アプリケーションノート 3882

オーディオ/ビデオインタフェースにおけるEMI/EMCの抑制


要約: オーディオ/ビデオ製品のEMI/EMC (電磁干渉または電磁両立性)への対処として、大型の外付けフィルタやシールドケーブルが使われていた時期もありました。このような方法は高コストで性能に悪影響があり、製品のサイズが大きくなります。製品の小型化が進み、今日のオーディオ/ビデオプレーヤへと進化するにつれ、ソリューションも、性能を維持するか、可能ならば向上しつつ、小型化しなければならなくなりました。そのため、優れたEMI性能を提供するために、ビデオグラフィックスインタフェースのMAX9511やD級オーディオアンプのMAX9705などの小型デバイスが開発されました。これをどのようにして実現したかを示すため、PCのオーディオインタフェースとディスプレイインタフェースを例として、これらのデバイスが小型でありながら、どれほどのEMI性能を発揮するかを見てみます。まずは、オーディオ/ビデオインタフェースの設計において対処しなければならない様々なEMIの問題とその対応方法について理解する必要があります。

はじめに

世界中で販売されるすべてのエレクトロニクス製品は、発売する前にEMI/EMC (電磁干渉または電磁両立性)テストを受け、他の機器に干渉を与えたり、他の機器から干渉を受けないことを確認しています。テストでは、電波放射が前提のインテンショナルラジエータと、前提となっていないアンインテンショナルラジエータという2つのクラスに製品を分けています。たとえば、携帯電話やトランシーバなどはエネルギ放射をする側、テレビ、PC、またはノートPCなどはエネルギ放射をしない側です。

製品のクラスと所轄官庁によって、EMI/EMC要件は異なります。しかし、EMI/EMCテストは、以下のように2つの一般的なカテゴリーに分類されています。
  • エミッション(放射)—製品が他に干渉を与えないように、放射や伝導することができる振幅と周波数を制限するカテゴリーです。
  • サセプタビリティ(イミュニティとも呼ばれる)(耐性)—このテストカテゴリーは、放射や伝導された信号から製品が干渉される振幅と周波数を制限するカテゴリーで、エミッション要件を補完するものです。
上記のように、デバイスからのEMI放出には、伝導と放射という2種類の形態があります。EMIの放射は電流によるものであるため、両者には関係があります。しかし、電流が流れると必ず放射が起こるわけではありません。したがって、まず、放射による干渉問題を調べ、抑制してから、伝導による干渉問題を検討します。また、伝導よりも放射のほうが予測も抑制も困難です。そのため、アンインテンショナルラジエータ製品クラスでEMIテストに思いもよらず不合格となるケースの大半が放射によるものです。このアーティクルでは、さまざまな製品で使用されているオーディオ/ビデオインタフェースにおける放射問題の解決方法を検討します。

EMI/EMCレギュレーションで規定された制限を満足するにはいくつかの方法があります。しかし、その大半は、シールドとフィルタリングに分類することができます。実際的には、これらの方法をアプリケーションに合わせて組み合わせ、総体的なEMIソリューションを実現しています。たとえば、多くの製品において、金属シャーシが放射に対するシールドとして機能しており、LCフィルタかRCフィルタによって入力/出力ラインへの伝導による干渉の削減を行っています。クロックにディザをかけてスペクトラムを分散させ、アプリケーションで必要とされるフィルタリングやシールドの程度を引き下げることも考えられます。

十分な性能を持つ製品に仕上がったと思われたら、認証されたラボで正式なテストを受けることになります。このテストに合格すれば販売できることになりますが、不合格となると問題です。小さな修正であっても、実現するには時間がかかる場合があります。こうなると、製品の発売時期が遅れるおそれもあります。EMI/EMC適合テストは、国際市場でも国内市場でも、世界中で義務づけられているからです1。そのため、テストに合格させようとして、EMI対策を施すことによってビデオ性能を落としてしまうこともよくあります。EMIテストに合格するために必要な部品のサイズとコストという面から、最近の設計では、ビデオ性能の低下が悪化しています。

特に、最新のオーディオ/ビデオ用アナログインタフェースでは、製品の小型化が進み、要求性能が高くなっているため、設計が非常に困難になっています。この問題を解決する第一歩は、EMI/EMCテストで不合格になることが多いポイントを確認し、可能性のあるソリューションを探すことです。

