アプリケーションノート 3351

T3/E3/STS-1低コストリピータ


要約: テレコムプロバイダは、より高速でより多くの顧客にサービスを提供するため、より大規模のネットワーク設備を必要としており、それに応じて、システム間により長いケーブルランが必要となっています。多くの場合、インタコネクトは、価格的な利点から銅ケーブルを使用しますが、距離やデータレートが増加すると問題が生じます。光ファイバベースのシステムへの切替えはコストがかかります。1つの代替方法はリピータの設置です。リピータはコスト効果が高く既存装置を取り替える必要がありません。このアプリケーションノートでは、簡単で低コストのリピータについて説明します。

はじめに

今日のテレコムは、より多くの顧客に、かつてないハイスピードでサービスを提供しています。ネットワーク設備の大規模化に応じて、ますます長いケーブルランがシステム間に必要となっています。大部分のシステムはインタコネクトに銅ケーブルを使用しているため、システム間が長距離で隔たっている場合に問題が発生します。銅ケーブルランが長くなるほど、最大データレートが低下する可能性があります。

この弱点は、光ファイバシステムに切り替えるか、既存のケーブルインタコネクトにリピータを設置することによって解決することができます。光ファイバへの切替えは、数々の利点がありますが、コストが高くつきます。リピータを既存ラインに追加することは、既存機器の取替えが不要な、簡単でコスト効果の高いソリューションです。

設計

テレコム用の装置を設計する場合、良い方法として、次のガイドラインに従います。相互接続された高速データ信号の完全性が維持され、エラーフリー動作を実現することが非常に重要です。テレコム設備内部のスペースは限られているため、装置が必要以上にスペースを取らないようにすることが重要です。使用と構成が容易な装置では、ユーザエラーに起因する問題が減少します。このリピータ回路は、上記のすべての基準を念頭に入れて設計されました。

リピータの主要な構成部品は、マキシムのDS3150 T3/E3/STS-1ラインインタフェースユニット(LIU)です。このデバイスは、物理層でDS3、E3、STS-1ラインにインタフェースするために必要な全機能を実行します。レシーバは、クロックおよびデータリカバリ、信号デコード、および信号損失(LOS)監視を実行します。トランスミッタは、信号エンコードを実行し、規格準拠の波形を75Ω同軸ケーブルを通して駆動します。また、ジッタアッテネータも内蔵され、送受信経路にマッピングすることができます。残りの部品は、1個の発振器、受動素子、および外付け/内蔵3.3V電源から成ります。

下の図と表は、リピータ回路カードの構築に必要な全部品(電源を除く)を示しています。この回路は単純で、2個のDS3150デバイスがRPOS/RNEG/RCLKとTPOS/TNEG/TCLKの間で背中合せに接続されています。これによって、設定が容易になり、設置エラーの確率が減少します。次のようなオプションが使用可能です。

  1. リモートループバックイネーブル/ディセーブル
  2. 動作モード選択T3/E3/STS-1
  3. 伝送モード選択長距離/短距離
これらのオプションは、カード上のスイッチで選択されます。設定オプションは発振器用で、シングルモード動作用に1個の発振器か、デュアル/トリプルモード動作用に複数の発信器を設定することができます。残りの部品は、ラインインタフェース用の磁気、および送受信ケーブル用物理コネクタです。

Figure 1. T3 / E3 / STS-1 Repeater block diagram.
図1. T3/E3/STS-1リピータブロック図

表1. T3/E3/STS-1リピータ部品表

Device Part Count Description Vendor
DS3150 2 3.3 Volt DS3/E3/STS-1 Line Interface Unit Maxim
PE-65968 4 6 Pin SMT 1:2CT Transformer Pulse Engineering
NTH089AA3-34.2680 1 34.368MHz Oscillator 3.3 Volt Saronix
NTH089AA3-44.7360 44.736MHz Oscillator 3.3 Volt Saronix
NTH089AA3-51.8400 51.840MHz Oscillator 3.3 Volt Saronix
BNC Plug 4   Various
DIP Switch 1   Various
Power Connector 1   Various
Resistor     Various
Capacitor     Various
LED 3 Power & LOS Indication Various

参考文献

T3/E3/STS-1リピータに関してさらにご質問がある場合、Telecommunication Applicationsサポートチームまで、電子メール()または電話(972-371-6555)にてお問い合わせください(英語のみの対応となります)。

DS3150の詳細については、DS3150データシートを参照してください。データシートは、マキシムのウェブサイト(japan.maximintegrated.com/telecom)から入手することができます。