAGアダプタ

FTDI仮想通信ポートドライバをインストールした後、mini-USBコネクタを使用してMAXQUSBJTAG-KIT (図3)を利用可能なUSBポートに接続します。
図3. マキシム製USB/JTAGアダプタ(MAXQUSBJTAG-KIT)
図3. マキシム製USB/JTAGアダプタ(MAXQUSBJTAG-KIT)
このアダプタがオペレーティングシステムによって新しいハードウェアとして検出されたら、前のステップでインストールした正しいドライバがロードされます。確認のため、Device Managerを開いて、Ports (COM & LPT)の下にこのデバイスがあるかどうかをチェックします。図4を参照してください。
図4. USBシリアルポートとして認識されたマキシム製USB/JTAGコンバータ
図4. USBシリアルポートとして認識されたマキシム製USB/JTAGコンバータ
ドライバのインストール、電気特性、特長の詳細を含むマキシム製USB/JTAGアダプタの詳しい情報については、インストールディレクトリにあるMAXQUSBJTAG-KITのPDFファイルを参照してください。

プログラミング手順

MAX1441プログラマアプリケーションを起動する方法は2つあります。1つは直接起動する方法、もう1つはショートカットから起動する方法です。ショートカットからアプリケーションを起動するのが望ましい方法です。

プログラマを直接起動する

MAX1441プログラマを直接起動するには、MAX1441_Programmerアプリケーションファイルをダブルクリックします。ファイルの詳細表示では、プログラマのフォルダは図5のように見えるはずです。
図5. 直接起動するアプリケーションファイルを示した<b>C:\MAX1441</b>フォルダの詳細表示
図5. 直接起動するアプリケーションファイルを示したC:\MAX1441フォルダの詳細表示
起動後、プログラマはシステムをスキャンして利用可能なCOMポートを確認し、マキシム製USB/JTAGインタフェースボードを探します。USB/JTAGインタフェースが確認されると、画面が表示されます(図6)。アプリケーションを起動したフォルダ内にあるすべてのHEXファイル(ファームウェア)がリストされます。確認されたCOMポートがウィンドウヘッダに表示されることに注意してください。
図6. MAX1441プログラマを直接起動したときに表示される画面
図6. MAX1441プログラマを直接起動したときに表示される画面
プログラミングセッションで使用する目的のファームウェアの完全な(ファイル拡張子を含む)ファイル名を入力します。
注:
  • ファイル名にはスペースを含めないでください。スペースの代わりにアンダースコア(_)を使用します。
  • ファームウェアのファイル名はできるかぎり短くしてください。

プログラマをショートカットから起動する

プログラマをショートカットから起動するには、まずMAX1441プログラマアプリケーションへのショートカットを作成します。ショートカットのプロパティで、ファームウェアのファイル名を指定します。
ショートカットを使用すると、アプリケーションを起動するたびにファームウェアのファイル名を入力する必要がなくなります。ショートカットにファイル名の情報が含まれているため、人為ミスがなくなり、したがって量産環境では最適な選択肢になります。ショートカットの情報を確認したり、変更したりするには、ショートカットを右クリックしてPropertiesを選択します(図7)。PropertiesウィンドウのShortcutタブに表示されるデフォルトのリンク先は、C:\Max1441\max1441_programmer.exe appcode.hexです。ここで、「appcode.hex」はMAX1441デバイスに書き込むファームウェアの名前です。利用しやすくするため、このショートカットをPCのデスクトップ上にコピーして、そこから起動します。
図7. 「MAX1441_Programmer」ショートカットのプロパティウィンドウ
図7. 「MAX1441_Programmer」ショートカットのプロパティウィンドウ
直接起動でもショートカットからでも、MAX1441プログラマが起動したら画面が表示され、そのタイトルバーにはファームウェアのファイル名とCOMポートが表示されます(図8)。
図8. MAX1441プログラマの検索モード
図8. MAX1441プログラマの検索モード
この時、ソフトウェアは能動的にMAX1441を探しています。プログレスバーが約13秒後に完了し、MAX1441が見つからなければ最初に戻ります。キーボードでいずれかのキーを押すと、プログラマは終了して閉じます。
MAX1441を見つけたら、フラッシュメモリのプログラミングが始まり、図9のようなウィンドウが表示されます。
図9. MAX1441量産用プログラマのプログラミングモード
図9. MAX1441量産用プログラマのプログラミングモード
注意:プログラミングが進行している(黄色のウィンドウが表示されている)間は、MAX1441のインタフェースを操作しないでください。プログラマとMAX1441との通信が途切れると、プログラミング失敗の原因になります。
図9でProgrammingの行はプロセスの進捗を表します。記号「*」はメモリの消去を示し、ピリオドはフラッシュメモリへの書込みの進捗を示しています。各ピリオドはメモリのうち32ワード(64バイト)のプログラミングを示します。表示されるピリオドの総数は、アプリケーションファームウェアのサイズによって異なります。プログラミングセッションが完了したら、緑色または赤色のウィンドウが表示されます。デバイスのプログラミングが成功した場合、緑色のウィンドウが表示されます(図10)。プログラマは、プログラムする次のデバイスの検索をただちに開始します。構成を変更せず、同じデバイスが構成に残っている場合は、約10秒後に再びそのデバイスのプログラミングが行われます。アプリケーションを終了するにはESCキーを押します。同じデバイスの再プログラミングをただちに開始するには、その他の任意のキーを押します。デバイスを構成から取り外した場合は、図8のようなウィンドウが表示され、通信可能なMAX1441が再び装着されると、ただちにプログラミングが始まります。
図10. MAX1441プログラマの成功ステータス画面
図10. MAX1441プログラマの成功ステータス画面
MAX1441のプログラミングが失敗した場合は、赤色のウィンドウが表示されます(図11)。デバイスを取り外して別のデバイスを装着するか、任意のキー(ただし、ESCキー以外)を押して同じデバイスを再びプログラムするか、またはESCキーを押してアプリケーションを終了します。
図11. MAX1441プログラマの失敗ステータス画面
図11. MAX1441プログラマの失敗ステータス画面
フラッシュメモリのプログラミング成功または失敗を示す緑色と赤色のウィンドウを表示するほか、プログラマはMAX1441のOUT1ピンとOUT2ピンを操作して、プログラミング動作の進捗と結果を示します。
  • フラッシュ消去の処理が完了したら、OUT1とOUT2の両方のピンがローに落とされ、戻されます。MAX1441の評価ボードでは、これによってLED1とLED2が点滅します。
  • フラッシュのプログラミングが成功した場合は、OUT1ピンがローに落とされます。MAX1441の評価ボードでは、これによってLED1が点灯します。MAX1441が取り外されるか、次のプログラミングサイクルが開始されるまで、OUT1はローのままです。
  • フラッシュのプログラミングが失敗した場合は、OUT2ピンがローに落とされます。MAX1441の評価ボードでは、これによってLED2が点灯します。MAX1441が取り外されるか、次のプログラミングサイクルが開始されるまで、OUT2はローのままです。
現在のMAX1441のプログラミングが完了したら、デバイスをソケットから取り外し、プログラムする次のデバイスを差し込みます。
OUT1ピンとOUT2ピンの状態によって正常デバイスと不良デバイスを選別(除去)することができるため、このアプリケーションは自動化された製造環境で利用可能です。
注意:MAX1441プログラマが動作している間は、マキシム製USB/JTAGインタフェースボードをコンピュータに接続しているUSBケーブルを取り外さないでください。通信が途絶すると、アプリケーションがクラッシュします。
次のステップ
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