アプリケーションノート 3909

MAX2470/MAX2471によるMIMOトランシーバ用リファレンスクロックのカップリング


要約: MAX2470/MAX2471は、ディスクリートおよびモジュールベースのVCO設計を使用するアプリケーション向けの、柔軟性が高く、低コストで、高い逆アイソレーションを備えたバッファアンプです。このアプリケーションノートでは、基本的な動作およびMIMOトランシーバにおいてリファレンスクロックをカップリングするための手法を示します。

MAX2470/MAX2471の基本動作

ディスクリートおよびモジュールベースのVCO設計に最適なMAX2470/MAX2471は、柔軟性が高く、低コストで、高い逆アイソレーションを備えたバッファアンプです。どちらも50Ωの差動出力を備えており、単一の差動(平衡型)負荷または2つの独立したシングルエンド(不平衡型)の50Ω負荷を駆動することができます。MAX2470はシングルエンドの入力を備え、10MHz~500MHzと10MHz~200MHzの2つの動作周波数レンジを選択することができます。MAX2471は差動入力を備え、10MHz~500MHzで動作します。MAX2470は+2.7V~+5.5Vの単一電源で動作します。-5dBm出力時の消費電流は、高周波数レンジで5.5mA、低周波数レンジではわずか3.6mAです。MAX2471は+2.7V~+5.5Vの単一電源で動作し、消費電流は5.5mAです。

Figure 1. MAX2470 and MAX2471 block diagrams.
図1. MAX2470とMAX2471のブロック図

入力について

MAX2470/MAX2471 (図1)はハイインピーダンス入力で、VCOの低歪バッファリングに最適です。ディスクリートのトランジスタベースの発振器設計のアプリケーションでは、単純に発振器と入力を直接ACカップリングしてください。バッファの高い入力インピーダンスによって、発振器には最小限の負荷しかかかりません。さらに直列ブロッキングコンデンサの後にシャントL整合回路で入力のマッチングを行うことにより、高入力インピーダンスを保持し負荷の影響を抑えることができます。50ΩのVCOモジュールと組み合わせて使用する場合は、直列ブロッキングコンデンサの後に50Ωのシャント抵抗を入れて、バッファ入力を終端させます。これによって非常に安定した50Ω終端が得られ、逆アイソレーションが増大します。高い利得と良好な入力マッチングの両方を必要とするアプリケーションの場合は、直列ブロッキングコンデンサの後に簡単な2素子の整合回路を入れて、バッファ入力を50Ωに整合させてください。

出力について

MAX2470/MAX2471は、ACカップリングされた100Ωの差動負荷1つまたはACカップリングされた50Ωのシングルエンド負荷2つを駆動することができる、完全に差動型の出力段を取り入れています。これは、2つのアプリケーション回路(たとえばミキサとPLL)を同時に駆動する必要のある発振器のアプリケーションに最適です。出力間の高いアイソレーションによって、複数の負荷回路間における相互作用が最小限に抑えられます。

レイアウトおよび電源バイパス処理

あらゆるRF/マイクロ波回路の有効性を確保するためには、プリント基板の適切な設計が不可欠です。すべての高周波回路の入力と出力には、必ずインピーダンス制御された配線を使用してください。できる限りVCC端子に近い位置にデカップリングコンデンサを配置して、電源をバイパスしてください。VCCの配線が長い(誘導性が大きい)場合は、デバイスパッケージから遠い位置にもデカップリングコンデンサの追加挿入が必要になる場合があります。

GND端子の適切なグランド処理も不可欠です。上面RFグランドを使用しているプリント基板の場合は、直接そのグランドにGND端子を接続してください。グランドプレーンが部品面にない基板の場合は、パッケージの近くにあるグランドプレーンへの半田メッキされたスルーホール(ビア)を使ってGND端子を基板に接続するのが最良の手法です。

MIMOアプリケーション

MIMOアプリケーションでは複数のRFトランシーバが共通のリファレンスソースを必要とするため、各トランシーバに共通リファレンス信号を供給するのに十分な数の経路に、リファレンス信号の出力を分岐する必要があります。各トランシーバが備えているのがシングルエンドのリファレンス入力(すなわち不平衡)である場合、MAX2470の一方の出力ポートは50Ωの負荷抵抗で終端させる必要があります。もう一方の出力ポートを、トランシーバ1つに対して1本ずつの独立した経路に分岐してください。2つの出力ポート間には180度の位相差があるため、MIMOアプリケーション用として両方の出力ポートを使用することはできません。負荷が50Ωの場合、MAX2470の出力は-5dBm以下に設定してください。設計者は、分岐後のリファレンス信号の出力が各トランシーバチップの最小リファレンス信号レベルを満たすことを確認する必要があります。

結論

MAX2470/MAX2471 VCOバッファアンプは、すべての注意事項を遵守する限り、MIMOトランシーバのリファレンスクロックのカップリング用として理想的です。これらの部品についてのさらに詳しい情報は、データシートをご覧ください。これらのデバイスとの組み合わせに最適なコンポーネントや評価用の回路図については、評価キットを参照してください。

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