アプリケーションノート 3543

MAX2116衛星チューナのP(1dB)特性


要約: RFとベースバンドの各々の利得の各組み合わせに対して、測定したMAX2116のP1dbデータを示しています。MAX2116/MAX2118は、低コストのダイレクトコンバージョンチューナICであり、ディジタルダイレクト放送衛星(DBS)テレビアプリケーション、商用VSATシステム、および衛星アプリケーションによる双方向インターネット用として設計されています。このチューナICは、広帯域I/Qダウンコンバータを使用して、L帯域信号をベースバンドにじかに変換します。動作周波数範囲は、925MHz~2175MHzです。

はじめに

RFとベースバンドの各々の利得の各組み合わせに対して、測定したMAX2116のP1dbデータを示しています。このデータは、十分なP1db性能を得るためにフロントエンドとバックエンドの利得を正しく配分する利得制御設定値を選択する場合に非常に役立ちます。またこれらの測定値は、NFのデータと合わせて、レシーバシステムのダイナミックレンジを最適化するのに役立ちます。

大きな受信信号には、チューナの飽和を回避するために高いP1dbが必要です。利得が低くなるようRF可変利得アンプを調整すると、P1dbは大幅に増加し、大きな信号を受信することができるようになります。このRF利得の減少はチューナのNFを劣化させるため、P1dbとNFの間には慎重なシステム設計のトレードオフを考慮することが必要になります。このアプリケーションノートは、これらのトレードオフを簡素化するためのツールです。

動作概要

図1に、MAX2116/MAX2118用の標準動作回路を示します。ピン4と5は差動RF入力端子です。大きな入力信号レベルでは、出力アンプはC/Nを制限します。制限要因の1つは、P1dbです。低い入力信号レベルでは、システムNFは、チューナのキャリア対ノイズ比(CNR)を制限します。

図1. MAX2116/MAX2118の標準動作回路
図1. MAX2116/MAX2118の標準動作回路

ピン7 (GC1)は、RFフロントエンド用の可変利得制御端子です。利得制御ラインは通常、ベースバンド復調器ICが生成する、フィルタリングされたPWM信号によって制御されます。閉ループシステムでは、フィルタリングされたPWM出力が、MAX2116 I/Q出力上で一定振幅の信号を確保します。

MAX2116のピン37と34はI/Q出力です。シングルエンド出力アンプの利得を設定して、出力端で800mVP-Pを得ることができます。

ミキサの後には、可変利得ベースバンドアンプがあります。このアンプの利得は、レジスタGC2によって設定されます。GC2は、0~31 (10進数)の間で調整可能です。システムのP1dbは、GC1とGC2を個別に組み合わせて設定します。

図2. MAX2116入力P1db対GC2コード
図2. MAX2116入力P1db対GC2コード

図2は、いろいろなRFとベースバンドの利得制御設定値に対する、MAX2116のP1dbを示しています。フロントエンドとバックエンドの利得が減少するにつれてP1dbが増加する傾向が明らかであり、特にフロントエンドが大きく影響しています。いずれのGC2設定値についても、P1dbは、2.6Vのフロントエンド最小利得設定値にて、限界である約+3.5dBmに達しています。図2のデータは、1550MHzの中間帯域CW RF入力と、5MHzのIF周波数で測定しています。

図3. MAX2116の電圧利得対GC2コード
図3. MAX2116の電圧利得対GC2コード

図3は、図2に示した各利得制御設定値での、MAX2116の電圧利得を示しています。最大利得は76dB、GC1の範囲は72dB、およびGC2の範囲は22dBです。それぞれのデータは、ほぼデータシートの標準値です。

結論

MAX2116のRFとベースバンドの利得制御設定値の範囲全体にわたるP1dbデータを提示しています。このデータは、十分なP1db性能が得られるようなRFとべースバンドの利得配分を特定するのに役立ちます。

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