アプリケーションノート 113

バッテリ充電用電流源として応用可能なブーストDC-DC電圧レギュレータ


要約: DC-DCコントローラMAX1771を使ったブーストDC-DCコントローラは、バッテリ充電に便利なシンプルなスイッチモード電流源となります。電圧制御ループをディセーブルにすると、電流制御ループがレギュレーションを行います。

図1のスイッチングレギュレータは、レギュレーションを維持するために、電圧フィードバックループと電流ループを独立して備えています。この電圧ループをディセーブルすると、電流ループを用いて汎用電流ソースを得ることができます。

図1. この構成は、スイッチモード電圧レギュレータを汎用電流ソースへ変換します。
図1. この構成は、スイッチモード電圧レギュレータを汎用電流ソースへ変換します。

手順としては、まず、V+に5Vを印加します。この端子には、フィードバックとして12Vが印加されるべきため、レギュレーションが不足しているとみなされ、電流ループへ制御がシフトされます。この動作モードでは、Q1を通る電流が上昇し、CS (ピン8)での電圧が、内部コンパレータのスレッショルド(210mV) に到達するまで増加します。そして、Q1は、タイミング回路によって固定の2.3µs間だけオフにされ、このサイクルが繰り返されます。このようにして、ほぼ一定したインダクタ電流、即ち負荷電流が得られます(図2)。

図2. Q1のゲート駆動と得られたL1を通る電流との間には、図のような関係があります。
図2. Q1のゲート駆動と得られたL1を通る電流との間には、図のような関係があります。

部品定数が適正な値であれば、この回路は広範囲の入力電圧にわたって、一定の電流を生成します。図1に示した部品定数を持つこの回路は、600mAの充電電流を生成するニカド電池の急速充電器です。以下に、計算式を示します。

ピークインダクタ電流は、IPEAK = VSENSE/R1で、VSENSEは電流検出コンパレータのスレッショルド210mVを示します。また、変動電流(負荷電流のAC成分のピーク間の値)は、以下のようになります。

(1) IDITHER = VBATT tOFF/L、

ここで、VBATTはバッテリ電圧、tOFFは上記の間隔2.3µs、LはL1のインダクタンスを示します。

図2に示すように、平均インダクタ電流は、IAVE = IPEAK - ½IDITHERです。この式に上の式を代入すると、以下のようになります。



まず、目標の電流ソースの平均電流を決定します(この回路では、600mA)。次に、VBATTの公称値を決め(ここでは、4.8V)、DCに対し比較的小さなAC成分を保証するために、0.2IAVE以下の変動電流を式1に設定してLを求めます。



(L = 100µHを使用)
次に、このLの値(100µH)を式2に代入して、R1を求めます。



(R1 = 300mΩを使用)

IAVEが、規定の600mAから変動する3つのエラー要因として(図3) 、VSENSEの変動、コンパレータとMOSFET (Q1)による遅延、および電流検出抵抗R1の誤差があります。低電圧では、IC1のデータシートに210mV ±30mVまたは約14%と規定されているVSENSEが、最も大きなエラーの要因になります。この回路では、約190mVとなっています。

図3. 説明の通り、電流ソースの誤差は、入力電圧に伴って増加します。
図3. 説明の通り、電流ソースの誤差は、入力電圧に伴って増加します。

一方、高電圧では、遅延によりピーク電流がオーバーシュートして電流制限値を超えることがあります。このエラーは、以下のインダクタ値を選択することによって最小限に抑えることができます。

(5) L (in µH) > 5.5 (VIN VBATT)、

ここで、VINとVBATTの単位は、ボルトです。

その他のエラー要因(VBATT、tOFF、およびLの変動)は、IAVEに占める割合の小さいIDITHERに伴うものとなるため、比較的小さくなります。

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