最新スイッチングレギュレータ技術 - 今こそ切替えを!

スイッチングレギュレータは何十年も前から存在しますが、常に新しい製品がリリースされ続けています。新しい設計の中には、それまで既存の製品では提供されなかった機能を備えたものもありますが、大部分の製品は既存の設計の代替として使用することが可能で、結果として利点をもたらします。

エンジニアがアプリケーション用のスイッチャを選択する場合、通常はパラメータ照合を使って選択が行われ、主なパラメータとしては入力電圧、出力電圧、および出力電流があります。エンジニアが特定の設計用の製品を一度選択すると、その製品が新しい設計パラメータに適合するとみなし、次の設計でも同じ製品を使う傾向が確立します。最初の設計の作成時に得られた経験と信頼があるため、同じ設計を何度も繰り返し使用する方が容易です。それが、10年前や15年前のスイッチングレギュレータが未だに広く使われている理由です。

しかし、技術は常に進歩しており、スイッチングレギュレータの世界では技術の進歩が見落とされる場合があります。最新のスイッチングレギュレータが旧式の製品よりはるかに優れている理由を理解するため、パラメータよりも詳細な内容について解説します。それによって、旧式の製品を使用している場合は、今こそ切り替えるべきだという理由も理解できます。


最新のスイッチャ技術を利用している2A電源はどちらか分かりますか?

改善要素1:プロセス技術


スイッチングレギュレータの製造に使用されるプロセス技術は、製品が達成可能なパラメータに大きく影響します。最新のプロセスは、より高速なスイッチング周波数を可能にします。スイッチング周波数の高速化が設計に与える影響として、一般に、設計の実装面積が小型化します。より高いスイッチング周波数によって、インダクタが大幅に小型化し、出力フィルタコンデンサも大幅に小型化します。最新のスイッチングレギュレータICの実装面積の小型化と合わせて、出力品質への影響なしに電源の実装面積を大幅に(場合によっては50%)削減することができます。

スイッチングレギュレータ(すなわち、内部スイッチを備えた製品)内のスイッチング素子は、本質的に電界効果トランジスタ(FET)です。これらのスイッチの電力処理能力の進化によって、出力電流に関してスイッチング能力が大幅に向上するとともに、発熱も大幅に低下してきました。電力スイッチングの観点から、スイッチングFETの最重要パラメータはRds(on)、すなわちドレインとソース間の抵抗値です。最新のプロセスによるRds(on)はmΩ単位で、旧式の設計より10~100倍向上しています。低Rds(on)によって、従来の高損失整流ダイオードに代えて効率的なFETを使用する同期整流の実装も可能になります。これが設計に及ぼす影響として、より高い出力容量を備えながら低温で動作するレギュレータが実現し、大幅に堅牢化されたソリューションが提供されます。

プロセス技術は、スイッチングレギュレータの自己消費電力要件にも影響します。最新のスイッチャは、数年前に設計された製品と比べても、必要な自己消費電力が大幅に低下しています。これが設計に与える影響は省電力化と発熱の減少で、ハンドヘルド設計で最も重要となりますが、すべての設計で全体的に重要です。

ページのトップへ戻る |

改善要素2:インテグレーション


前述のように、プロセス技術の改善は本質的に消費電力と電力処理能力の両面でより良い仕様を提供します。最新のプロセスは、通常はより細いライン幅を使用するため、外部回路をシリコン自体の上に実装するための収容力が増大します。新しい製品の多くは、自己充足的な補償回路を備え、多数の外付け受動部品が不要です。設計への影響として、設計の実装面積が小型化し、設計が容易になります。

かつては、内部スイッチを備えたスイッチングレギュレータで処理可能なのは低い電流のみ(1A以下)で、それにさえ外付けのスイッチングダイオードが必要でした。大幅に進歩したプロセス技術によって、高度なFETスイッチをシングルチップ上に集積可能となり、より高い出力電力レベル(1~10A)でさえ設計が小型化されました。

ページのトップへ戻る |

改善要素3:アーキテクチャ


スイッチングレギュレータのアーキテクチャは、スイッチおよびスイッチングアーキテクチャ自体の駆動に使用されるロジックアルゴリズムに関係します。最新のプロセスはIC内の余裕が増大するため、より多くの制御ロジックを内蔵し、各種の動作モードを提供することが可能になりました。各種の動作モードを提供することによって、各種の動作環境で変換効率を向上させることが可能になります。最新のスイッチングレギュレータは、複数の動作モードを提供して広範な動作条件にわたる効率の向上を実現します。

スイッチングレギュレータ内で使用されるスイッチングアーキテクチャは、その効率にも影響します。同期スイッチング制御を備えたスイッチングレギュレータは、中~高負荷状態で最高の効率を提供します。過去においては、同期スイッチ制御を取り入れた製品は高価で、この技術は主としてスイッチングコントローラ製品(外部スイッチを制御する製品)で提供されていました。最新のスイッチングレギュレータの多くは、同期スイッチングロジックをMOSFETスイッチとともに内蔵することによって、利用可能な最高の効率を、すべて1つの低コスト製品で提供します。

同期スイッチング動作およびそれに伴うスイッチング損失のため、基本的な同期スイッチングレギュレータは軽負荷状態で効率が低下します。高度なマルチモード制御アーキテクチャはこの問題を排除し、全負荷範囲にわたって最高の効率を実現します。最も高度で最新のスイッチングレギュレータは、同期スイッチングとともにマルチモード制御を備え、広範な出力負荷にわたって最高の動作効率を提供します。

ページのトップへ戻る |

まとめ


最新のスイッチングレギュレータが過去に設計された製品より大幅に優れていることを説明しました。新しい製品は、設計の実装面積の小型化、設計の容易化、より低温での動作、効率の向上、および大容量の回路という、非常に大きい利点を提供し、はるかに高い堅牢性と信頼性を備えた最終製品が実現します。

以上の技術について理解できたら、次は自分で実践する番です。使い慣れた10年前のスイッチングレギュレータから最新の製品に切り替えて、これらの利点を新規および既存の設計に追加してください。

まずは評価から始めましょう。既存の定番製品に代わるものを探す際には、必ずマキシムの最新のHimalayaステップダウンスイッチングレギュレータ製品をご評価ください。マキシムのHimalaya製品ファミリには、上記の要素がすべて含まれています。

ページのトップへ戻る |