システムボード 6048

MAXREFDES42#:IO-Link RTD温度センサー



概要

MAXREFDES42#は、高精度IO-Link®抵抗測温体(RTD)温度センサーのリファレンスデザインで、2線式、3線式、または4線式PT100 RTDとともに広い温度範囲で使用することができます。このデザインは産業用形状に実装され、マキシム・インテグレーテッドの高集積RTD-デジタルコンバータのMAX31865を使用しています。ボードに堅牢なM12メスコネクタが実装されているため、標準M12延長ケーブルを使用して既製品のRTDをボードに接続することができます。この温度センサーは、15ビット分解能への高精度の温度変換を行い、複数のフォルト検出機能を備えています。ディスプレイは最も近い℃に丸められた粗い温度を表示し、一方IO-Link通信は細かい温度値を追跡/提供します。このセンサーは、IQ2 DevelopmentのIO-Linkデバイススタックを利用して、IO-Linkバージョン1.1に準拠した任意のマスターと通信します。このリファレンスデザインは、産業用DC-DCステップダウンコンバータを利用することによって消費電力を最小限に抑えます。また、このボードはM12オスコネクタも含んでいるため、規格に準拠したIO-Linkマスターに標準M12ケーブルを使用して接続することができます。MAXREFDES42#をIQ2 DevelopmentのiqInterface® IO-LinkマスターなどのUSB IO-linkマスターに接続し、同社のiqTool®ソフトウェアを使用することによって、PCによる評価が可能になります。

詳細および実験室での測定データについては、「詳細」タブを参照してください。設計ファイルとファームウェアは、「設計リソース」タブからダウンロード可能です。

特長

  • IEC 61131-9
  • IQ2 IO-Link iqStack®デバイス
  • IO-Linkバージョン1.1準拠
  • 較正用の不揮発性メモリ
  • フォルト監視
  • 素早い読取り用のLEDディスプレイ(粗い温度値)
  • IO-Linkによる詳細な温度値*

競争優位性

  • 高精度
  • 低電力
  • 低コスト


*実験室での測定結果を参照。

アプリケーション

  • 食品加工
  • 化学処理
  • 繊維製品生産
  • 空気、ガス、および液体の温度測定
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MAXREFDES42#リファレンスデザインのブロック図 拡大表示+

はじめに

抵抗測温体(RTD)は、温度が上昇すると抵抗値が増大する抵抗です。広い温度範囲に渡る高精度、安定性、および再現性を備えているため、RTDは多数の産業用アプリケーションに最適です。RTDはさまざまな材料で作られますが、多くの場合、腐食と酸化を防ぐために白金で作られます。PT100は最も一般的なRTDの1つで、抵抗値が0℃で約100ΩであることからPT100と呼ばれています。

IO-Linkは、センサーやアクチュエータとの通信に使用される、初めてのオープンな、フィールドバスに依存しない、低コストのポイント間シリアル通信プロトコルで、国際標準規格(IEC 61131-9)として採用されています1。IO-Linkによって、世界中の産業用機器の相互運用性がついに標準化されました。IO-Linkは、PLCからの直接動作またはゲートウェイを介したすべての標準フィールドバスからIO-Linkへの変換が可能であるため、MAXREFDES42#などのスマートセンサーとの汎用的な通信においても、急速に事実上の標準となっています。

マキシム・インテグレーテッドとIQ2 Developmentが協力し、IO-Linkバージョン1.1準拠のIO-Link RTD温度センサーリファレンスデザインとしてMAXREFDES42#を設計しました。MAXREFDES42#デザインは、業界標準のマキシム・インテグレーテッドのIO-Linkデバイストランシーバ(MAX14821)、効率的な高電圧ステップダウンコンバータ(MAX15062B)、IQ2 DevelopmentのIO-Linkデバイススタックを利用するRenesas®の超低電力16ビットマイクロコントローラ(RL78)、および高集積RTD-デジタルコンバータ(MAX31865)で構成されます。図1は、システムのブロック図を示します。

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図1. MAXREFDES42#リファレンスデザインのブロック図

ハードウェアの詳細

MAXREFDES42# IO-Link RTD温度センサーは、図1に示すように、IO-Linkトランシーバ、ステップダウンコンバータ、RTD-デジタルコンバータ、およびマイクロコントローラの4つのメインブロックで構成されます。

IO-LinkデバイストランシーバのMAX14821は、IO-Linkバージョン1.1/1.0物理層に準拠し、設定可能な出力(プッシュプル、pnp、またはnpn)、逆極性/短絡保護、広範な障害監視のすべてを、小型WLPパッケージ(2.5mm x 2.5mm)に内蔵しています。

MAX15062Bは、効率的に24Vを5Vに変換する高電圧、同期整流ステップダウンコンバータで、小型8ピンTDFNパッケージ(2mm x 2mm)で提供されます。PWM動作は全動作負荷で一定の周波数を維持します。MAX15062には多数のバージョンがあります。MAXREFDES42#温度センサーでは、5V出力にプリセットされたMAX15062Bを使用しています。