不合格の原因

EMI/EMCテストの失敗は、製品設計でもっとも弱いポイントに起こります。今回の例では、信号(および干渉)がシールドされ、フィルタリングされた構造を出入りするポイントとなります。オーディオ/ビデオインタフェースではデバイスをつなぐケーブルはアンテナとしても機能します。特に、ディスプレイやスピーカをPCとつなぐケーブルが弱点で、EMI/EMC問題を引きおこすことがよくあります。この問題は帯域幅が広いビデオで発生することが多いと考えられがちで、オーディオは低周波であるため特に問題はないように思われますが、それはすべてのオーディオアンプがA級であった時代の話です。しかし、今日の高効率D級アンプ²では高周波数のスイッチング信号が使われており、適切なフィルタとシールドが施されていないとEMI問題を引きおこす可能性があります。

このような問題への対処として、大型の外付けフィルタやシールドケーブルが使われていた時期もありました。このような方法は高コストで性能に悪影響があり、製品のサイズが大きくなります。製品の小型化が進み、最近のオーディオ/ビデオプレーヤへと進化するにつれ、EMI/EMCソリューションも、性能を維持するか、可能ならば向上しつつ、小型化しなければならなくなりました。そのため、優れたEMI性能を提供するために、ビデオグラフィックスインタフェースのMAX9511やD級オーディオアンプのMAX9705などの小型デバイスが開発されました。これをどのようにして実現したかを示すため、PCのオーディオインタフェースとディスプレイインタフェース³を例として、これらのデバイスが小型でありながら、どれほどのEMI性能を発揮するかを見てみます。まずはオーディオ/ビデオインタフェースの設計において対処しなければならない様々なEMI問題とその対応方法について理解する必要があります。

ビデオとEMI

コンピュータでは、テレビとは異なる「グラフィックス」と呼ばれるビデオ形式が使われています4。コンピュータのビデオは、赤、緑、青(R、G、B)のアナログビデオ信号と水平同期、垂直同期、DDCからなるロジック信号5で構成されており、いずれも、立上り/立下り時間が高速です。ディスプレイとPCをつなぐビデオコネクタは、通常高密度のD-sub型です(図1)。この接続でも、放射と伝導によるEMIを低減するため、ビデオ信号のシールド(同軸)とコモンモードチョーク(CMC)が施されていますが、EMI要件を確実に満足するためには、フィルタリングも追加する必要があります。ビデオの放送用アプリケーションでは、フィルタリングによってテレビ映像からエイリアスを除去しています。しかし、グラフィックスビデオでは行われていません。グラフィックスビデオでは、ピクセルの「オン」と「オフ」によって、できる限り高い解像度でチェッカーボードのようなパターンを再現することが目的であり、高いディスプレイ性能を得るために帯域をできる限り広くしたいからです。しかし現実問題として、EMIとビデオ性能はトレードオフの関係にあり、ビデオ帯域が制限されます。このトレードオフは、マルチシグナルのビデオインタフェースに特有な理由により発生します。

図1. 放射によるEMIを発生するビデオ信号を取り扱う典型的なVGA接続形式
図1. 放射によるEMIを発生するビデオ信号を取り扱う典型的なVGA接続形式

たとえば、ビデオ信号をフィルタリングすると時間遅延が導入され、R、G、Bのビデオチャネルのタイミングが少しずれて画像のエッジ部に「フリンジング」などの問題が発生するおそれがあります。このような問題を避けるためには、群遅延チャネルと群遅延マッチングチャネル6を正確に制御する必要があります。RGBビデオは、特にこのふたつのパラメータの影響を受けやすいからです7。性能を最適化するためには、周波数によって群遅延が変化しないようにするとともに、チャネル間の最小群遅延マッチングとして±0.5ピクセル時間を確保しなければなりません。このように厳しいマッチングが実現できたとして、次に、画像を正しくフレーミングできるように同期信号がチャネル遅延をトラッキングするようにしなければなりません。これも実現したら、PCが複数のビデオ解像度を持つことに伴う問題に対応する必要があります。

