アプリケーションノート 4077

DS1862とAPCループ内蔵レーザドライバとのインタフェース方法


要約: このアプリケーションノートでは、XFPレーザ制御およびディジタル診断ICのDS1862を、平均出力制御(APC)ループを内蔵したレーザドライバにインタフェースする方法を説明します。APCループを内蔵したレーザドライバの大半は、電圧モードインタフェースも必要とします。このアプリケーションノートでは、それらの必要な電圧を生成する方法と、ディジタルポテンショメータを使用してTxパワーモニタ機能を維持する方法を説明します。

電流出力

XFPレーザ制御およびディジタル診断ICのDS1862は、2つの電流出力を備えています。BIASSETは、最大出力1.5mAのアナログ電流DAC出力です。MODSETは、1.2mAフルスケールレンジの8ビット電流DACです。このアプリケーションでは、これらのDAC出力が0.7V~3.0Vの電圧レベルである必要があります。

電流/電圧変換

この手法では、差動アンプ構成のオペアンプを使用してBIASSETとMODSETの電流DACを電圧出力に変換します。電圧出力の生成の他に、図1の回路はBMD端子からじかに電流を取り出すことによって、結果としてDS1862の内蔵APCループを無効化します。図2の回路は、MODSETのDACを1.09Vフルスケールレンジの電圧出力に変換します。

Figure 1. BIASSET current-to-voltage conversion circuit.
図1. BIASSETの電流/電圧変換回路

Figure 2. MODSET current-to-voltage conversion circuit.
図2. MODSETの電流/電圧変換回路

コンパクトなソリューション

チップスケールパッケージのオペアンプと0201抵抗を使用することによって、最もコンパクトなソリューションが実現します。MAX4233は、1.5mm × 2mmの10ピンUCSP™で提供される2チャネルオペアンプです。

APCSETの電圧の計算

図1に示したオペアンプからの出力電圧は、式1および2で計算されます。DS1862の2つのレジスタ(APCc <7:0>およびAPCf <1:0>)で、BIASSET端子への電流を調節します。

Equation 1

Equation 2

図1に示した値を使用する場合、APCSETにかかる最大電圧は1.26Vになります(DAC電流が1.5mAのとき)。

BMD出力の出力インピーダンスは最大700Ωです。図1において、DAC端子の電圧が絶対に0.7V未満に低下しないようにするため、R1は180Ω未満にする必要があります。

安定した出力電圧を生成するためには、差動アンプへの漏れ電流を最小化する必要があります。図1において、差動アンプに入る電流とBMD端子から出る電流との比を最小化するために、R2 >> R1という関係を維持する必要があります。39.2kは150Ωより200倍以上大きいため、この要件が満たされています。オフセット誤差と利得誤差をさらに最小化するため、1%の公差を使用すべきです。

MODSETの電圧の計算

図2のオペアンプからの出力電圧は、式3で計算されます。

Equation 3

図2に示した値を使用する場合、MODSETへの最大電圧は1.09Vになります。オフセット誤差と利得誤差を最小化するため、1%の公差を使用すべきです。さらに、DAC端子の電圧が絶対に0.7V未満に低下しないようにR1を選択する必要があります。VCC2が1.8Vの場合、R1に825Ω未満の値を選択することによってこれを達成することができます。

コンパクトなソリューション

チップスケールパッケージのオペアンプと0201抵抗を使用することによって、最もコンパクトなソリューションが実現します。1.5mm × 2mmの10バンプUCSPで提供される2チャネルオペアンプのMAX4233は、このアプリケーションに最適です。

Txパワーモニタに関して

アプリケーションによっては、Txパワーの監視が必要になります。抵抗を通してBIASSETをBMDに接続する必要があるため、図1の回路を使ってそうしたアプリケーションを実現することは不可能です。このような形でBMDを使用する場合、レーザのモニタダイオードをDS1862に接続することはできません。したがって、別のデバイスを使ってレーザドライバのAPCSET端子に電圧を印加する必要があります。

図3の回路は、1つのアプローチを示したものです。この回路では、DS1855ディジタルポテンショメータを使用して、レーザドライバのAPCSET端子にかかる電圧を設定しています。DS1855のH0端子が、レーザドライバの電圧リファレンス(VREF)に接続されています。この回路では、レーザのモニタダイオードをDS1862のBMD端子にシンクモードまたはソースモードで接続することができます。

Figure 3. BIASSET current-to-voltage conversion circuit.
図3. BIASSETの電流/電圧変換回路

結論

小型でシンプルな回路を実装して、DS1862の電流DAC出力を電圧出力に変換することが可能です。Txパワーモニタが要求される場合、1つの選択肢として、DS1855ディジタルポテンショメータをレーザドライバのリファレンス出力と組み合わせて使用する方法があります。