RS-485が大幅にパワーアップ!

2019年8月22日

Michael Jackson 筆者:Michael Jackson
 主席ライター、マキシム・インテグレーテッド 


こんにちは、Michaelさん。

私は最新の産業コントローラ用にRS-485インタフェースを設計するように言われました。まだ厳密な仕様は受け取っていませんが、「可能な限り最長の距離」で「可能な限り高速」にする必要があると聞いています。私はまだ大学を卒業したばかりで、このインタフェースについてあまり詳しくありません。実際にどんなものかを把握することができるように、いくつか質問に答えて頂けないでしょうか? (匿名希望)

こんにちは、匿名の新入社員さん。

短距離走者がオリンピックのマラソンに出場することを期待する人はいません。また、長距離走者が100m走に出場することを期待する人もいません。RS-485の優れた特長の1つは、常に両方をこなす能力を備えていることです。短い距離でより高い速度を提供する「短距離走者」と、より低速でより長い距離に対応する「長距離走者」との切り替えが可能な柔軟性を備えているのです。しかし、両方を同時にこなす能力は、これまではありませんでした。この先を話す前に、あなたの質問にできる限りお答えしましょう。

RS-485は古い規格です。今でもどこかで使われているのですか?

そのとおりです。RS-485は20年以上にわたって使われてきました。RS-485は、産業環境での機器間の信号伝送に広く使われています。

なぜこれほど長く生き延びたのですか?

差動という特性のため、ノイズ耐性が高く、過酷な工場やその他の産業環境におけるノイズの多いすべての電気的/磁気的フィールドで優れた性能を示すからです(図1)。

図1. 産業制御システム図1. 産業制御システム

速度はどのくらいですか?

当初の規格は、最大10Mbpsの速度および最大1.2kmの距離で動作するように定義されましたが、両方同時ではありませんでした。最大データレートは、比較的短い距離(10m~15m)でのみ達成可能でした。

速度/距離のトレードオフはどのようなものですか?

大まかな計算として、データレート(単位:ビット/秒)と距離(単位:m)の積が1 × 108を超えてはいけません。

しかし、10Mbpsよりはるかに高速で動作するRS-485トランシーバを見たことがあります。

そのとおりです。設計者たちは当初の仕様を大幅に上回る規格を追求しており、最大40Mbpsで動作するRS-485トランシーバも珍しくありませんが、このような速度は数十mの距離でのみ達成可能です。

それの何が問題なのですか?

工場が大きくなるほど、ケーブルの距離は長く(100mまたはそれ以上に)なります。RS-485の説明で述べたように、これまでは距離が長いほどデータレートが低下していましたが、もはやそれを許容する人はいません。

ということは、もうRS-485の時代は終わりですか?

まったくそうではありません。新しいRS-485トランシーバICのMAX22500E (図2)は、これまでRS-485で達成可能なものとして受け入れられていた現状を文字どおり変化させ、少なくとも1桁向上させました。このデバイスは、100Mbpsという前例のないデータレートを10mのCat5eケーブル上で達成可能です(しかも、ケーブルの選択によってはさらに長い距離で達成する可能性を備えています)。

図2. MAX22500Eのファンクションダイアグラム図2. MAX22500Eのファンクションダイアグラム

このレベルの速度はそれだけでも注目に値しますが、図3のアイダイアグラムでわかるように、MAX22500Eは100mのケーブル上で最大50Mbpsの速度で問題なく動作可能です。

図3. 100mのCat5e上で50Mbpsで動作するMAX22500E図3. 100mのCat5e上で50Mbpsで動作するMAX22500E

どのようにしてそれが可能なのですか?

プリエンファシスと呼ばれる巧妙な手法を使用しており、ケーブル長によって(必要に応じて)イネーブルまたはディセーブルすることができます。

他にはどんな能力がありますか?

このICは保護機能を内蔵し、ESDに対する耐性を高めています。これには、-15V~+15Vのコモンモード範囲、±15kVのESD保護(ヒューマンボディモデル)、±7kVのIEC 61000-4-2気中放電ESD保護、±6kVのIEC 61000-4-2接触放電ESD保護、およびドライバ出力の短絡保護などがあります。このデバイスは3V~5.5Vの電源範囲で動作し、従来のシステムとの互換性を維持しています。また、最小1.6Vの低電圧ロジック電源で動作するため、電圧変換不要で低電圧マイクロコントローラと容易にインタフェース可能です。

素晴らしいですね。他には何かありますか?

はい。MAX22500Eのバリエーションで、プリエンファシスを備えていないものがMAX22501Eという型番で提供されています(同じような距離を必要としないアプリケーション向けです)。ファミリーのもう1つの製品であるMAX22502Eは、必要に応じてフルデュプレックスデータ転送を提供します。

当分の間はRS-485の活躍が続きそうですね。

よく言われるように、「壊れていないものを直そうとするな」ということです。

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