アプリケーションノート 4225

MAX9877オーディオサブシステムICのシャットダウン電流の最小化

筆者: Adrian Rolufs

要約: MAX9877オーディオサブシステムICは、I²Cバスに接続された任意のデバイスのSDAおよびSCLラインの両方がロジックハイ状態でアイドリングしているという認識の下に設計されています。そのため、このデバイスは、SDAおよびSCLの両方がロジックハイ状態であるという前提のもとに、最小シャットダウン消費電流を実現します。このアプリケーションノートは、MAX9877がシャットダウンに設定されたときで、SDAおよびSCLがロジックロー状態における最小シャットダウン電流を実現するための3つの方法について説明します。

はじめに

標準的なアプリケーションでは、I²Cバスに接続されたデバイスのSDAおよびSCLラインの両方は、ロジックハイ状態でアインドリングします。MAX9877オーディオサブシステムICはこれを前提として設計され、その結果、SDAおよびSCLの両方におけるロジックハイに依存し、最小シャットダウン消費電流を達成します。このアプリケーションノートは、MAX9877がシャットダウンに設定されたときで、SDAおよびSCLがロジックロー状態における最小シャットダウン電流を実現するための3つの方法について説明します。

方法1:追加で影響力の低いプルアップ

1番目の方法は、各SDAおよびSCLライン上に追加で影響力の低い電圧分配器を使用し、通常のプルアップ抵抗がアクティブでないときの各ライン上の電圧を設定します。図1は、この方法の回路図を示しています。

Figure 1. Weak voltage dividers are used to set the voltage on the SDA and SCL lines, while an isolation diode prevents current consumption if the pullup voltage is forced to ground.
図1. 影響力の低い電圧分配器は、SDAおよびSCLラインに電圧を設定するために使用され、アイソレーションダイオードはプルアップ電圧がグランドに強制される場合の電流消費を防止します。

SDAおよびSCL上の1対の2MΩ抵抗は、バッテリ電圧を分割し、SDAおよびSCLの電圧がI²Cマスタの最大定格を超えないようにします。4.2V~3.2V範囲のバッテリ電圧の場合、SDAおよびSCL上の電圧は2.1V~1.6V範囲に設定され、MAX9877の入力ハイ電圧を十分上回ります。

また、接続のダイオードは、VDDIOの出力がグランドに強制される場合に、VDDIO電源が電流を消費するのを防止します。電源がディセーブル時にハイインピーダンス出力である場合、このダイオードは省略することができます。

この方法は、I²Cマスタの出力と、バス上のその他すべてのデバイスがシャットダウン時にハイインピーダンスであることも前提にしています。この前提が正しくない可能性がある1つの理由は、I²Cマスタの電源が除去され、出力が内蔵ESD保護によって今の0V電源電圧にクランプされた場合です。これは動作の典型ではありませんが、その状態が起こりえる場合は、方法2または方法3を使用してSDAおよびSCLがハイに強制することができる必要があります。

方法2:レベル変換器

バス上の他のデバイスが、システムインタフェースのシャットダウン時にハイインピーダンス状態であると信頼することができない場合、シングルnチャネルエンハンスメントMOSFETを使用し、各バスラインをシステムの残り部分から絶縁することができます。その場合、追加のプルアップ抵抗が、バスのMAX9877側にロジックレベルハイを設定するために接続されます。

図2はこの方法の詳細回路を示しています。VDDIOは、システムのI²Cプルアップ電圧です。4個の抵抗はすべて、システムのI²Cタイミング要件に基づいて選択される必要があります。nチャネルMOSFETは双方向レベル変換器として機能させることで、ベースバンドの通常動作に影響を与えることなくMAX9877に対してベースバンドと異なるロジックレベルを設定することができます。VDDIO電源がディセーブルされると、レベル変換器はオフしMAX9877のSDAおよびSCL端子をハイに維持することができるため、シャットダウン電流を最小化します。

Figure 2. The addition of n-channel MOSFET level translators isolates the system's bus lines.
図2. nチャネルMOSFETレベル変換器の追加はシステムのバスラインを絶縁します。

方法3:ハイサイド電力スイッチ

MAX9877のシャットダウン電流を最小化する最後のソリューションは、ハイサイドスイッチをMAX9877電源と直列に設定することです。これは、必要に応じて電源がバッテリから完全切断されることができ、MAX9877のシャットダウン電流が1µA以下に低減します。

図3はハイサイドスイッチをMAX9877に接続する方法を示しています。MAX9877は、2つの電源端子(VDDおよびPVDD)を持っており、常時相互に0.3V以内に維持される必要があります。シングル電力スイッチを使用し、両電源を同電位にし、部品数を最小限にします。

Figure 3. A high-side power switch in series with the MAX9877 power supply completely eliminates all shutdown current.
図3. MAX9877電源と直列のハイサイド電力スイッチはすべてのシャットダウン電流を完全になくします。
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