アプリケーションノート 1008

MAX2242 PAを2.4GHzのDECTコードレス電話アプリケーション用に最適化


要約: このアプリケーションノートの主な目的は、ノンリニア動作におけるMAX2242の全体的な性能の概要を説明することです。また、クラスAのバイアス設定(リニア動作用)をクラスA/Bのバイアス設定(飽和モード)に改造しようとするパワーアンプ(PA)の設計者を支援するために、MAX2242の詳細な最適化方法を説明しています。このアプリケーションノートは、PAエンジニアがMAX2242を利用してコードレス電話アプリケーションの設計目標を達成し、最大限の性能と最小コストの部品表(BOM)を実現しようとする場合に役立つ設計ツールとなります。

追加情報:

はじめに

MAX2242は本来、2.4GHz ISM帯域のワイヤレスLANアプリケーション用に設計された低電圧リニアパワーアンプ(PA)です。PAバイアスのチューニングを追加して出力マッチングネットワークを最適化することにより、MAX2242 PAは、2.4GHz DECT (欧州ディジタルコードレス電話)用のノンリニア動作にも理想的なデバイスとなります。

MAX2242 PAは、3段パワーアンプ、パワーディテクタ、パワーマネジメント回路、およびシャットダウンピンで構成されています。PA設計者は、これらのすべての機能により、コードレス電話アプリケーションにおけるさまざまなシステム設計の要件を容易に満足することができます。さらに、MAX2242 PAは、外部バイアス制御ピンを備えています。外付けのDAC (ディジタル/アナログコンバータ)を使用することで、低出力電力レベルにおける消費電流を低減する一方で、平均効率を最大限に確保することができます。

MAX2242をMAX2644 LNA (Low Noise Amplifier:低ノイズアンプ)にカスケード接続すると、34dBを超える利得を達成するPAとなり、トランスミッタ段とVCOの間に30dBのアイソレーションを確保できます。これにより、DECT電話機で利用される時分割二重(TDD)を用いた周波数偏移変調(FSM)においてVCOのプリングの影響が大幅に低減されます。

このアプリケーションノートの主な目的は、ノンリニア動作におけるMAX2242の全体的な性能の概要を説明することです。また、クラスAのバイアス設定(リニア動作用)をクラスA/Bのバイアス設定(飽和モード)に改造しようとするパワーアンプ(PA)の設計者を支援するために、MAX2242の詳細な最適化方法を説明しています。このアプリケーションノートは、PAエンジニアがMAX2242を利用してコードレス電話アプリケーションの設計目標を達成し、最大限の性能と最小コストの部品表(BOM)を実現しようとする場合に役立つ設計ツールとなります。

テスト結果

VCC = 3.6V、RF入力電力 = +4dBmのとき、MAX2242は290mAの消費電流(38%の効率)と71mAのアイドル電流を使用して、+26dBmの出力電力を供給することができます。

MAX2242とMAX2644 LNAを接続した場合、VCC_PA = 3.6V、VCC_Buffer = 2.7V、PIN = -8dBmのとき、+26.15dBmのRF出力電力を供給します。このとき、総消費電流は310mAで逆方向のアイソレーションは30dBです。

一般テスト条件

テストはすべて室温で実施
テスト信号:CWトーン
PAアイドル電流:71mA
VCC_MAX2242 (PA):3.6V
VCC_MAX2644 (LNA):2.7V
POUT:+26.0dBm

ベンチセットアップのブロック図

図1. セットアップ図
図1. セットアップ図

テスト結果

図2. MAX2242 PAの出力電力と利得対入力電力(VCC = 3.6V、周波数 = 2450MHz、Ta = +25℃)
図2. MAX2242 PAの出力電力と利得対入力電力(VCC = 3.6V、周波数 = 2450MHz、TA = +25℃)

図3. MAX2242 PAの消費電流と効率対入力電力(VCC = 3.6V、周波数 = 2450MHz、Ta = +25℃)
図3. MAX2242 PAの消費電流と効率対入力電力(VCC = 3.6V、周波数 = 2450MHz、TA = +25℃)

図4. MAX2242 PAの出力電力と利得対周波数(VCC = 3.6V、PIN = 4dBm)
図4. MAX2242 PAの出力電力と利得対周波数(VCC = 3.6V、PIN = 4dBm)

図5. MAX2242 PAの消費電流と効率対周波数(VCC = 3.6V、PIN = 4dBm)
図5. MAX2242 PAの消費電流と効率対周波数(VCC = 3.6V、PIN = 4dBm)

図6. 「MAX2242 + MAX2644」カスケード接続のPOUTと効率対PIN (VCC_PA = 3.6V、VCC_Buffer = 2.7V、周波数 = 2450MHz)
図6. 「MAX2242 + MAX2644」カスケード接続のPOUTと効率対PIN (VCC_PA = 3.6V、VCC_Buffer = 2.7V、周波数 = 2450MHz)

