血糖値計IC

説明

血糖値計は、血液サンプル中のグルコース濃度を検出する携帯式の測定器です。これらの機器は、主として糖尿病患者によって使用されます。

現在市販されている血糖値計には、連続式と個別(単一検査)式があります。さらに、連続式の血糖値計は医師の処方箋を必要とします。これらの血糖値計は、皮下に埋め込んだ電気化学センサーを使用して、設定された時間間隔で測定を行います。

単一検査式の血糖値計は、電気化学方式または光反射率方式を使用して、グルコース濃度(単位:mg/dLまたはmmol/L)を測定します。血糖値計の大部分は電気化学方式です。電気化学方式の検査ストリップは、高精度のバイアス電圧が印加される電極を備えています。印加された電圧によって検査ストリップ上に電気化学反応が発生し、その結果流れる電流は血液中のグルコース量に比例します。次にその電流がグルコース濃度に変換されて表示されます。

検査ストリップの各パケットには較正コードが含まれており、使用前にそのコードを較正のためにメーターに入力する必要がありますが、新しい検査ストリップ設計の中には較正のステップを無くしたものもあります。

ページ上部の「設計上の考慮点」、「回路」、および「ブロック図」の各タブをクリックして、設計の作成に役立つ情報をご覧ください。


血糖値計は、電気化学センサーと、ディスプレイを備えたバッテリ駆動のエンベデッドシステムで構成される携帯式の測定器です。エンベデッドシステムは、センサーの読み取り、センサー読み値の処理、その表示、およびオプションでその保存を行います。

これらの血糖値計は、サンプルのグルコース濃度を判定するために非常に高精度のアナログ処理を必要とします。光反射率測定式と電気化学式の血糖値計は、どちらも数ナノアンペアの範囲の電流に対応する分解能が必要です。これらの機器は一般に狭い温度範囲内で高精度を発揮するため、高精度の温度測定も必要です。

新しい設計の多くは読み値を保存し、記録のためにPCまたはスマートフォンに読み値を送信することができます。

電気化学式検査ストリップの構成


大部分の検査ストリップは、血糖値計メーカーごとにさまざまな独自仕様で作られています。それぞれ試薬の処方、電極数、チャネル数、試薬のバイアス方法などが異なります。最も単純な構成は、自己バイアス式検査ストリップ(図1)です。この検査ストリップには2つの電極があり、作業電極と接地されたコモン電極で電流を測定します。

図1. 自己バイアス構成の電気化学式検査ストリップ
図1. 自己バイアス構成の電気化学式検査ストリップ

1つの検査ストリップに複数のチャネルがある場合もあります。追加のチャネルは、リファレンス測定や初回の血液検出に使用したり、反応部位を血液で飽和させたりするために使用します。もう1つの構成は、両方の電極をアクティブに駆動し、コモン電極で測定を行うものです。さらに高度な別の設計に、カウンタ構成があります(図2)。

図2. カウンタ構成の電気化学式検査ストリップ
図2. カウンタ構成の電気化学式検査ストリップ

この構成では3つの電極があり、作業電極で電流を測定し、フォース/センス回路によってコモン電極と基準電極を駆動します。この構成は、測定の間、検査ストリップ上の反応部位のバイアス電圧がより正確に設定され、維持されるという重要な長所があります。この設計の短所としては、複雑さが増大すること、また、通電中のバイアス電圧を維持するため、より大きなヘッドルームを確保してフォース/センスアンプで負の振幅を可能にする必要があることが挙げられます。

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センサーアナログシグナルチェーン


光反射率測定式と電気化学式の血糖値計は、両方とも数ナノアンペア(1桁ナノアンペア)の範囲の電流を分解する必要があります。血糖値計の許容誤差を満足するには、製造時における血糖値計の較正後、電源電圧、温度、および時間の変化に対して各部品の漏れやドリフトが極めて小さいことが必要です。容量性の電気化学式検査ストリップに接続するオペアンプで重要となる仕様は、超低入力バイアス電流(< 1nA)、高い直線性、および安定性です。オペアンプは、通常いずれの方式の血糖値計に対してもTIAとして構成します。電圧リファレンスで重要となる仕様は、温度係数が50ppm/℃以下、経時ドリフトが小さい、優れたラインレギュレーションとロードレギュレーションなどです。電気化学式検査ストリップのバイアス電圧の設定、および光反射率測定式検査ストリップのLED電流の設定には、10ビット/12ビットDACを使用します。電気化学式検査ストリップでは、検査ストリップに血液が塗布された時点で検出するために、コンパレータを使用する場合もあります。これによって、検査ストリップに血液が塗布されるまでの消費電力を節約するとともに、反応部位を血液で十分に飽和させることができます。ADCの要件は血糖値計の種類によって異なりますが、ほとんどの場合、検査結果の再現性を確保するには、14ビット以上の分解能と低ノイズが要求されます。ダイナミックレンジを拡大するためにADCの前に設定可能な利得段がある場合は、12ビットの分解能も使用されます。

