アプリケーションノート 3509

MAX6958/MAX6959 LEDドライバを用いてLEDの輝度を個別に制御


要約: このアプリケーションノートでは、MAX6958とMAX6959のLEDディスプレイドライバを用いてピクセルレベル(個別のLED)の輝度制御を実現する方法について詳述します。この手法は、ドライバに内蔵されている64ステップの一括輝度制御(すべてのLEDの同時制御)を強化するものです。

はじめに

MAX6958とMAX6959のLEDディスプレイドライバは、6ビット(64ステップ)PWM方式の輝度制御を使用して、点灯しているすべてのLEDの平均電流を同時に調整します。このアプリケーションノートでは、MAX6958またはMAX6959の機能を拡張して、個々のピクセルレベル(LED)も制御できる方法について説明します。

LEDの平均電流に対するLEDドライバの多重化接続

MAX6958とMAX6959は、4桁、9セグメントのLEDドライバであり、ピン数を削減した多重化方式(Charlieplexing—この技術の詳細については、アプリケーションノート1880 「Charlieplexing - Reduced Pin-Count LED Display Multiplexing」を参照)を使用して、10本の駆動ピンのみで36セグメントを駆動します(表1)。表1に示すように、MAX6958/MAX6959からLEDの各桁へのピン接続は、標準的な接続ではありません。4~7番ピンは、多重化のサイクルに応じてコモンカソードとアノードドライバの両方の役割を果たします。

表1. MAX6958/MAX6959の標準ドライバの接続
  DIG0/SEG0 DIG1/SEG1 DIG2/SEG2 DIG3/SEG3 SEG 4 SEG 5 SEG 6 SEG 7 SEG 8 SEG 9/IRQ
LED Digit 0 CC0 SEG 0 SEG g SEG f SEG e SEG d SEG c SEG b SEG a SEG 4
LED Digit 1 SEG 1 CC1 SEG g SEG f SEG e SEG d SEG c SEG b SEG a SEG 5
LED Digit 2 SEG g SEG f CC2 SEG 2 SEG e SEG d SEG c SEG b SEG a SEG 6
LED Digit 3 SEG g SEG f SEG 3 CC3 SEG e SEG d SEG c SEG b SEG a SEG 7

MAX6958/MAX6959は、4方向の多重化駆動で動作し、9つのLEDからなる4つのグループのカソードを順に駆動します。このグループは、LED桁0、1、2、および3と呼ばれます。LED桁0~3の4つのカソード接続は表1のCC0~CC3であり、LEDアノード接続には、前にSEGが付きます。通常の多重化動作時には、CC0~CC3のカソード出力が1つずつアクティブローになり、各桁が1/4の時間の間、順次イネーブルになります。

6ビット(64ステップ) PWMによる一括輝度制御によって、LEDの平均電流(すなわち、目に見える明るさ)を調整します。これは、多重化タイムスロットの間にカソード出力CC0~CC3がオンになる実際の時間を調整することによって機能します。同じPWM値がカソード出力CC0~CC3に加えられるため、各アノードドライブの定電流源ごとに個別に調整されません。したがって、すべてのLEDの輝度が等しく調整されます。

個別のLED輝度の実現

特定のLEDだけを強調することができれば、多くのアプリケーションで役立ちます。「点滅」もこれを達成する1つの方法であり、通常、カーソルを点滅することによってその位置を強調しています。セグメントを強調するもう1つの優れた方法は、他のLEDよりも明るくすることです。後者の方法は、上述のMAX6958/MAX6959の標準の多重化構成では不可能です。

LEDセグメントの輝度を個別に制御する簡単な方法は、複数の多重化サイクル(デュアルドライブ)によってLEDセグメントを駆動可能にすることです。図1は、これを実際に示すものであり、LED桁0とLED桁1の通常の2桁のペアの代わりに、単一の小数点付き7セグメント桁を駆動しています。図1は、完全な図ではないことに留意してください。LED桁2とLED桁3は示されていません。これらは、別の1桁の場合もあれば、通常どおりに2桁の場合もあります。

図1. 2ステップの個別輝度制御で桁を駆動するMAX6958/MAX6959の配線
図1. 2ステップの個別輝度制御で桁を駆動するMAX6958/MAX6959の配線

図1のデュアルドライブ桁は、通常のサイクルではなく2つの多重化サイクルで駆動されます。この場合、ダイオードD1とD2が2つのカソードドライブを駆動するため、CC0またはCC1がカソードドライブとしてローになったときに、同じLEDが動作するようになります。デュアルドライブ桁が、通常の2桁に取って代わるため、デュアルドライブ桁は1桁のレジスタではなく、2桁のレジスタ(桁0および桁1。それぞれ0x20と0x21)によって制御されます。各LEDは、1ビットではなく2ビット(各桁のレジスタ内に1ビット)で表わされます。両方のビットがクリアの場合、LEDは消灯します。片側のビットだけがセットされて他方のビットがクリアの場合、通常の輝度でLEDが点灯します。両方のビットがセットされている場合は、通常の輝度の2倍の明るさで点灯します。したがって各LEDには、1つではなく2つの輝度設定が存在することになります。SEG0やSEG1のように通常どおりにLEDを配線すれば、通常の輝度にしか設定することができません。ダイオードD1とD2は、8つのLEDに、それぞれ1/4の時間の間、20mAの電流を伝えるため、ピークで160mA、平均で40mAの定格値が必要となります。

図1の配線にはトレードオフが伴います。2つの輝度設定が設けられた各LEDは、2つの「通常」LEDのドライブ性能を必要とするため、MAX6958/MAX6959の桁ドライブの性能が低減されるということです。MAX6958/MAX6959は、標準のオン/オフ制御を備えた4つの桁の代わりに、ピクセルごとに2つの輝度設定を備えた2つの7セグメント桁しか駆動することができません。ただし、輝度制御の必要なLEDが数個しかない場合には、この手法を使用すれば効果的かつ経済的です。図2は、ただ1つのLEDのドライブ容量だけを犠牲にしたデュアルドライブの単一LEDを示しています。ここでは、ダイオードのペアD3が、1つのLEDにのみ20mAの電流(20mAピーク)を伝えるため、低コストの信号デュアルダイオードとなることができます。

図2. 1つのLEDに対して2ステップの個別輝度制御を行うための、MAX6958/MAX6959の配線
図2. 1つのLEDに対して2ステップの個別輝度制御を行うための、MAX6958/MAX6959の配線

個別のLED輝度を実現するための別の配線方式

連続したLEDのSEG0とSEG1を、2ステップの輝度制御を備えた単一ダイオードに置き換えることもできます。図3で示すように、ダイオードブリッジが連続したドライブを整流します。この場合、2つのダイオードはLEDの電流経路に直列であるため、ダイオードは、電圧降下を最小限に抑える小信号ショットキダイオードになります。

図3. 1つのLEDに対して2ステップの個別輝度制御を行うための、MAX6958/MAX6959の別の配線
図3. 1つのLEDに対して2ステップの個別輝度制御を行うための、MAX6958/MAX6959の別の配線

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