はじめに
MAX2160は、日本のモバイルディジタルTV (ISDB-Tワンセグメント)アプリケーション用に設計されたワンセグメント低IFチューナICです。ISDB-Tでは、MPEG-2システムで定義された1つまたは複数の伝送ストリーム(TS)入力が再多重化されて単一のTSが作成されます。次にこのTSは、サービスの意図に従って複数のチャネルコーディングステップに進みます。最終的にTSは、単一のOFDM信号として送信されます。ISDB-Tには、電界強度の変動が避けられないモバイル受信用に強力なチャネルコーディングを提供するための、時間インタリーブも用意されています¹。
MAX2160チューナは、広帯域I/Qダウンコンバータを使用してUHFバンドの信号を低IFに変換します。MAX2160は、I/Q低IFインタフェースとシングルエンド低IFインタフェースの両方をサポートしているため、各種ディジタル復調器ICを実装することのできる汎用チューナとして使用可能です。
ポータブル機器のディジタルサービスに対する要望が急速に増大したことによって、MAX2160の際立った性能を発揮することができる数多くのアプリケーションが構築されています。いくつかのリファレンスデザインが小型のモジュールで提供されています。これは特に、日本のCDMA携帯電話市場向けに最適化されています。この設計モジュールは、携帯電話のメイン回路基板に容易に収まり、これに関する豊富な性能データが用意されています。
ISDB-Tの無線
図1は、MAX2160と汎用ベースバンドプロセッサを用いた無線のブロック図です。アンテナから受信されたRFは、オプションのバンドパスフィルタを通過してLNAに到達します。LNAの利得は、アナログRF利得制御電圧によって設定されています。オプションのフロントエンドのフィルタリングによって、必要なブロッキング性能に合わせてチューナをカスタマイズすることができるようになります。ミキサは、信号の流れをIとQの経路に分割する内蔵の直交局部発振器によって駆動されます。直交局部発振器は、VCOを内蔵したフラクショナルN PLL上に構築されています。内蔵の基準発振器は外付けの水晶発振器を使用して、ベースバンドプロセッサにバッファ付きリファレンスクロックを供給することができます。
I/Q信号は、可変ローパスフィルタと可変利得アンプを通過します。これらは、アナログベースバンドの利得制御電圧によって制御されます。ベースバンドプロセッサとアプリケーションプロセッサは次に、I/Q信号を処理して、この信号を表示するか、または周辺機器に信号を配分します。ベースバンドプロセッサは、セカンダリI²Cインタフェースを通じて調整可能なすべての機能ブロックを制御します。専用の各出力がベースバンド利得制御電圧に加えて、チップセレクト、スタンバイ、およびシャットダウンの各制御信号を提供します。PWRDETピンをじかにGC1ピンに接続することによって、あるいはベースバンドプロセッサと内蔵のパワーディテクタを電圧出力モードで使用することによって、閉ループのRF電力制御が形成されます。
図1. MAX2160チューナと汎用ベースバンドプロセッサを用いた無線のブロック図
MAX2160 ISDB-Tチューナの仕様
Parameter |
Conditions |
Typical |
Frequency Range (MHz) |
|
470 to 770 |
RF Input Impedance (Ω) |
|
50 |
Return Loss (dB) |
50Ω System Impedance |
-7 |
Noise Figure (dB) |
|
3.8 |
Input Power (dBm, min) |
13 segment input |
-98 |
Input Power (dBm, max) |
13 segment input |
5 |
Nominal Output-Voltage Swing (VP-P) |
R load = 10k || 10pF |
0.5 |
周波数とチャネルの帯域幅
レシーバは、約5.7MHzの帯域幅を備えたUHFチャネル13 ~62をダウンコンバートすることができます。
図2を参照してください。中心周波数は、以下で定義されます。
fc = 473.1428571MHz + (N - 13) × 6MHz
N = {13, ..., 62} (UHFチャネル番号)
各チャネルは、428.57kHz幅の13のセグメントから構成されています。ワンセグメントは、部分受信と定義され、チャネル周波数の中心に置かれた428.57kHzのセグメントを想定しています。
図2. MAX2160チューナを用いたチャネル設定プロセスの説明図
変調とモード
ワンセグメントISDB-Tシステムは、直交周波数分割多重(OFDM)を使用しており、またQPSK、16-QAM、および64-QAM (コードレートが1/2 および2/3)をサポートしています。OFDM搬送周波数の間には3種類のスペーシングがあります。これらのスペーシングはシステムのモードとして識別されます。すなわちモード1—3.968kHz、モード2—1.9841kHz、およびモード3—0.99206kHzです。
参考文献
¹ARIB STD-B31バージョン1.2 「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」
© , Maxim Integrated Products, Inc.
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