アプリケーションノート 1123

韓国で使用される帯域(1750MHz)のPCS-CDMAトランスミッタアプリケーション用のMAX2361


要約: このアプリケーションノートでは、韓国のPCSバンド(Tx = 1750MHz~1780MHz)での、MAX2361直交トランスミッタICのアプリケーションについて説明します。-55dBc以上の隣接チャネル電力比(ACPR)と+10dBmの出力電力を実現するため、I/Qベースバンド入力からRFプリドライバ出力までの、統合された送信ソリューション全体を提供します。

追加情報:

はじめに

このアプリケーションノートでは、韓国のPCSバンド(Tx = 1750MHz~1780MHz)での、MAX2361直交トランスミッタICのアプリケーションについて説明します。-55dBc以上の隣接チャネル電力比(ACPR)と+10dBmの出力電力を実現するため、I/Qベースバンド入力からRFプリドライバ出力までの、統合された送信ソリューション全体を提供します。

概要

MAX2361は、MAX236Xファミリのすべての製品と同様、完全直交トランスミッタです。チップ内に内蔵されるものは、直交変調器、可変利得の中間周波数(IF)と無線周波数(RF)のアンプ、イメージ除去のアップコンバータミキサ、およびRFとIFのデュアルシンセサイザです。

MAX2361は、デュアルバンド動作で性能を発揮するように設計されたトランスミッタで、セルラバンド用のAMPS、PCSとセルラバンド用のCDMA (符号分割多元アクセス)、およびW-CDMA (広帯域符号分割多元アクセス)をサポートします。3線シリアルバスを使用して、所望の動作モードをプログラミングします。MAX2361は、2つのIF電圧制御発振器(VCO)、2つのIF入力と出力ポート、2つのRF局部発振器(LO)入力ポート、および3つのパワーアンプ(PA)ドライバポートを備えており、チップ外のバンド切り替えハードウェアは一切必要ありません。

テストのセットアップ

テストは設計開発ボードを使用して行いました。そのセットアップを図1に示します。すべてのデータは室温にて、以下の条件の下で記録しました。

VBAT = 3.6VDC (PAドライババイアス用)
VCC = 2.8VDC (MAX2361に対して)
外部RF LO = -9dBm (LOHでシングルエンド)
ベースバンド入力 = 400mVP-P (差動。図2を参照)
IF周波数 = 130.38MHz
RF周波数 = 1750MHz~1780MHz
基準周波数 = 19.2MHz

図1. テストのセットアップ図
図1. テストのセットアップ図

同相および直交(I/Q)ベースバンド信号をAgilent 4433B信号発生器セットから取り出して、IS-95Aの上りCDMAチャネルを供給しました。外部レジスタ分周器を使用して、I/Q信号振幅を約400mVP-Pの差動(200mVP-Pのシングルエンド)にまで低減しました(図2を参照)。

図2. シングルエンド同相/直交信号(MAX2361入力端で測定)
図2. シングルエンド同相/直交信号(MAX2361入力端で測定)

次に、ベースバンド信号をMAX2361 I/Q入力に加えて、直交変調器とIF可変利得アンプ(VGA)により130.38MHzのIFにアップコンバートして増幅しました。IFはチップ外の集中定数のLCフィルタを経由してチップ内に戻り、イメージ除去ミキサとRF VGAにより、RFまでさらにアップコンバートしています。単独のプルアップインダクタと直列コンデンサを使用して、出力ドライバのマッチングを実現しました。

IF LO信号の生成・調整は、IF位相ロックループ(PLL)を構成するループフィルタ部品と外部タンクとともに、チップ内のシンセサイザを用いて行いました。また、19.2MHzの温度補償型水晶発振器を外部に使用し、PLL基準周波数を提供しています。

外部RF VCOモジュール、ループフィルタ、および内部RF PLLシンセサイザを使用することができるのですが、このテストを行った時点では、必須のVCOモジュールは入手できませんでした。このため、RF LOは外部信号発生器セットを使用して確保し、約-9dBmの、適切なハイサイド注入信号を供給しました。

動作モード、IF PLL分周器、およびIF VGA利得は、3線バスインタフェースソフトウェア(図3を参照)を用いて設定し、一方、外部電圧キャリブレータを使用してVGCピンでのデジタルアナログコンバータ(DAC)電圧をシミュレートしました。電力と直線性の測定は、方向性カプラを用いて同時に行いました。

図3. インタフェースソフトウェアの設定
図3. インタフェースソフトウェアの設定

MAX2361の韓国帯域におけるテスト回路の回路図については、図4を参照してください。


拡大画像
図4.

