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SICK AG:µSLICパワーモジュールによる高精度光センサーの小型化

ドイツのヴァルトキルヒを本拠地とするSICK AGは、産業用センサーに基づくソリューションの設計および製造でトップクラスの企業です。SICKのセンサーは世界中のファクトリ、プロセス、および物流オートメーションソリューションで使用され、セキュアで効率的なプロセス制御を実現し、人身事故や環境破壊を防止するための基盤を提供しています。1946年創業の同社は、世界各地に10,000人以上の従業員を擁し、子会社および出資先は50社を超えます。

課題

  • SICKの光近接スイッチを10%超小型化するとともに、その性能を向上させる

ソリューション

利点

  • 厳格な電力および性能要件に適合
  • 極めて厳しいPCBスペースの要件にも十分に対応
  • 高集積化と外付けディスクリート部品の削減によって部品点数の削減とPCBの縮小を実現

Bohli Alexander

「マキシムの超小型パワーモジュールのMAXM15462と小型IO-LinkデバイストランシーバのMAX14827Aを使用し、パワーモジュールの高効率とIO-Link PHYの低RONで当社の非常に厳しい消費電力の要件を満たすことによって、最も小型のPCBの設計を実現することができました」。

- SICK AG、エレクトロニクス研究開発部門シニアエンジニア、Alexander Bohli氏

課題

SICKは、世界有数の超小型ToF (Time-of-Flight)光スイッチを開発しています。このスイッチは、わずか8mm × 27.8mmのPCBを使用して17mm × 42mmの小型筐体で提供され、最大1300mmの範囲に及ぶ高精度測定を実現します。同社の光センサーエレクトロニクス開発部門のシニアエンジニアであるAlexander Bohli氏は、小型ToFセンサーの専門家です。SICKの顧客にさらに小型かつ高精度なソリューションを提供するため、Bohli氏と彼のチームは、従来の光ToFセンサーを10%超小型化して新しいスイッチを開発するという課題に取り組みました。この小型化は、同社の顧客が生産ラインに実装する際に必要なスペースと関連コストを削減する上で役立つと考えられます。

こうした目標を達成するため、Bohli氏のチームは、筐体内の小型PCBに適合しながら、センサーの精度、電力損失、より高度なインテリジェンスに関連した要件の厳格化にも対応することができる基盤的なICを必要としていました。

SICKとマキシムは長年にわたって取引関係を維持していますが、SICKの産業用ファンレスセンサーの設計に対しては、アプリケーションごとに最適かつ最も効率的なソリューションを選択することが不可欠です。今回は、SICKのPowerProxファミリに属するWTT4の新しい設計向けに、筐体を最終顧客の設備近傍に設置することができるほど小型化しなければなりませんでした。また、この新しいWTT4設計では、クラス1のレーザーダイオードを使用して50mm~800mm (1kHz時)の信号範囲を実現することも必要でした。

Bohli氏は次のように述べています。「産業用センサーの設計に関しては、サイズと消費電力が常に重要な課題です。高性能な小型センサーを設計する際は特にそうです。たとえば、包装業界のアプリケーションはますます複雑化しており、Industry 4.0の導入に伴ってその傾向が一層強まります。市場では、IO-Linkによって統合し設定することができる超小型センサーが求められています。さらに、従来の小型ToFスイッチに比べてコンピューティング能力が向上すれば、お客様は平均化フィルタ、スイッチングヒステリシス、タイミングなど測定システムの重要なパラメータを設定することができます」。

ソリューションと利点

SICKは、マキシムの42VIN Himalaya µSLICステップダウンパワーモジュール、MAXM15462によって課題に対処しました。このデバイスは、2.6mm × 3mmの小型パッケージで300mAを供給します。また、新しいWTT4向けに、SICKはIO-LinkデバイストランシーバのMAX14827Aを使用しています。このデバイスは、アクティブ逆極性保護を備えた2つの超低電力ドライバを備え、2.5mm × 2.5mmのWLPで提供されます。

「標準的なスイッチングレギュレータはインダクタを必要とし、これは通常、レギュレータ自体よりもはるかに大型です。さらに、ディスクリートインダクタを使用するソリューションでは、複雑な寸法設計が必要になり、PCBレイアウトによる損失が生じる上、電磁干渉も引き起こされます。µSLICデバイスのような高集積モジュールは、PCB面積だけでなくレギュレータとインダクタの最適なマッチングという点でも理想的なソリューションとなり、はるかに優れた効率とEMI性能を実現することができます」と、Bohli氏は説明します。

Bohli氏と彼のチームは、性能、小型化、および総コストに関して最適なバランスを提供するデバイスを探し、さまざまなソリューションを評価した上でマキシム製デバイスの採用を決定しました。「インダクタ内蔵済みのMAXM15462とIO-LinkトランシーバのMAX14827Aを組み合わせることによって、入力回路全体の基板スペースを大幅に削減することができ、その結果、センサー全体を小型化するという当社の目標も達成することができました」と、彼は説明しています。

MAXM15462を新しいWTT4の設計に組み込むことで、SICKはディスクリートインダクタを使用した場合は実現不可能な、約90%の効率とPCBの面積縮小および薄型化を実現しています。レギュレータの寸法設計とその後の適性確認が不要であるため、設計プロセスも短縮されました。

Bohli氏は次のように述べています。「新型WTT4の設計によって、当社は世界最小のToFベース光近接スイッチを提供しています。今回マキシムのチームから得られた支援を踏まえ、もちろん今後の設計でもどのような協力が可能かを検討することになります。指摘したとおり、高集積化による小型化と消費電力の削減が極めて重要です」。

SICK AGは、柔軟性に優れた極めて小型のプログラマブル光センサーを設計しました。このセンサーは、インダクタ内蔵300mAパワーモジュールのMAXM15462と、IO-Link PHYのMAX14827Aを内蔵しています。写真提供:SICK AG SICK AGは、柔軟性に優れた極めて小型のプログラマブル光センサーを設計しました。このセンサーは、インダクタ内蔵300mAパワーモジュールのMAXM15462と、IO-Link PHYのMAX14827Aを内蔵しています。写真提供:SICK AG