部品の選択

マキシムは、前項で説明した全機能を内蔵した高精度シングルチップのデータ収集システム(DAS)を提供しています。マキシムの推奨DAS ICは、血糖値計で要求される仕様および性能に適合するように設計されています。これらのDAS ICは、血液凝固計やコレステロール計などの類似のアプリケーションにも最適です。ブロック図のDASのブロックをクリックして、推奨製品をご覧ください。

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温度測定


検査ストリップ上の血液の温度を測定するのが理想的ですが、通常は検査ストリップ近接の周囲温度を測定します。温度測定の精度は検査ストリップの種類や化学的性質によってさまざまですが、±1℃~±2℃が標準的な範囲です。この測定は、スタンドアロンの温度センサーICを使用するか、リモートサーミスタまたはPNジャンクションとADCの組み合わせによって行うことができます。ADCと同じリファレンスで駆動されるハーフブリッジ構成でサーミスタを使用すると、電圧リファレンスの誤差が解消されるため、より正確な結果が得られます。リモートまたは内部PNジャンクションは、高精度の高集積アナログフロントエンド(AFE)で測定することができます。

部品の選択

マキシムのシングルチップDAS ICは、このアプリケーションに必要なレベルの精度を備えた温度センサーを内蔵しています。

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ユーザーインタフェース:ディスプレイ、音声


大部分の血糖値計は、マイクロコントローラに内蔵されたLCDドライバで駆動可能な約100セグメントの単純な液晶ディスプレイ(LCD)を使用しています。カラーディスプレイは、両方のセグメントLCDより高い追加の電圧を必要とします。1つまたは2つの白色LEDを使用することによってバックライトを追加することが可能です。

血糖値計の可聴式インジケータには、単純なブザーから、視覚障害に対応したより高度な音声機能まで、さまざまなものがあります。単純なブザーは、パルス幅変調(PWM)機能によって1つまたは2つのマイクロコントローラポートピンで駆動することができます。より高度な音声インジケータや検査結果記録用の音声録音機能も、オーディオコーデックをスピーカアンプやマイクロフォンアンプとともに追加することで実現することができます。

部品の選択

マキシムは、LCDディスプレイへの給電に必要になる可能性のあるステップアップスイッチングレギュレータと、ディスプレイバックライトアプリケーション用の高輝度LEDドライバを提供しています。ブロック図をクリックして、推奨製品をご覧ください。

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静電気放電


すべての血糖値計は、IEC 61000-4-2の静電気放電(ESD)の要件に適合する必要があります。ESD保護を内蔵した電子部品の使用、または露出したトレースへのESDラインプロテクタの追加は、この要件への適合に役立ちます。

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電源およびバッテリマネージメント


単純なディスプレイを備えた血糖値計は、リチウムコイン電池1個、またはAAA (単4形)のアルカリ1次電池2本で直接動作させることができます。電池の寿命を最大限に延長するために、この血糖値計では、3.6Vから2.2Vまで(リチウムコイン電池の場合)または1.8Vまで(アルカリ単4電池の場合)動作可能な電子回路が必要です。電子回路がより高い電源電圧やレギュレートされた電源電圧を必要とする場合は、ステップアップスイッチングレギュレータを使用することができます。スリープ回路がより低いバッテリ電圧で動作可能である限り、スリープモード時にスイッチングレギュレータの電源を切断し、バッテリで直接動作させることで、バッテリの寿命は延長されます。バックライト付きディスプレイやより高度なディスプレイを追加するには、より高い電圧や、場合によっては別の電圧も必要になります。この時点で、より高度なパワーマネージメント方式が必要になる可能性があります。バッテリチャージャと残量ゲージ回路を追加して、単一セルリチウムイオン(Li+)バッテリなどの再充電可能なバッテリを使用することができます。血糖値計でUSBが利用可能であれば、USBによる充電がユーザーにとって便利なオプションとなります。

部品の選択

マキシムは、このアプリケーション用の数種類のパワーレギュレーションおよびバッテリマネージメント回路を提供しています。設計に最適な製品は、選択したバッテリのサイズとタイプによって決まります。

ブロック図を参照し、電源およびバッテリの記号をクリックしてこのアプリケーション用のマキシムの推奨ICをご覧ください。

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1次電池用ウェアラブルパワーマネージメントソリューション