図7. 「MAX2242 + MAX2644」カスケード接続のPOUTと効率対周波数(VCC_PA = 3.6V、VCC_Buffer = 2.7V、PIN = -8dBm)
図7. 「MAX2242 + MAX2644」カスケード接続のPOUTと効率対周波数(VCC_PA = 3.6V、VCC_Buffer = 2.7V、PIN = -8dBm)

MAX2242をノンリニア動作用に最適化する方法

  1. 以下の設計仕様を確認します。
    • 出力飽和電力レベル(dBm)
    • 入力電力レベル(dBm)および必要なPA利得
    • PA効率
  2. MAX2242の標準評価ボードを使用します。バイアス制御ピンを電源に接続します。
  3. MAX2242 PAに電源を投入します。
  4. PAに必要な入力電力を供給します。このアプリケーションノートでは、必要な入力電力として+4dBmを使用しています。
  5. 一定の入力電力において、所望の出力電力に達するまで、または最大限の出力電力が得られるまで、バイアス制御電圧を調整します。
  6. 以下の設計パラメータを記録します。
    • VBIAS - バイアス制御電圧
    • ICC - 消費電流
    • IIDLE - 入力電力をオフにしてIccを記録
    • POUT_SAT - MAX2242の出力が十分な飽和状態に達するまで入力電力を増加してRF出力電力レベルを記録
  7. コンデンサの位置をスライドするか、その容量を変更することで、MAX2242評価ボード上の出力シャントコンデンサ(C2)を調整します。この調整により、出力シャントコンデンサ(C2)とPA飽和出力電力が変化し、同時に利得と効率も変化します。MAX2242では、出力マッチングとバイアス制御電圧を調整することにより、最大飽和出力電力、利得、および効率の間で常に設計のトレードオフが発生します。MAX2242への利用可能な最小入力電力を確認して、利得要件を決定することが重要です。
  8. 所望の設計仕様が満たされるまで、ステップ5~7を繰り返します。
  9. VBIASを切断します。最適化された性能のアイドル電流に基づき、バイアス制御電圧を供給したときと同じアイドル電流になるまで、R1とR2 (同じ抵抗)の値を変更します。
注:MAX2242は、動作周波数領域(2.4GHz~2.5GHz)の範囲内で、効率が38%を超える広範囲な飽和出力電力を供給できます。最適な動作のための標準的な出力電力範囲は、+22dBm~+27dBmです。

MAX2242EVKITの回路図

図8. MAX2242の回路図
図8. MAX2242の回路図

MAX2242EVKITのBOM

  Designation Qty Description  
* C2 1 1.8pF ±0.1pF 50V Ceramic Cap (0402) Murata GRM36C0G1R8B050AD or Taiyo Yuden EVK105CH1R8JW ECM0033
* C12 1 6.0pF ±0.1pF 50V Ceramic Cap (0402) Murata GRM36C0G060B050AD or Taiyo Yuden EVK105CH060JW ECM0133
* C3, C6, C8, C10 4 0.1uF 10% 10V Ceramic Cap (0402) Murata GRM36X5R104K010 or Taiyo Yuden LMK105BJ104MV ECM0070
  C1, C9 2 33pF 5% 50V Ceramic Cap (0402) Murata GRM36C0G330J050AD or Taiyo Yuden UMK105CH330JW ECM0066, EC0451
* C5 1 22_F 16V Tant Cap (CASE B) AVX TAJB226M016 EC0249
  C4, C7 2 N/I  
* L1 1 10nH ±0.3nH 5% Inductor (0402) Coilcraft 0402CS-10NXJBG  
  L2 1 2.2nH Inductor (0402) Murata LQP10A2N2B00  
  R1, R2 2 8.06KΩ 1% Resistor (0402)  
  R3 1 47KΩ 5% Resistor (0402)  
  R4 1 51Ω 5% Resistor (0402)  
  IN, OUT 2 SMA Connector (PC Edge Mount) EF Johnson 142-0701-801 DIGI-KEY J502-ND  
  JU1 1 3 pin header Digi-Key S1012-36-ND or Equivalent  
  BIAS, PDOUT 1 1 pin header Digi-Key S1012-36-ND or Equivalent  
  None 2 Shunt for JU1 Digi-Key S9000-ND or Equivalent  
  VCC, GND 1 Test Points Mouser 151-203  
* U1 2 The MAX2242EBC (3x4 CSP) EU____
  None 1 The MAX2242 PC Board  
* None 1 The MAX2242 Data Sheet  
* None 1 The MAX2242EVKIT Data Sheet  

*キットに付属

特別な組み立て指示

  • C2:刻みマーク#4に配置
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