アプリケーションノート 4735

SFP+コントローラのDS1873のプログラミングのためのクイックリファレンスガイド

筆者: Hrishikesh Shinde

要約: ディジタルレーザダイオードドライバ(LDD)インタフェース内蔵の高性能スモールフォームファクタプラガブル(SFP+)コントローラのDS1873によって、警報、警告、ルックアップテーブル(LUT)、およびその他の機能を設定するための多種多様なプログラミングオプションが可能です。このプログラマビリティは大規模容量のレジスタメモリマップを必要とします。このアプリケーションノートでは、デバイスをプログラミングする際に便利な、このレジスタマップの代替ビューを提供します。

はじめに

DS1873は、すべてのSFF-8472機能を含むスモールフォームファクタ(SFF)、スモールフォームファクタプラガブル(SFP)、およびSFP+モジュールのあらゆる機能を制御および監視します。6つのADCチャネルがVCC、温度、および4つの外部モニタ入力(MON1~MON4)を監視し、これらを使ってすべての監視要件に適合させることができます。温度指標ルックアップテーブル(LUT)を備えた2つのディジタル-アナログ(DAC)出力が、追加の監視および制御機能用に使用可能です。これら多くの機能を監視するには、DS1873コントローラは大規模容量のレジスタメモリマップが必要となります。このアプリケーションノートでは、このレジスタマップの代替ビューを紹介します。

DS1873のメモリマップ

DS1873は、8つのバイト列で内部構成される9つの独立したメモリテーブルを備えています。

下位メモリは、00hから7Fhまでアドレス指定されます。このメモリは、警報/警告スレッショルド、フラグ、マスク、複数の制御レジスタ、パスワード入力域(PWE)、およびテーブル選択バイトを格納します。

テーブル01hは主に、ユーザーEEPROM (およびPW1レベルアクセス)、および警報/警告イネーブルバイトを格納します。

テーブル02hは、設定レジスタ、スケーリング/オフセット値、パスワード、割込みレジスタ、およびその他の制御バイトを格納する多機能領域です。

テーブル04hは、変調電圧を制御するための温度指標LUTを格納します。変調LUTは、-40℃~+102℃の範囲を2℃増分でプログラム可能です。

テーブル05hは、デフォルトで空となります。このテーブルは、テーブル01h、レジスタF8h~FFhからの警報/警告イネーブルバイトを、MASKビット(テーブル02h、レジスタ89h)をイネーブルにして格納するように設定することができます。この場合、テーブル01hは空になります。

テーブル06hは、トラッキングエラー(TE)を補償するために自動パワー制御(APC)セットポイントを温度の関数として変動させる温度指標LUTを格納します。APC LUTは、-40℃~+100℃の範囲を4℃ウィンドウでAPC設定を決定する36のエントリを備えています。

テーブル07hは、DAC1を制御するための温度指標LUTを格納します。このLUTは、-40℃~+100℃の範囲を4℃ウィンドウでDAC設定を決定する72のエントリを備えています。

テーブル08hは、DAC2を制御するための温度指標LUTを格納します。このLUTは、-40℃~+100℃の範囲を4℃ウィンドウでDAC設定を決定する36のエントリを備えています。

補助メモリ(デバイスA0h)は、アドレス00h~FFhからアクセス可能な256バイトのEEPROMを格納します。この補助メモリは、A0hのデバイスアドレスによって選択されます。

各バイトの機能と各バイトの読取り/書込み許可の詳細については、下表を参照してください。

シャドウEEPROM

多くの不揮発性メモリ領域(後述の「レジスタリファレンス」の項を参照)は、実際にはシャドウEEPROMであり、テーブル02h、レジスタ80hのSEEBビットによって制御されます。

DS1873は、何回も再書込みが可能な主要メモリアドレス用のシャドウEEPROMメモリ領域を内蔵しています。デフォルトでは、シャドウEEPROMビット、SEEBは未設定で、これらの領域は通常のEEPROMとして機能します。SEEBを設定すると、これらの領域はSRAMセルのように機能し、EEPROMの消耗を懸念せずに無数の書込みサイクルを可能にします。また、SEEBビットを使用することによって、EEPROMの書込み期間、tWRの規定がなくなります。SEEBをイネーブルにして行われた変更はEEPROMに作用しないため、これらの変更はパワーサイクルを通じて保持されません。電源投入時の値は、SEEBをディセーブルにして書き込まれた最後の値です。SEEB機能は、較正時のEEPROM書込みの回数の限定や通常動作時のモニタスレッショルドの定期的な変更に使用することができます。これによって、EEPROMに書き込まれる回数を減らすことができます。以下のメモリマップの説明は、シャドウEEPROMである領域を示しています。

DS1873のメモリマップ

DS1873 memory map
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レジスタリファレンス