MAX20310

1セル空気亜鉛、酸化銀、およびアルカリバッテリアーキテクチャ用のウェアラブルパワーマネージメント

充電式機器用、高性能、超低電力FPU内蔵ARM Cortex-M4Fベースのマイクロコントローラ

MAX32620/1

ウエアラブル医療およびフィットネスアプリケーション用、超低電力Cortex-M4F

ウェアラブル充電管理ソリューション

MAX14690

ウェアラブル電子機器のバッテリ寿命を延ばす

超低電力Cortex-M4Fマイクロコントローラ用の完全な評価ボード

MAX32620-EVKIT

電力を最適化したArm® Cortex®-M4F。最適なペリフェラルミックスによってプラットフォームの拡張性を提供。チップアンテナを備えたBluetooth® 4.0 BLEトランシーバ内蔵。

バッテリ動作機器用の拡張コネクタを備えたArm Cortex-M4F開発プラットフォーム

MAX32620FTHR

超低電力マイクロコントローラのMAX32620用のMbed対応開発プラットフォーム。ボード上のPMIC、残量ゲージ、ペリフェラル、Pmodコネクタによって0.9インチ x 2.0インチの小型ボードでの迅速な開発が可能。

高感度パルスオキシメーターおよび心拍数センサー

MAX30101

3つのLED (赤色、IR、緑色)、フォトダイオード、およびAFEを5.6mm × 3.3mm × 1.55mmの光モジュールに内蔵し、HRおよびSpO2測定を実現します。

超低電力FPU内蔵Arm® Cortex® M4マイクロコントローラ、ウェアラブルおよびIoT用、2MBのフラッシュ、512KBのSRAM、および高度暗号ハードウェアエンジン内蔵

MAX32630/MAX32631

MAX32630/MAX32631はFPU内蔵Arm® Cortex®-M4 CPUで超低電力、大幅に消費電力を低減した高効率信号処理機能、および使いやすさを提供します。

超低電力FPU内蔵Arm® Cortex® M4マイクロコントローラ、ウェアラブルおよびIoT用、最大512KBのフラッシュおよび160KBのSRAM内蔵

MAX32625/MAX32626

MAX32625/MAX32626はFPU内蔵Arm® Cortex®-M4 CPUで高効率信号処理、超低消費電力と使いやすさを提供します。

小型、電力を最適化したIoTアプリケーションを構築するための小型開発ボード

MAX32630EVKIT

電力を最適化したArm Cortex-M4F。最適なペリフェラルミックスによってプラットフォームの拡張性を提供。チップアンテナを備えたBluetooth 4.0 BLEトランシーバ内蔵。

バッテリ動作機器用のArm® Cortex®-M4F開発プラットフォーム

MAX32625MBED

超低電力マイクロコントローラのMAX32625用のMbed対応評価システム。Arduino®コネクタおよび広いプロトタイプ作成スペースによって迅速な開発が可能。

セキュアコプロセッサ、楕円曲線パブリック鍵(公開鍵)認証

DS2476

DS28C36に対するセキュアECDSAおよびHMAC SHA-256コプロセッサコンパニオン

セキュア認証用IC、SHA-256コプロセッサ内蔵

DS2465

セキュア認証用ICは、SHA-256およびメモリ機能を提供する1-Wireマスターを備えています。

3µA 1セル残量ゲージ、ModelGauge内蔵

MAX17048

業界最小サイズ、超低電力残量ゲージでバッテリ動作時間を最大化

ModelGauge m5 EZ 内蔵7µA 1セル残量ゲージ

MAX17055XEVKIT

クーロンカウントと電圧残量ゲージの組み合わせで最高のSOC精度を実現

7µA 1セル残量ゲージ、ModelGauge m5 EZ内蔵

MAX17055

ModelGauge m5 EZによってバッテリ特性評価が不要

7µA 1セル残量ゲージ、ModelGauge m5 EZ内蔵

MAX17055

電流、電圧、温度の高精度測定を実現する、低自己消費電流の残量ゲージ

SHA-256認証内蔵、スタンドアロンModelGauge m5残量ゲージ

MAX17201/5/11/15

SHA-256認証を内蔵したこの超低電力残量ゲージICは、特性評価が不要で、パック側の実装に最適です。

スタンドアロンModelGauge m5残量ゲージ、SHA-256認証内蔵

MAX17201GEVKIT

パック側、シングルセル/マルチセルアプリケーションに不揮発性メモリ(NVM)を提供

ModelGauge m3残量ゲージ

MAX17047/MAX17050

これらのバッテリ残量ゲージは、クーロンカウントと電圧ベースのModelGaugeアルゴリズムの両方を使用することで優れた短期的および長期的精度を提供します。ModelGauge m3は、クーロンカウンタのオフセット蓄積誤差を相殺するとともに、電圧のみに基づくあらゆる残量ゲージより優れた短期的精度を提供します。