MAX31865は、白金RTD用に最適化されたRTD-デジタルコンバータです。温度係数が0.2ppm/℃ (typ)の400Ω 0.1%の外付けリファレンス抵抗(R13)によって、PT100 RTD用に感度を設定します。PT1000 RTDを使用する場合は、代わりに4kΩの高精度外付け抵抗を使用してください。リファレンス抵抗の値はIO-Linkパラメータとしてセンサー内にも保存され、実際に使用される対応するリファレンス抵抗と一致する必要があります。この高集積RTD-デジタルコンバータは、20ピンTQFNパッケージで提供されます。

消費電流が最小66µA/MHzの超低電力マイクロコントローラのRL78/G1Aが、システム制御を提供します。このマイクロコントローラは、64KBの内蔵プログラマブルフラッシュメモリと4KBの内蔵データフラッシュを備え、最小1.8Vで動作し、小型LGAパッケージ(3mm x 3mm)に実装されています。

保護のため、MAXREFDES42#はIO-Linkインタフェースに過渡電圧サプレッサ(TVS)ダイオードを備えています。過渡電圧サプレッサ(TVS)ダイオードは、すべてが同等ではありません。TVSダイオードのSDC36は、クランプ電圧が55V以下で、IEC 61000-4-2 (ESD)とIEC 61000-4-4 (EFT)の両方に適合します。より小型のTVSダイオードの多くは、これらの全仕様を満たすことができません。

ボード上にM12メスコネクタが実装されているため、図2aに示すように標準M12延長ケーブルを使用して既製品のRTD (Omega PR-26E-3-100-A-M6-0150-M12-2やPR-26A-3-100-A-M6-0150-M12-2など)をボードに接続することができます。このリファレンスデザインは未較正で出荷され、グレーの端子ブロックTB1内に2線式PT100 RTDが実装されています。重要:延長ケーブル経由で外付けRTDをM12メスコネクタに接続する場合は、グレーの端子ブロックTB1内の2線式RTDを取り外す必要があります。このボードはM12オスコネクタも含んでいるため、規格に準拠したIO-Linkマスターに標準M12ケーブルを使用して容易に接続することができます。MAXREFDES42#の消費電流は11mA (typ、25℃時)です。


図2a. MAXREFDES42#リファレンスデザインとOmega 4線式RTDおよび延長ケーブル

ソフトウェアの詳細

MAXREFDES42#は、IQ2 DevelopmentのiqToolソフトウェアのバージョン1.1.0.4を使用して検証されています。このソフトウェアは、iqInterface IO-Linkマスターハードウェアを購入すると付属します。IQ2 Developmentの最新のソースコードおよびドキュメントは、下記のリンクから入手可能です。

http://iq2-development.com/downloads
http://iq2-development.com/iqmaxrefdes42

IQ2 DevelopmentのIO-Linkデバイススタックの詳細については、下記の同社サイトでお問い合わせください。

www.iq2-development.com

迅速に作業を開始するため、後半の「クイックスタート」の項に記載されたステップバイステップの指示に従って、適切なクイックスタートガイドを見つけてください。図3は、IQ2 DevelopmentのIO-Link iqToolソフトウェアのスクリーンショットを示します。


図2b. MAXREFDES42#リファレンスデザインとIQ2 Development iqInterface IO-Linkマスターの接続

図3. IQ2 DevelopmentのiqToolソフトウェア(バージョン1.1.0.4)
図3. IQ2 DevelopmentのiqToolソフトウェア(バージョン1.1.0.4)

ファームウェアの詳細

MAXREFDES42#は、そのままIO-Linkマスターに接続することができるIO-Link温度センサーとして動作するように事前プログラムされて出荷されます。ファームウェアはRenesas RL78マイクロコントローラをターゲットとしており、図4に示す簡素なフローチャートに従って動作します。このファームウェアはIAR SystemsのIAR embedded workbenchを使用してC言語で書かれており、IQ2 DevelopmentのIO-Linkデバイススタックを利用しています。


図4. MAXREFDES42#のファームウェアのフローチャート

活線挿入後、MAXREFDES42#はIO-Linkマスターからのウェイクアップ信号を待ちます。ウェイクアップ信号を受信すると、MAXREFDES42#はIO-Linkマスターの230.4kbpsのボーレート(COM3)に同期します。通信パラメータが交換されます。その後、MAXREFDES42#はセンサー処理データをIO-Linkマスターに送信することによって、3msごとの周期的なデータ交換を開始します。センサーが取り除かれると、IO-Linkマスターはセンサーがなくなったことを検出します。

使用例の詳細

MAXREFDES42#を購入する前に、2種類の使用例を検討してください。使用例1は、図5に示すように、単にMAXREFDES42#とユーザーが用意するIO-LinkマスターおよびIO-Linkケーブルのみが含まれる場合です。システムはこの構成で動作するように事前プログラムされています。使用例2は、図6で示すように、ファームウェア開発システム全体が必要になる場合です。


