アプリケーションノート 103

低ドロップアウト電圧のpFETリニアレギュレータ

pチャネルMOSFET (pFET)は、pnpトランジスタよりも高価格ですが、pnp回路でのベース駆動に伴う電力損失がありません。また軽負荷では、飽和電圧がより低くなります(図1)。現在市販されている低RDS(ON)ロジックレベルのpチャネルパワーMOSFETでは、5.1Vのバッテリから5Vにレギュレートできます。

図1. pチャネルMOSFET (Q1)により、このリニアレギュレータはVIN-VOUTの差が100mV以下で動作可能です。
図1. pチャネルMOSFET (Q1)により、このリニアレギュレータはVIN-VOUTの差が100mV以下で動作可能です。

図2の回路でバッテリが4.6Vまで低下しても、この特性によって4個のバッテリから5V ±10%が得られます。低ドロップアウト電圧によって、低下中のバッテリ電圧に回路が「追従」することが可能となり、約4.6Vでレギュレーション外になります。この時の入出力差が0.1Vと低いことから、ほぼ100%の効率が実現できます。このIC1の出力精度(全温度範囲で±0.6%)は、2.5Vシステムでのリファレンスに適しています。

図2. 低出力電流では、これらのpチャネルMOSFETのソース-ドレイン間電圧(図1に示す回路のドロップアウト電圧)が大変低くなります。
図2. 低出力電流では、これらのpチャネルMOSFETのソース-ドレイン間電圧(図1に示す回路のドロップアウト電圧)が大変低くなります。

IC2のピンプログラマブルなバイアス電流を用いると、回路全体の電流が50µA以下となる低電力モードが可能となります。このモードでは、RAMのバックアップやリアルタイムクロックなどの回路に5mAが供給されます。ハイパワーモードでは、レギュレータから1A供給されます。

100µFの出力コンデンサ(C1)は、1Aの最大負荷電流を供給するために必要な容量で、負荷が小さい場合は、コンデンサの容量を小さくすることができます。ただし、この回路のループ安定度は、1/2πRESRC1 > 14kHzとなる遅れ補償に依存します。ここで、RESRはC1の等価直列抵抗を示します。(C1に使用できるコンデンサのタイプを図1に示します。)

この回路を5V出力用(R1 = 100kΩ)として構成すると、合計7.5Vを発生する5つのセルからは500mA、合計6Vを発生する4つのセルからは1Aを供給することができます。また、3V用(R1 = 20kΩ)として構成すると、合計6Vを発生する4つのセルから500mA、合計4.5Vを発生する3つのセルから1Aを供給することができます。この入力電圧範囲は3V~15Vですが、Q1には全くヒートシンクがないため、MOSFETのパッケージの電力消費定格によって、入力電圧と出力電流がIOUT × (VIN - VOUT) < 1.25Wに制限されます。

次のステップ
EE-Mail EE-Mail配信の登録申し込みをして、興味のある分野の最新ドキュメントに関する自動通知を受け取る。
© , Maxim Integrated Products, Inc.
このウェブサイトのコンテンツは米国および各国の著作権法によって保護されています。コンテンツの複製を希望される場合は お問い合わせください。.
APP 103:
アプリケーションノート 103,AN103, AN 103, APP103, Appnote103, Appnote 103