このアプリケーションの場合、固定周波数フィルタでは性能の最適化が困難です。最低解像度でEMIを抑制することができるようにフィルタを設計すると、フィルタの阻止帯域に高解像度フォーマットの信号帯域が含まれ、性能を低下させてしまうおそれがあります。高解像度に合わせて設計すると、今度は、EMI要件を満足できないおそれがあります。使われているディスプレイ解像度に合わせて周波数応答を「可変」フィルタとするのが明らかにベストな方法ですが、コストは上昇し、サイズも大きくなるおそれがあります。副次的ですが、EMI性能に大きな影響を与えるものとして、同期ドライバとDDCドライバの高速な立上り/立下り時間があります。EMIソリューションを完成させるためには、この立上り/立下り時間をフィルタリングする方法を組み込まなければなりません。また、プラグアンドプレイ要件を満足するためのビデオDAC負荷検出など従来からの問題も存在します。

このような機能のすべてをMAX95118は実現します。図2に、MAX9511を用いた高解像度グラフィックスボードの出力とLCフィルタによる出力、対策なしの出力を示します。

図2. a) フィルタリングなし、b) パッシブLCフィルタあり、c) MAX9511使用時の放射EMI
図2. a) フィルタリングなし、b) パッシブLCフィルタあり、c) MAX9511使用時の放射EMI

完全なEMIソリューション(MAX9511)

図3に示すMAX9511ビデオグラフィックスインタフェースは、VGAからUXGAまでの解像度に対応したRGBビデオ用トリプルチャネル可変EMIフィルタを持っています。マッチングもとられており、チャネル間のスキューエラーは0.5ns以下です。フィルタのチューニングは、1個の抵抗 (Rx)を変更するだけで行うことができます。抵抗値とスルーレートの関係をVESA解像度とそのサンプリングクロックとともに示したのが表1です。図4の回路例では、I²C制御のMAX54329ポテンショメータによって、32段階でフィルタの調整を行うようになっています。ただし、表1からわかるように、実際のアプリケーションで必要となるのは、ほとんどの場合、3つか4つのレベルだけです。残りは、最終的なEMI/EMCテストの段階で、機械的な変更や電気的な変更を必要とすることなく、製品のEMI特性を変更するために利用することができます。

図3. MAX9511のVGAインタフェースにはEMI抑制機能があります。
図3. MAX9511のVGAインタフェースにはEMI抑制機能があります。

図4. MAX9511は複数の出力を駆動します。可変フィルタリングは、I²C可変ディジタルポテンショメータのMAX5432によって制御されます。
図4. MAX9511は複数の出力を駆動します。可変フィルタリングは、I²C可変ディジタルポテンショメータのMAX5432によって制御されます。

表1. MAX9511のスルーレートと帯域、およびRx
Rx (kΩ)
MAX9511のスルーレート vs. Rx
スルーレート(V/ms) ピクセルクロック周波数(MHz) VESA解像度
7 1408 160 to 230 UXGA (1600 x 1200)
10 1255 160 to 230 UXGA (1600 x 1200)
12 1050 100 to 150 SXGA (1280 x 1024)
15 810 100 to 150 SXGA (1280 x 1024)
20 613 45 to 95 XGA (1024 x 768)
25 470 45 to 95 XGA (1024 x 768)
30 368 45 to 95 XGA (1024 x 768)
35 298 35 to 50 XGA (1024 x 768)
40 255 35 to 50 SVGA (800 x 600)
45 203 35 to 50 SVGA (800 x 600)
50 158 25 to 30 VGA (640 x 480)
> 50 < 150 < 25 QCIF

RGBビデオの出力はローインピーダンス(ZOUT < 1Ω)であり、75Ωの終端処理をするだけで、リモートモニタとドッキングステーションに対し、45dBから50dBの絶縁が得られます。このような形で2系統の出力を駆動する場合、従来は、終端処理のない長いスタブがLCフィルタ出力に接続されるのを避けるため、スイッチを使う必要がありました。図4の回路では、DAC終端における見かけのインピーダンスの変化という形で出力負荷が検出され、入力に反映されます。RGB入力を駆動するビデオコントローラがこれを検出し、負荷が接続されていないときはシャットダウンピン経由でビデオ出力と同期出力をシャットオフします。DDCは、プラグアンドプレイをサポートするため常時オンに保たれ、ドライバは低電圧のコントローラレベルを標準の5Vインタフェースレベルに変換する電圧レベル変換機能を持っています。同期ドライバは50Ω (typ)の出力インピーダンスを持ち、1個の外付けコンデンサでエッジ用フィルタに構成することができます(図4)。同期ジッタ(コンデンサなしの状態)は、通常、0.5ns以下です。その他のビデオ性能は、利得が+6dB、SN比が50dB、直線性誤差が0.036%、オーバシュート/アンダシュートが1%以下で、ダンピングが効いた応答が得られます。