図5. 使用例1:MAXREFDES42#クイックスタートシステム

表1. 使用例1に必要な推奨部品

Use Case #1 (MAXREFDES42# Quick Start System)
Company Description Orderable Part Number
Maxim Integrated IO-Link RTD temp sensor (ships programmed) MAXREFDES42#
IQ2 Development iqInterface IO-Link master IOL1-B-DMU-W-CP001
Balluff IO-Link cable (4-wire/2m) BCC05MC


図6. 使用例2:MAXREFDES42#ファームウェア開発システム

表2. 使用例2に必要な推奨部品

Use Case #2 (MAXREFDES42# Firmware Development System)
Company Description Orderable Part Number
Maxim Integrated IO-Link RTD temp sensor (ships programmed) MAXREFDES42#
Maxim Integrated E1 to MAXREFDES42# adaptor MAXREFDES23DB#
IQ2 Development iqInterface® IO-Link® master IOL1-B-DMU-W-CP001
Renesas Electronics E1 programmer/debugger R0E000010KCE00
Balluff IO-Link cable (4-wire/2m) BCC05MC
IAR Systems IDE and optimizing C/C++ compiler for RL78 Renesas RL78

クイックスタート(使用例1)

必要な機器:

マキシムから購入するもの:

  • MAXREFDES42#ボード

ユーザーが用意するもの:

  • USBポートを備えたWindows® PC
  • IQ2 Development iqInterface IO-Linkマスター
  • IQ2 DevelopmentのiqTool (バージョン1.1.0.4でテスト済み、IO-Linkマスターに付属)
  • M12 4ピンIO-Linkケーブル(BCC05MC)

注: IQ2 Developmentのソフトウェアを購入する前に、ご使用中のWindowsのバージョンがサポート対象であることを同社にご確認ください。

MAXREFDES42# クイックスタートガイドをダウンロードして読み、記載されている各ステップに注意深く従ってください。

実験室での測定結果

使用した機器:

  • USBポートを備えたWindows 7 PC
  • MAXREFDES42#ボード
  • IQ2 Development iqInterface IO-Linkマスター
  • IQ2 Developmentのs iqTool (バージョン1.1.0.4でテスト済み、IO-Linkマスターに付属)
  • M12 4ピンIO-Linkケーブル
  • RD42_RL78_V01_00.ZIP、ただしXX_XX = Webページで提供される最新バージョン
  • Fluke 7341較正用バス
  • Omega HH41温度計
  • ETI Therma 1温度計
  • Fluke 189マルチメーター

実験室での測定結果は、図7に示すセットアップおよび機器を使用して取得しました。

図7. 実験室での測定に使用したセットアップおよび機器
図7. 実験室での測定に使用したセットアップおよび機器

図8は、それぞれOmega HH41温度計とETI Therma 1温度計を基準とする、誤差と温度の関係を示します。MAXREFDES42#に接続されたRTDプローブをFluke 7341の中に設置し、25℃で較正しました。下記のリンクをクリックすると、基準として使用したOmega HH41温度計のNISTトレーサブル較正証明書が表示されます。

Omega HH41温度計のNISTトレーサブル較正証明書

図9は、MAXREFDES42#温度センサーの24V消費電流と温度の関係を示し、安定した、低消費電流を示しています。


図8. MAXREFDES42#の誤差と温度の関係(25℃で較正した4線式RTDのPR-26A-3-100-A-M6-0150-M12-2を使用)

赤色のデータは、Omega HH41温度計を基準として使用した場合です。緑色のデータは、ETI Therma 1温度計を基準として使用した場合です。


図9. MAXREFDES42#の24V消費電流と温度の関係

参考文献

  1. 「IO-Link System Description 2013」、IO-Link Company Community。P.3、序文。

IO-Linkはifm electronic GmbHの登録商標です。
iqInterface、iqStack、iqToolはIQ2 Development GmbHの登録商標です。
RenesasはRenesas Electronics Corp.の登録商標および登録サービスマークです。
WindowsはMicrosoft Corp.の登録商標および登録サービスマークです。

クイックスタート(使用例1)

必要な機器:

マキシムから購入するもの:

  • MAXREFDES42#ボード

ユーザーが用意するもの:

  • USBポートを備えたWindows® PC
  • IQ2 Development iqInterface IO-Linkマスター
  • IQ2 DevelopmentのiqTool (バージョン1.1.0.4でテスト済み、IO-Linkマスターに付属)
  • M12 4ピンIO-Linkケーブル(BCC05MC)

注: IQ2 Developmentのソフトウェアを購入する前に、ご使用中のWindowsのバージョンがサポート対象であることを同社にご確認ください。

MAXREFDES42# クイックスタートガイドをダウンロードして読み、記載されている各ステップに注意深く従ってください。

全設計ファイル

全設計ファイルをダウンロード

ハードウェアファイル:
回路図
部品表(BOM)
PCBレイアウト
PCBガーバー
PCB CAD (PADS 9.0)

ファームウェアファイル:
RL78プラットフォーム

 
Status:
Package:
Temperature:

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タイトル 更新日
Process Control Solutions Guide, 2nd ed.
(PDF, 2.03 MB)
22014-04-28