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リモート患者バイタルサインモニタ用の電源サブシステム

このアプリケーションノートは、マキシムのバイオセンシングアナログフロントエンド(AFE)を用いたリモートバイタルサイン監視装置で使用するための実証済みスイッチモード電源回路の実装および検証のガイダンスを読者に提供するシリーズの一部です。以下のセクションでは、対象となる読者の概要に焦点を当てます。

下の図1は、さまざまなバイオセンシングAFEデバイスがデジタル電源、アナログ電源、および外部LED電源に給電するための複数の電源チャネルを必要とするブロック図を示しています。

図1. 標準的なウェアラブルバイオセンシングサブシステム

図1. 標準的なウェアラブルバイオセンシングサブシステム

スイッチングモード電源は、リモート患者モニタに最適な高効率と小型実装面積を提供します。しかし、設計はマキシムの各バイオセンシングデバイスの信号対ノイズ比(SN比)の性能が高周波スイッチングノイズによって悪影響を受けないことを確保しなくてはいけません。このノイズはバイタルサイン信号がサンプリングされて性能劣化を回避するバンド内でエイリアスされます。

このクックブックはバイオセンシングデバイスで使用するための事前に検証された電源回路を提供します。さらに、各電源回路例は、必要に応じて回路設計者の一助となるように検証チェックリストとトラブルシューティングガイドで補完されています。

誰がこれを読むべきか?

下記のマキシムのバイオセンシングAFEを使用してリモート患者バイタルサインモニタおよび使い捨て診断装置を開発する設計者。

型番 機能
MAX30001CWV+
MAX30003CWV+
MAX30004CWV+
ECG、R-R、心拍、およびBioZバイオセンサー
超低電力、シングルチャネル集積型生体電位(ECG、R-R検出) AFE
超低電力、シングルチャネル集積型生体電位心拍数検出AFE
MAX86140ENP+
MAX86141ENP+
光学式パルスオキシメーターおよび心拍数バイオセンサー(MAX86140:シングルチャネル、MAX86141:デュアルチャネル)
MAX86176ENX+ ECG、光学式パルスオキシメーター、および心拍数バイオセンサー
MAX86131CWA+ 電気化学バイオセンサー
MAX30208CLB+ ±0.1℃精度、I2Cデジタル温度センサー

バイオセンサーのデータから実用的な情報を取得するには、優れたシステム信号対ノイズ性能が必要です。マキシムのAFEを採用することは、この目標に向かう最初のステップです(「Designing Accurate, Wearable Optical Heart Rate Monitors」)。次のステップは、確実な電源設計で補完することです。

このクックブックは、設計者に以下のガイドを提供します。

  • システム要件に基づく電源構成の選択
  • ディスクリートおよび/または集積型設計の両方のリファレンス回路およびレイアウトの使用
  • 各種デバイスの使用例および過渡負荷条件においてシステムを検証するための電源性能テスト方法の採用
  • 包括的なチェックリストを使用したそれらの実装の検証
  • 実装が成功した場合に予想されるテストデータの表示
  • システム統合ガイドラインの適用
  • トラブルシューティングの手引きに従った問題への対応

リモート患者モニタおよび医療用ウェアラブルシステムの構成

このクックブックは、以下の要件のある設計に適用可能です。

  • 小型のシステム形状および軽量
  • 軽量かつ低コストのバッテリで十分なバッテリ駆動時間を維持。ほとんどのシステムはスタンバイまたは低電力状態を維持。
  • 1kHz以下のサンプリングレートでの非常に高い信号対ノイズ性能
  • 公称電圧が0.9V~4.2Vの範囲の1つまたはそれ以上の(1次または2次)バッテリを使用。たとえば以下のもの。
    • LP401230:3.7V、105mAh、2次(充電式)セルリチウムポリマーバッテリ
    • BR2032:3.0V、190mAh、1次(非充電式)セルバッテリ
    • CR2032:3.0V、235mAh、1次(非充電式)セルリチウムバッテリ
  • 1つまたは複数の電圧レールを必要とするデバイスを内蔵。たとえば以下のもの。
    • 高速遷移および高動作電流を備えたデジタルデバイス用の1.8V (VDIG)
    • 電源ノイズがセンサーデータの完全性に影響する1.8Vアナログ電源(VANA)
    • 光システムのLED電流用の5V電源(VLED)

マキシムの充電式電源システム構成は、リチウムイオンまたはリチウムポリマー充電式バッテリで、一般的な3.0V~4.2Vの範囲の入力電圧で動作するように設計されています。2つの1.8V電源(VANAおよびVDIG)と1つの5V電源(VLED)の、3つの出力が生成されます。図1は、参照用のブロック図を示しています。1つの電源は厳密に安定化された1.8Vデジタル電源で、デジタル信号の一般的な高速遷移によるノイズの多いマイクロコントローラのデジタル部分に給電します。

ウェアラブルアプリケーション用のバッテリの選択肢

一般的なウェアラブルバッテリのタイプは、1次セル(非充電式)バッテリと2次セル(充電式)バッテリの2つの基本的なグループに分類可能です。1次セルバッテリの例にはアルカリ、リチウムイオン、亜鉛空気、および酸化銀などの種類があり、2次セルバッテリの例にはリチウムイオンおよびリチウムポリマー(LiPoまたはLiPoly)セルなどがあります。現在は、サイズ、重量、充電式、エネルギー密度、および環境保全性により、ウェアラブルアプリケーション用にリチウムイオンおよびリチウムポリマーバッテリが多用されています。

設計者は、各バッテリタイプに固有の電気的特性(たとえば、電圧出力レベル、エネルギー蓄積レベル、充放電の動作など)があることに注意すべきです。そのため、利用する各バッテリタイプに適したスイッチモード電源(SMPS)回路を実装する必要があります。さらに、より新しいバッテリタイプの配備に応じて、エンジニアは電源回路の評価、特性評価、および場合によっては再設計を行う必要があります。

このドキュメントで提示するDC-DCコンバータ回路(またはSMPS)は、使用されるすべてのバッテリタイプを識別します。

スイッチモード電源(DC-DCコンバータ)回路

以下の章に続くコンテンツでは、下記を含む、既知の優れたリファレンスデザインの動作の詳細に注目します。

  • 適用可能な設計ファイル(回路図/BOM/レイアウト)へのリンクを含む回路の説明
  • 実装された回路の機能を確認するための検証チェックリスト
  • 標準的な二次動作特性を明確に示すテストデータプロットの選択

設計者がそれぞれ特定のPCBレイアウト要件に対応するために役立つ、ディスクリートと集積型の両方のスイッチモード電源オプションを提供します。

Power Supply Subsystem for MAX30001-Based ECG Remote Patient Vital Sign Monitor