1セルリチウムイオンバッテリ用小型セキュア、高精度チャージャ

DS2784

このチャージャは、完全な残量ゲージソリューションを15mm2の小型実装面積で提供します。このデバイスは、スタンドアロンの残量ゲージ、1セルリチウムイオンプロテクタ、およびSHA-1ベースのチャレンジ&レスポンス認証システムを内蔵しています。

MAX30205の評価システム

MAX30205EVKIT

体温センサーのMAX30205を評価するシステム、USB-I2CコントローラおよびGUI内蔵

セキュアメモリ、I2C SHA-256および3KbユーザーEEPROM内蔵

DS28C22

セキュアメモリは、暗号強度の高い、双方向のセキュアなチャレンジ&レスポンス認証を備えています。

超低電力、シングルチャネル集積型生体電位AFE

MAX30003

セキュア認証用ICは、出荷時にプログラムされた固有の64ビットROM識別番号を備えています。

体温センサー

MAX30205

センサーは、正確に温度を測定し、過熱アラーム/割込み/シャットダウン信号を出力します。

4.5~60V、5A、高効率ステップダウンコンバータ

MAX17506

ハイサイドMOSFET内蔵、出力0.9V~0.9 × VIN、TQFNパッケージ(5mm × 5mm)

高速、ハーフブリッジMOSFETドライバ

MAX5064

125Vハーフブリッジ、nチャネルMOSFETドライバ、高電圧アプリケーションでハイ/ローサイドMOSFETを駆動。

12ビットおよび10ビットマルチチャネル低電力、高速、SAR ADC

MAX11135

業界最先端の1.5MHz、完全リニア帯域幅、低電力、シリアル出力、およびSampleSetチャネルシーケンスを備えた12/10/8ビット500ksps SAR ADCファミリです。

RTD-デジタル温度センサーインタフェース

MAX31865

0.5℃の総合精度を提供、フォルト検出および±45V入力保護内蔵

RTD-デジタルコンバータ、フォルト検出内蔵

MAX31865

この使いやすいコンバータは、内蔵のフォルト検出、高精度、およびシステムコストを削減する高集積を特長としています。

超高精度ローカル温度センサー

MAX31726

このICは、高分解能、デルタシグマ、アナログ-デジタルコンバータ(ADC)を使用して温度測定値をデジタル形式に変換します。精度は-40℃~+105℃の範囲で±0.5℃です。通信はI²C対応の2線式シリアルインタフェースによって行います。

24ビット、低電力、低ノイズ、デルタシグマADC、PGA内蔵

MAX11270

MAX11270は、超低消費電力10mWで優れた130dBのSN比を実現する、24ビットデルタシグマADCです。最大64kspsまでのサンプルレートによって、DCおよびACの両方の高精度な測定が可能となります。積分非直線性(INL)は、最大4ppmが保証されています。

低電力、完全差動20ビットSAR ADC

MAX11905

このADCは、スループットに直接比例するクラス最低の消費電力をもち、優れた静的および動的性能を発揮します。

4.5V~42V入力、高効率、絶縁型バックDC-DC

MAX17681

最大5Wの絶縁型電源を提供、90%以上のピーク効率および0.9µAのシャットダウン電流で消費電力を低減

デジタルアイソレーション

MAX14934

4チャネル、5kVRMSデジタルアイソレータ

MAX44284の評価キット

MAX44284EVKIT

電流検出アンプのMAX44284の高精度リアルタイム電流監視を実証します。

医療および産業アプリケーション用の除細動/サージ/ESDプロテクタの評価ボード

MAX3003XEVKIT

説明:MAX30034を内蔵し、反復する除細動およびその他の高エネルギーパルスを吸収する完全試験済みボード


ESD 内蔵DAS RTC LCDバックライト スピーカドライバ ESD 残量ゲージ バッテリチャージャ LDO ステップアップDC-DC ステップダウンDC-DC オーディオコーデック
種類 ID PDF タイトル
アプリケーションノート 5299 適切なCMOSアナログスイッチの選択
チュートリアル 4675 インスリンポンプと携帯型医療機器設計における重要な検討事項
チュートリアル 4659 血糖値計
種類 型番 タイトル
評価ボード MAX9617EVKIT MAX9617の評価キット
評価ボード MAX1358EVKIT the MAX1358の評価キット
評価ボード MAX1724EVKIT MAX1722、MAX1723、MAX1724の評価キット