表1は、研究室で記録した実際のデータをまとめたものです。各周波数(1750MHz、1765MHz、および1780MHz)において、利得制御電圧をその範囲内で変更し、ACPR、出力電力、および消費電流を記録しています。

表1. 性能データの測定
VGC
(V)
I.F. Gain
Setting*
Pout
(dBm)
ACP1
(dBc)
ALT1
(dBc)
Icc
(mA) MAX2361
1750MHz 2.40 100 9.83 -56.1 -72.3 128
2.38 100 8.64 -56.4 -72.3 118
2.36 100 6.86 -55.9 -72.2 106
2.34 100 5.27 -54.6 -72.4 96
2.32 011 0.92 -58.1 -72.5 87
2.30 011 -0.78 -57.2 -71.5 8
2.28 011 -2.80 -56.8 -72.2 73
2.26 011 -5.00 -56.3 -68.6 67
2.24 011 -6.50 -57.6 -68.1 66
2.22 011 -7.65 -57.9 -65.8 65
2.20 011 -8.90 -58.7 -65.3 65
1765MHz 2.40 100 10.03 -55.3 -72.1 127
2.38 100 8.68 -55.7 -72.0 116
2.36 100 7.19 -55.1 -71.8 106
2.34 100 5.60 -54.1 -72.1 96
2.32 011 1.30 -57.8 -72.3 88
2.30 011 -0.75 -56.3 -69.7 79
2.28 011 -2.55 -56.0 -69.3 73
2.26 011 -4.65 -56.3 -68.2 67
2.24 011 -6.15 -57.0 -68.2 66
2.22 011 -7.52 -58.4 -67.2 65
2.20 011 -8.48 -59.2 -66.5 65
1780MHz 2.40 100 10.30 -54.5 -72.1 127
2.38 100 8.95 -55.0 -71.9 116
2.36 100 7.49 -54.6 -71.8 106
2.34 011 3.15 -58.3 -71.9 95
2.32 011 1.40 -57.2 -70.7 87
2.30 011 -0.25 -56.0 -69.8 80
2.28 011 -2.32 -55.8 -69.4 73
2.26 011 -4.24 -55.7 -68.4 68
2.24 011 -5.92 -56.9 -68.2 66
2.22 011 -7.25 -58.3 -67.4 65
2.20 011 -8.33 -59.0 -66.7 65

*IF利得の設定は、特定のVGCにおいて許容可能な直線性を維持できるように調整しました。このデータからはわかりませんが、VGCを特定のIF利得設定に調整することで、POUTをより精密に変更することができます。

図5は、1765MHzでスペクトラムアナライザから得られたACPRの代表的な結果を示しています。スペクトラムアナライザは、方向性カプラのサンプリングポートに接続されているため、電力(dBm)は実際の出力電力に比例することに注目してください。絶対出力電力は、RFパワーメータを用いて測定します。

図5. +10dBmでのMAX2361ドライバ出力(RFH0で測定)
図5. +10dBmでのMAX2361ドライバ出力(RFH0で測定)

図6は、トランスミッタの出力I/Qの配置を示しています。各象限内で点が密集していることがわかります。エラーベクトル振幅(EVM)の合計は、3%をわずかに超えています。これは、韓国のPCSアプリケーションにとっては十分すぎるほどの値であり、送信信号は極めて高い品質を示しています。

図6. +10dBmでのMAX2361のEVM (RFH0で測定)
図6. +10dBmでのMAX2361のEVM (RFH0で測定)

結論

今回の実験により、韓国帯域のワイヤレス市場における統合ソリューションとして、MAX2361の効率性と実行可能性が証明されました。MAX2361は、韓国のPCSバンドにおいて-55dBc以上のACPRを維持しながら、+10dBmの出力電力を実現します。EVMは、+10dBmの出力電力で3.05%を記録しています。
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