アプリケーションノート 3364

シグナルコンディショナMAX1464を使用したセンサ用レシオメトリック電流駆動回路の設計

筆者: Youssof Fathi

要約: MAX1464は電源電圧に比例した出力を持つレシオメトリックな抵抗型トランスデューサ・センサ用の定電流駆動源として簡単に用いることができます。ピエゾ抵抗型ブリッジ、RTDなどの抵抗温度係数(TCR)の高いセンサを利用するアプリケーションには、標準的に定電流駆動が使われます。このアプリケーションノートでは、センサ駆動用のレシオメトリックな電流源の提供を実現するためのシンプルな抵抗ネットワークを提案します。

ピエゾ抵抗型ブリッジ、RTDなどの抵抗温度係数(TCR)の高いセンサを利用するアプリケーションには、標準的に定電流駆動が使われます。MAX1464は電源電圧に比例した出力を持つレシオメトリックな抵抗型トランスデューサ・センサ用の定電流駆動源として簡単に用いることができます。外付け部品を減らすためにMAX1464内蔵のオペアンプが使えます。このアプリケーションノートでは、レシオメトリックな電流源の提供をするためのシンプルな抵抗ネットワークを提案します。

MAX1464は2チャネルの入出力を備え、16ビットの分解能を持つ信号増幅、キャリブレーション、リニアリティ補正、および温度補正を提供する設定可能な高集積センサシグナルコンディショナです。MAX1464は4mA~20mA、0.5Vから4.5Vのレシオメトリック、およびPWMと合わせアナログまたはディジタル出力の選択をサポートします。

最近のセンサのアプリケーションの多くはピエゾ抵抗型センサのように非常に高い温度係数の抵抗(TCR)や感度(TCS)を備えたセンサ素子が使われます。これら2つの係数は標準的に同じような値ですが極性は相反します。回路全体の温度依存性を最小限にしてセンサ素子の性能を向上させるには、通常は定電流によって動作させます。MAX1464はこのようなアプリケーションに対して定電流駆動するために構成することができます。図1はセンサ素子RBを駆動するための定電流IBを発生するシンプルな抵抗型回路を表しています。図1の回路方程式は次に示されます。その結果得られるレシオメトリック電流を4.5Vから5.5VのVDDの範囲に対して図2に示します。

Figure 1. Constant current source circuit for the MAX1464 applications.
図1. MAX1464の定電流源のアプリケーション

Figure 2. Excitation current is ratiometric to VDD.
図2. VDDに対するレシオメトリックな駆動電流

図1のR1とR2の抵抗の値はVDDのラインに流れる電流(IR1)が電源にとって過負荷にならないように、またはVDDラインからMAX1464シグナルコンディショナへの供給能力が損なわれないように選ばなければなりません。

抵抗R3を流れる電流IR3はV3/R3と等価であり、この電流はオペアンプLGのみから供給されます。従って、IB = IR3です。電圧V2はR1とR2の抵抗の比率に比例するため、R1、R2のTCRが同じであれば電圧V2 (すなわちV3 (V2 = V3)も)は周囲温度に依存しません。しかしながら、電流IR3はR3のTCRが原因で温度によって変化します。IB = IR3のため電圧VBもR3のTCRによって影響を受けます。センサの温度性能に対するR3の影響を最小限にするために、TCRができる限り最小の抵抗を使用する必要があります。加えて、VBもまたトランスデューサの入力インピーダンスのTCRが原因で温度によって変化します。標準的な抵抗型ピエゾトランスデューサのTCRは、概ね3000 PPM程度であるためVBの温度変化の大部分を占めます。MAX1464の標準的なアプリケーションではこれは問題になりません。すべての温度エラーはひとまとめにされて、アルゴリズムによって補正されます。

式: IB = IR3 (1)
VB = IB × RB (2)
ここでRBはトランスデューサの入力インピーダンスです。
IR3 = V3/R3 (3)
V3 = V2 = VDD × R2/(R2 + R1) (4)
IR1 = VDD/(R1 + R2) (5)

アプリケーションパラメータを選択する際には、すべて温度条件に対して(VB+V3)<VDDとなるよう駆動電流IBを選択します。図1のキャパシタC1はセンサの駆動信号のノイズをフィルタするために追加されました。信号ノイズが許容可能範囲内にあるアプリケーションには、C1は必要ありません。


以下の部品の値では、VDDが5Vの時にセンサの駆動電流が0.455mAとなり、VDDの範囲が4.5Vから5.5Vの時VDDに対してレシオメトリックとなります。

R1 = 10.0kΩ; R2 = 1.0kΩ; R3 = 1.0kΩ

これらの値を式に入力すると、V2 = 0.455VおよびV3 = 0.455Vとなります。式3と1はブリッジ電流がIB = 0.455mAとなることを示しています。式5によりIR1 = 0.455mAでVDDには過大な負荷となっていないことが分かります。また、ブリッジインピーダンスが5kΩのトランスデューサに対し、VB = 2.27Vのブリッジ電圧が発生します。


トランスデューサとシグナルコンディショナの温度が異なるセンサアプリケーションではブリッジ電圧VBをMAX1464の入力チャネルのどちらかに接続し、センサの温度インジケータとして利用できます。但し、R3の抵抗のTCRが既知かあるいは無視できるほど小さい場合に限られます。

以下の推奨回路中のLGはMAX1464の出力チャネルのいずれか一つの内部オペアンプ(大)を表します。実際のアプリケーションではいずれか一つの出力チャネル内部の未使用オペアンプ(大または小)または外付けオペアンプを使用することができます。

参考文献

MAX1464のデータシート

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