オーディオとEMI

オーディオの場合、EMIを発生させずに高い効率と性能を実現するためには、異なる問題に対処する必要があります。ポータブルアプリケーションではバッテリの長寿命化が望まれており、効率の悪い設計で発熱するのは望ましくありません。そのため、D級のオーディオアンプが広く採用されています。しかしD級アンプには、高効率化のため、スイッチング電源と同じようにPWMが使用されているという問題があります。この出力にシールドなしのスピーカケーブルを接続すると、ケーブルがアンテナとなってEMIの放射が起こります。クロック周波数は、通常300kHz~1MHzで、オーディオスペクトラムよりも上ですが、方形波でかなりの高調波成分を含みます。この高調波成分を除去することができるフィルタは、大型で高コストになります。ノートパソコンのようなポータブルアプリケーションでは、サイズという面からだけでも採用不可能なオプションとなります10

代表的な設計トポロジにも問題があります。オーディオ出力を高めるため、ポータブルアプリケーションでは、BTL (bridge-tied load)と呼ばれる、両方のスピーカケーブルがアクティブに駆動される出力接続方法(図5)が採用されます。D級動作では、コンパレータがアナログ入力電圧を監視し、三角形のクロック波形と比較します。三角波形の入力振幅がオーディオ入力電圧を超えるとコンパレータがトリップし、インバータからコンプリメンタリなPWM波形が出力されてBTL出力段の反対側を駆動します。このようなBTLトポロジでは、2個のインダクタ(L1とL2)がおよび2個のコンデンサ(C1とC2)と、シングルエンドのオーディオ出力の2倍の部品が出力フィルタで必要になります。インダクタはピーク出力電流に耐えられなければならないため、どうしても大型でスペースを取ってしまいます。

図5. マキシムのD級オーディオアンプに採用されているアクティブ放射制限の例
図5. マキシムのD級オーディオアンプに採用されているアクティブ放射制限の例

スピーカのボイスコイルをインダクタンスとして利用し、ディスクリートコンデンサを追加してフィルタとすれば、いわゆるフィルタなしでもD級アンプを使うことができます。しかし、この場合、配線からかなりのエネルギが放出されるため、内蔵スピーカしか使うことができなくなります。別の方法として、スイッチングプロセスを変更し、アンプの効率を保ちつつEMI放出量を減らし、小型フィルタですむようにすることも考えられます。たとえば、クロック周波数に変調をかけ、1ヘルツあたりのエネルギ量を減少させます11。スペクトラム拡散変調方式12とかクロック周波数のディザリングと呼ばれる方法です。ただし、性能が劣化しない範囲でしかスペクトラムを拡散させることはできません。図6に、代表的な放射特性に対するこの手法の効果を示します。

図6. MAX9705EVKIT (30cmのシールドなしツイストペアを使用)で測定したMAX9705からの放射エミッション。スペクトラム拡散変調方式の効果を表しています。
図6. MAX9705EVKIT (30cmのシールドなしツイストペアを使用)で測定したMAX9705からの放射エミッション。スペクトラム拡散変調方式の効果を表しています。

また、スペクトラム拡散変調方式だけでは、スピーカケーブルが数センチ以上で出力が数百ミリワット以上になると、エネルギ放射が強くなりすぎてしまいます。クロック周波数を高めることも意味がありません。周波数が高くなるとD級アンプの出力スペクトルは低下しますが、スピーカケーブルのアンテナ効率が高くなり、性能向上を打ち消してしまいます。つまり、EMI性能をさらに高めるためには、D級アンプ自体で用いられているPWM波形を変更するしかないのです。これを実現するのが、このアプリケーションに特化したアクティブ放射制限と呼ばれる方法です。

アクティブ放射制限回路ではアンプの最小パルス幅を設定します。最小パルス幅は、図5のような設計では設計時に決定されていません。これとともにオーバラップ、立上り/立下り時間、およびクロック周波数の制御によって、所定の出力レベルでプロセスから発生するパワースペクトル13が決定されます。ここの目的は、60cmのスピーカケーブルを接続した状態でも、外付けフィルタなしで放射によるEMIの要件を満足できるレベルまでスペクトルを低減することです。