下表は、下位メモリ、およびテーブル01hと02hの簡単なリファレンスを提供します。各ビットの機能の説明については、データシートの該当レジスタを参照してください。テーブル04h~08hは、独立したリファレンスが不要なLUTであるため、ここには含まれていません。これらのテーブルの詳細については、データシートを参照してください。

:RSVDは、「予約」の頭字語として使用されています。

下位メモリ
Register Name Address (h) bit7 bit6 bit5 bit4 bit3 bit2 bit1 bit0
TEMP ALARM HI
TEMP WARN HI
00, 04 S 26 25 24 23 22 21 20
01, 05 2-1 2-2 2-3 2-4 2-5 2-6 2-7 2-8
TEMP ALARM LO
TEMP WARN LO
02, 06 S 26 25 24 23 22 21 20
03, 07 2-1 2-2 2-3 2-4 2-5 2-6 2-7 2-8
VCC ALARM HI
VCC WARN HI
MON1–4 ALARM HI
MON1–4 WARN HI
08, 0C, 10, 14, 18, 1C, 20, 24, 28, 2C 215 214 213 212 211 210 29 28
09, 0D, 11, 15, 19, 1D, 21, 25, 29, 2D 27 26 25 24 23 22 21 20
VCC ALARM LO
VCC WARN LO
MON1–4 ALARM LO
MON1–4 WARN LO
0A, 0E, 12, 16, 1A, 1E, 22, 26, 2A, 2E 215 214 213 212 211 210 29 28
0B, 0F, 13, 17, 1B, 1F, 23, 27, 2B, 2F 27 26 25 24 23 22 21 20
PW2 EE 30–5F EE EE EE EE EE EE EE EE
TEMP VALUE 60 S 26 25 24 23 22 21 20
61 2-1 2-2 2-3 2-4 2-5 2-6 2-7 2-8
VCC VALUE
MON1–4 VALUE
62, 64, 66, 68, 6A 215 214 213 212 211 210 29 28
63, 65, 67, 69, 6B 27 26 25 24 23 22 21 20
RESERVED 6C, 6D 0 0 0 0 0 0 0 0
STATUS 6E TXDS TXDC IN1S RSELS RSELC TXF RXL RDYB
UPDATE 6F TEMP RDY VCC RDY MON1 RDY MON2 RDY MON3 RDY MON4 RDY RSVD RSSIR
ALARM3 70 TEMP HI TEMP LO VCC HI VCC LO MON1 HI MON1 LO MON2 HI MON2 LO
ALARM2 71 MON3 HI MON3 LO MON4 HI MON4 LO RSVD RSVD RSVD TXFINT
ALARM1 72 RSVD RSVD RSVD RSVD HBAL RSVD TXP HI TXP LO
ALARM0 73 LOS HI LOS LO RSVD RSVD BIAS MAX RSVD RSVD RSVD
WARN3 74 TEMP HI TEMP LO VCC HI VCC LO MON1 HI MON1 LO MON2 HI MON2 LO
WARN2 75 MON3 HI MON3 LO MON4 HI MON4 LO RSVD RSVD RSVD RSVD
RESERVED 76–7A RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD
PASSWORD ENTRY 7B 231 230 229 228 227 226 225 224
7C 223 222 221 220 219 218 217 216
7D 215 214 213 212 211 210 29 28
7E 27 26 25 24 23 22 21 20
TABLE SELECT 7F 27 26 25 24 23 22 21 20

テーブル01h
Register Name Address (h) bit7 bit6 bit5 bit4 bit3 bit2 bit1 bit0
EEPROM 80-BF EE EE EE EE EE EE EE EE
EEPROM C0-F7 EE EE EE EE EE EE EE EE
ALARM EN3 F8 TEMP HI TEMP LO VCC HI VCC LO MON1 HI MON1 LO MON2 HI MON2 LO
ALARM EN2 F9 MON3 HI MON3 LO MON4 HI MON4 LO RSVD RSVD RSVD RSVD
ALARM EN1 FA RSVD RSVD RSVD RSVD HBAL RSVD TXP HI TXP LO
ALARM EN0 FB LOS HI LOS LO RSVD RSVD BIAS MAX RSVD RSVD RSVD
WARN EN3 FC TEMP HI TEMP LO VCC HI VCC LO MON1 HI MON1 LO MON2 HI MON2 LO
WARN EN2 FD MON3 HI MON3 LO MON4 HI MON4 LO RSVD RSVD RSVD RSVD
RESERVED FE-FF RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD

