アプリケーションノート 4717

コネクタまたは家電品へのICの射出成形


要約: 射出成形は、集積回路(IC)を医療センサーや家電製品に埋め込むために一般に好まれる方法です。このアプリケーションノートは、プラスチック材料を選択する際に必要になる特別な配慮について考察しています。アプリケーションノートでは、ICをサブストレートに接合しているはんだを軟化させたり溶融させたりしないように、加工温度を十分低くする必要性を説明しています。記事では、さまざまなプラスチック材料についても考察し、それらがすべて一様に医療アプリケーションで要求される滅菌に適しているとは限らないことを示しています。ごく一部の滅菌方法のみが、プラスチック材料およびICの両方に適合しています。家電品に埋め込まれたICの例が示されています。

はじめに

かなり前から、医療センサー、家電品やケーブルに集積回路(IC)が埋め込まれてきました。この技術の概念や利点はよく理解されています1。しかし、製造プロセスと、アプリケーションに適したプラスチックの選択の両方のためのノウハウを獲得している企業はほとんどありません。このドキュメントでは、射出成形法について概略し、限界温度について説明して、適合したプラスチック材料を特定するための手引きを提供しています。

射出成形とは?

射出成形は、溶融したプラスチックをノズルから型穴に流し込むプロセスです。型穴は最初、空であっても、プラスチックで封入する対象物を入れておくこともできます。図1は射出成形機の簡略図を示しています2。プラスチックは細粒として機械に供給されます。スクリュー式プランジャがこの細粒を加熱されたバレル(筒部)に流し込んでノズルに押し出します。バレルに沿って、通常、後部、中央部、前部の3つの加熱帯が存在します。前部は、ノズルの横で、一番高熱です。ノズルに向かう途中で、プラスチックの細粒は軟化して、均質な塊になり、これが型穴に高圧で押し出されて充填され、そこで急速に冷却されて凝固します。その後、金型が開かれ、成形品を取り除き、次のサイクルのために金型を準備します。データシートのプラスチック材料の「processing conditions (加工条件)」仕様は、各加熱帯と金型の適切な温度を示しています。
図1. 射出成形機の原理
図2. TO92 1-Wireデバイスを内蔵したDB9コネクタの射出成形前

まとめ

射出成形は、ICを医療センサーや家電製品に埋め込むために一般に好まれる方法です。ICをサブストレートに接合するはんだを軟化または液化させないように、加工温度を十分低くする必要があります。そのため、プラスチック材料の選択の際には特別な注意が必要となります。各プラスチック材料は一様に医療アプリケーションで要求される滅菌に適しているとは限りません。その結果、ごく一部の滅菌方法のみがプラスチック材料およびICの両方に適合しています。
参考文献
  1. マキシムのアプリケーションノート4702 「医療センサーと消耗品にメモリ、セキュリティ、モニタリング、および制御機能を容易に追加」、およびアプリケーションノート4623 「Smart cable aids quality control and authentication」 を参照
  2. 「Injection molding」、http://en.wikipedia.org/wiki/Injection_molding
  3. 参考資料については、マキシムのアプリケーションノート4132 「電気機械的SFNパッケージの取り付け方法」を参照
  4. このプロセスに最適なポリマの例については、http://en.wikipedia.org/wiki/Injection_moldingを参照
  5. 「Choosing the Correct Thermoplastic Composite」、RTP Company:http://www.thomasnet.com/white-papers/abstract/100711/choosing-the-correct-thermoplastic-composite.html
  6. 「Selection of Materials for Medical Applications」、RTP Company:http://www.thomasnet.com/white-papers/abstract/100710/selection-of-materials-for-medical-applications.html
  7. 「Sterilization of Plastics」、Zeus Industrial Products:https://www.thomasnet.com/pdf.php?prid=101488
  8. 「Gaseous Chlorine Dioxide and the Myth of Corrosion」:https://www.clordisys.com/pdfs/articles/myths_of_CDGas_ALN92013.pdf
  9. 「Material Compatibility with Vaporized Hydrogen Peroxide (VHP®) Sterilization」:www.sterislifesciences.com/~/media/Files/LifeSciences_com/PDF/Biodecontamination%20Services
    /Material%20Compatibility%20with%20Vaporized%20Hydrogen%20Peroxide.ashx
  10. 「Injection molding Processing Conditions for RTP Specialty Compounds」、RTP Company:http://www.rtpcompany.com/info/processing/index.htm
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