もちろん、高いオーディオ性能が必要となるため、ピーク出力として2W以上が必要です。同時に、発熱は最小限におさえ、バッテリ寿命は最大限にする必要があります。したがって、低電圧単一電源で動作するとともに、ヘッドフォン用低電力シャットダウンモードを持つ高効率なアンプが必要となります。THD+Nは低くなければならないし、クリックノイズやポップノイズを抑制し、高いSN比が必要で、かつ、シングルエンド入力と差動入力の両方に対応した入力としなければなりません。以下に示すように、MAX9705であれば、これ以外も含め、すべてを実現します。

アクティブ放射制限(MAX9705)

マキシムのD級アンプで使用しているアクティブ放射制限の概要を、図7に示します。ただし、この図では、どのようにスイッチングされているかはよくわかりません。駆動方法を念入りに調整し、ゼロデッドタイム制御を採用した結果、D級アンプMAX9705は85%以上という高い効率になります。スペクトラム拡散変調はユニークな技術で、スペクトル成分をフラットにし、ケーブルやスピーカからのEMI放射を低減します。ステレオ動作やマルチチャネル動作では、自由な動作のソースが複数あると発生するビートを抑えるため、同期入力によってアンプをロックし、800kHz~2MHzの共通クロック帯域を持たせます。スペクトラム拡散変調方式とアクティブ放射制限というユニークな2つの技術を組み合わせたマキシムのD級オーディオアンプは、「フィルタレス」動作で、シールドなしのスピーカケーブルでも60cmまでであればFCC Part 15に定められたEMI限界値を超えません(図8)。

図7. D級アンプのMAX9705は、差動入力で内部的にのこぎり波を生成します。入力がシングルエンドのときには、内部的に差動入力が駆動されます。
図7. D級アンプのMAX9705は、差動入力で内部的にのこぎり波を生成します。入力がシングルエンドのときには、内部的に差動入力が駆動されます。

図8. MAX9705でスペクトラム拡散変調方式を採用したとき、60cmのシールドなしツイストペア線から放射されるエミッション。
図8. MAX9705でスペクトラム拡散変調方式を採用したとき、60cmのシールドなしツイストペア線から放射されるエミッション。

EMI性能だけでなく、オーディオ性能も、THD+Nが1Wで0.02%、2.3Wでも1%、SN比は90dBと大変優れています。入力は差動型でもシングルエンド型でも問題なく、さまざまなアプリケーションに対応することができるように固定利得を+6dB、+12dB、+15.6dB、または+20dBのいずれかに設定することができます(図7)。消費電力は、シャットダウンモードによって最小限に抑えられます。また、MAX9705には同期入力があるため、モノラル、ステレオ、マルチチャネルの高性能オーディオシステムに対応することができます。そして、フィルタなしで外部スピーカをつないでもEMI放射要件を満足することができます。

まとめ

MAX9511とMAX9705は、EMI/EMC低減に関する最先端のアプローチを採用した製品です。いずれも製品からのEMI放射をアクティブに削減することができます。従来のように、性質上コストやサイズが増えてしまう大型の外付けフィルタやシールドに頼るのではなく、先端技術によって電磁気的な互換性と性能を保証することに成功した製品です。

参考資料

  1. FCC Part 15 in the US, VCCI in Japan, and EN55000 in Europe all require EMI/EMC compliance.
  2. Application note 1760: "Class D Audio Amplifiers Save Battery Life"
  3. "EMI and Emissions," Gerke and Kimmel Associates.
  4. Application note 1184: "Understanding Analog Video Signals"
  5. VESA Standard VSIS, v. 1, rev. 2, 12/12/2002.
  6. "Design of Analog Filters," Schaumann and Van Valkenburg, Oxford University Press.
  7. "Flat Panel Displays and CRT," L.E. Tannas, editor, Van Nostrand.
  8. MAX9511のデータシート
  9. MAX5432のデータシート
  10. Application note 1760: "Class D Audio Amplifiers Save Battery Life"
  11. アプリケーションノート3503: 「スペクトラム拡散によるクロック生成」
  12. "Spread Spectrum Systems," R.C. Dixon., J. Wiley & Sons, 1976.
  13. "High-Speed Digital Design," Graham and Johnson, Prentiss Hall, 1993.
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