テーブル02h
Register Name Address (h) bit7 bit6 bit5 bit4 bit3 bit2 bit1 bit0
MODE 80 SEEB RSVD DAC1 EN DAC2 EN AEN MOD EN APC EN BIAS EN
T INDEX 81 27 26 25 24 23 22 21 20
MOD DAC VALUE 82 0 0 0 0 0 0 0 28
83 27 26 25 24 23 22 21 20
DAC1 VALUE 84 0 0 0 0 0 0 0 28
85 27 26 25 24 23 22 21 20
DAC2 VALUE 86 0 0 0 0 0 0 0 28
87 27 26 25 24 23 22 21 20
UPDATE RATE 88 SEE SEE SEE SEE APC_SR3 APC_SR2 APC_SR1 APC_SR0
CNFGA 89 LOSC RSVD INV LOS ASEL MASK INVRSOUT RSVD RSVD
CNFGB 8A IN1C INVOUT1 RSVD RSVD RSVD ALATCH QTLATCH WLATCH
CNFGC 8B XOVREN RSVD TXDM34 TXDFG TXDFLT TXDIO RSSI_FC RSSI_FF
DEVICE ADDR 8C 27 26 25 24 23 22 21 20
RIGHT SHIFT2 8D RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD MON3C2 MON3C1 MON3C0
RIGHT SHIFT1 8E RSVD MON12 MON11 MON10 RSVD MON22 MON21 MON20
RIGHT SHIFT0 8F RSVD MON3F2 MON3F1 MON3F0 RSVD MON42 MON41 MON40
XOVER COARSE 90 215 214 213 212 211 210 29 28
91 27 26 25 24 23 22 21 0
VCC SCALE
MON1–2 SCALE
MON3 F SCALE
MON4 SCALE
MON3 C SCALE
92, 94, 96, 98, 9A, 9C 215 214 213 212 211 210 29 28
93, 95, 97, 99, 9B, 9D 27 26 25 24 23 22 21 20
RESERVED 9E–9F RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD
XOVER FINE A0 215 214 213 212 211 210 29 28
A1 27 26 25 24 23 22 21 0
VCC OFFSET
MON1–2 OFFSET
MON3 F OFFSET
MON4 OFFSET
MON3 C OFFSET
A2, A4, A6, A8, AA, AC S S 215 214 213 212 211 210
A3, A5, A7, A9, AB, AD 29 28 27 26 25 24 23 22
INTERNAL TEMP OFFSET AE S 28 27 26 25 24 23 22
AF 21 20 2-1 2-2 2-3 2-4 2-5 2-7
PW1 B0 231 230 229 228 227 226 225 224
B1 223 222 221 220 219 218 217 216
B2 215 214 213 212 211 210 29 28
B3 27 26 25 24 23 22 21 20
PW2 B4 231 230 229 228 227 226 225 224
B5 223 222 221 220 219 218 217 216
B6 215 214 213 212 211 210 29 28
B7 27 26 25 24 23 22 21 20
LOS RANGING B8 RSVD HLOS2 HLOS1 HLOS0 RSVD LLOS2 LLOS1 LLOS0
COMP RANGING B9 RSVD HBIAS2 HBIAS1 HBIAS0 RSVD APC2 APC1 APC0
IBIASMAX BA 29 28 27 26 25 24 23 22
ISTEP BB 28 27 26 25 24 23 22 21
HTXP BC 27 26 25 24 23 22 21 20
LTXP BD 27 26 25 24 23 22 21 20
HLOS BE 27 26 25 24 23 22 21 20
LLOS BF 27 26 25 24 23 22 21 20
PW_ENA C0 RWTBL78 RWTBL1C RWTBL2 RWTBL1A RWTBL1B WLOWER WAUXA WAUXB
PW_ENB C1 RWTBL46 RTBL1C RTBL2 RTBL1A RTBL1B WPW1 WAUXAU WAUXBU
RESERVED C2–C5 RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD
POLARITY C6 RSVD RSVD RSVD RSVD MODP BIASP DAC1P DAC2P
TBLSELPON C7 27 26 25 24 23 22 21 20
MAN BIAS C8 0 0 0 0 0 0 0 28
C9 27 26 25 24 23 22 21 20
BIAS DAC CA RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD MAN_CLK
MAN BIAS CB RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD 29 28
CC 27 26 25 24 23 22 21 20
RESERVED CD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD
DEVICE ID CE 0 1 1 1 0 0 1 1
DEVICE VER CF
DEVICE VERSION
APC DAC D0 27 26 25 24 23 22 21 20
HBIAS DAC D1 27 26 25 24 23 22 21 20
RESERVED D2–D7 RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD RSVD
EMPTY D8–FF
EMPTY

テーブル04h:レジスタ80h~C7h:MODULATION LUT
テーブル04h、レジスタF8h~FFh:MOD OFFSET LUT

テーブル06h:レジスタ80h~A3h:APC LUT
テーブル06h、レジスタF8h~FFh:HBIAS LUT

テーブル07h:レジスタ80h~C7h:DAC1 LUT
テーブル07h、レジスタF8h~FFh:DAC1 OFFSET LUT

テーブル08h:レジスタ80h~A3h:DAC2 LUT
テーブル08h、レジスタF8h~FFh:DAC2 OFFSET LUT