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E系列の値の退屈な計算に「もうやめた」と言おう

2020年4月7日

Dwight Larson 筆者:Dwight Larson
マキシム・インテグレーテッド、アプリケーション担当テクニカルスタッフ主要メンバー


たぶん皆さんお馴染みの状況だと思いますが、設計作業の中で、基板上に配置する部品の構想を練っているとします。抵抗、コンデンサ、インダクタが必要になります。そのため、(E系列の標準数として有名な)標準的な部品の値の計算という、あの退屈な(にもかかわらず人手による)作業に取り組む必要があります。プロジェクトの中で、決して面白いとは言えない部分です。

そろそろ、これらの手計算に「もうやめた」と言うべきだと思います。私たち全員が少しでも時間を節約するために役立つよう、理想的な部品の値を最も近い標準値に変換するカスタムスプレッドシート関数を提供するMicrosoft Excel用のE系列Visual Basicアドインファイルを作りました。手計算はもうやめて、自分でルックアップ関数を作ったりExcelをプログラムする必要もありません。単にファイルをダウンロードすれば、インストールされます。このブログ記事では、このアドインの使い方についてもう少し詳しく説明します。

なぜE系列はそれほど重要なのか?

私たちがE系列を使う理由について考えたことはありますか?少し背景を説明する方が良いかもしれません。E系列は、電子部品用の標準値の体系です。これはE3、E6、E12、E24、E48、E96、およびE192系列で構成され、Eの後の数値は各系列の1桁当りの値の数を示します。任意の値の部品を生産することは可能ですが、E系列は部品の精度に応じた形の拡大縮小で提供部品の数を管理可能な量に制限することによって、ベンダーの在庫および回路設計のプロセスを簡素化します。

たとえば、E96の表には1桁当り96の値があり、±1%またはそれ以内の許容誤差の部品に使用されます。あらゆる任意の値に対して、±1.2%以内のE96値が存在します。これによって、適度に良好な一致が提供されるとともに、冗長性および隣接する値の間の許容誤差の重なりも防止されます。

より緩い許容誤差の部品は、通常はより粗い表に従って仕様が規定されます。許容誤差5%の抵抗は、通常はE24の表に従った1桁当り24段階の値で提供されます。

私が作成したExcelアドインは、任意の部品値を最も近い標準E系列値に変換するカスタム関数を提供します。

任意の部品値を最も近い標準E系列値に変換する作業は、このためのカスタム関数を提供するExcelアドインによって、手作業での処理が不要になります。任意の部品値を最も近い標準E系列値に変換する作業は、このためのカスタム関数を提供するExcelアドインによって、手作業での処理が不要になります。

Excel PMBusアドインのインストール

E系列カスタム関数アドインは、カスタム関数をMicrosoft Excelに提供します(図1)。このアドインを永続的にExcelに追加するには、以下の手順に従ってください。

  1. .xlamファイルをC:\Users\first.last\AppData\Roaming\Microsoft\AddIns\フォルダに配置します。
  2. Excelを起動します。
  3. Fileタブをクリックし、次にOptionsをクリックします。Excel Optionsダイアログボックスが表示されます。
  4. Add-insカテゴリをクリックします。ManageドロップダウンリストでExcel Add-insをクリックし、次にGoをクリックします。Add-insダイアログボックスが表示されます(図1)。
  5. Add-ins availableボックスで、有効化したいアドインの隣のチェックボックスをオンにして、OKをクリックします。
  6. 最適な動作の互換性を確保するために、Microsoft Excel Trust Centerで必要な調整を行ってください。

    図1. E系列関数「Excel Options」ダイアログボックス図1. E系列関数「Excel Options」ダイアログボックス

  7. アドイン関数がスプレッドシートに常に表示されない場合は、.xlam アドインファイルのコピーをC:\Users\\AppData\Roaming\Microsoft\Excel\XLSTARTフォルダに配置してください。

アドインカスタム関数の使用

このアドインは、1つの新しいカスタム関数のみを備えています。この関数は、次式に基づいて十進数から標準E系列値への変換を行います。

=ESERIES(value,[series],[rounding])

  • 十進数を最も近い標準E系列値に変換します。
  • 引数:
    • value:標準部品値に変換したい任意の十進数です。
    • series (オプションの引数):どのE系列か、より具体的には、1桁当りの数値の数を指定する整数です。1桁当りの段階を示す任意の整数を使用することができますが、標準IEC系列はE3、E6、E12、E24、E48、E96、およびE192です。系列を選択するには、その系列の1桁当りの値の数を示す整数のみを入力します。たとえば、E24値に変換するには、「series」引数に24を入力してください。series引数が指定されない場合、E96の表が使用されます。
    • rounding (オプションの引数):ブール値で、0 = 数値丸め、1 = 対数丸めです。roundingが指定されない場合、デフォルトは最も近い標準値への単なる数値丸めです。たとえば、非標準値の3.43Ωは数値丸めでE3の表の2.2Ωに変換されますが、「rounding」を1またはTRUEに設定して対数丸めを指定した場合はE3の表の4.7Ωに変換されます。

詳細

抵抗およびコンデンサの標準数列の詳細については、国際電気標準会議(IEC)のIEC 60063:2015を購入してください。

商標

ExcelはMicrosoft Corporationの登録商標です。