ジェダイマスター – サイバーフィジカルシステム*と産業コンバージェンス**

2018年2月8日

筆者:Jeff DeAngelis
ビジネスマネージメント担当マネージングディレクター、マキシム・インテグレーテッド


*サイバーフィジカルシステム(CPS):フィジカル空間(実世界)にある様々なデータをセンサー等で収集し、サイバー空間で分析することによって問題の解決を図るもの
**産業コンバージェンス:産業間の垣根がなくなり新しい産業へと収斂されること

昔ながらのエンジニアがサイバーフィジカルシステムについて説明すると、「ループを閉じる」や「制御システム理論」という語句が何度も出てくるかも知れません。しかし普通の人にとっては、フォースを扱うジェダイマスターの方がもっと分かりやすいイメージを与えてくれます。シンプルな思考を通してフォースを操るあのスターウォーズのアイコン的なジェダイマスターのヨーダは、究極のサイバーフィジカルシステムを最も良く表しています。

これは、周囲の環境が日常生活での振る舞いや結果としての動作に影響を与える「コネクテッドワールド」の概念です。簡単に言うと、「実行または観測されたすべての動作が、あらゆる人や物の成り行きにシームレスに影響を与える」ということです。このサイバーフィジカルシステムの統一的な概念は、産業コンバージェンスを支える推進力になっています。

図1:フォースを操るジェダイマスターのヨーダは、サイバーフィジカルシステムを良く表しています。

Boston Dynamicsのロボットは、サイバーフィジカルシステムと産業コンバージェンスを示す好例です。同社のロボットは、周囲の環境に反応するためのセンサーを内蔵しています。ロボットはこの情報を収集し、複雑なアルゴリズムを介してその意味を解釈します。それらのアルゴリズムは、一連のモータおよびアクチュエータを介した動作によって反応し、信じられないようなバランス、動き、協調動作をロボットに与えます。簡単に言うと、これらのロボットは環境に動的に適応して、自分に与えられた仕事を確実に完遂します。多くの点で、これらの先進的ロボットは産業コンバージェンスの目標を体現しており、世界中の製造企業がそれを真似ようとしています。生産ラインが環境に適応し、人手の介入なしに作業が完遂されれば、製品の高い品質を維持するために役立ち、1日24時間365日の継続的な生産ラインの稼働が確保されます。このレベルの性能を実現するためには、俊敏で、内蔵の自律性と自己認識を備えて環境の変化に対応する、新しい世代の機器が必要です。

この「コネクテッドワールド」の実現を目標に、インダストリアルIoT、通信、柔軟なI/O、電源、およびセキュリティを介してクラウドを実現する俊敏なソリューションを提供することによって、マキシムはデザインイノベーション促進の取り組みを続けています。これによって、マキシムは産業コンバージェンスへの道筋を現実のものにしています。2014年に、マキシムはPLCの実装面積を1/15に小型化し、意思決定と制御をより生産ラインの間際に移動することが可能なmicro-PLCデモプラットフォームの形で、第1世代の産業制御チップセットを発表しました。2016年に、マキシムは第2世代の産業制御チップセットをPocket IO PLCデモプラットフォームの形で提供し、小型サイズ(10立方インチ以下)で適応型生産の力を示すとともに、iPadを介した工場の制御を提供しました。Industry 4.0への新しい道筋を開くこの成果は産業界に認められ、Electronics Products誌の年間最優秀インダストリアルIoT製品賞を受賞しました。

Pocket IO PLC開発プラットフォーム

図2:MAXREFDES150#として知られるPocket IO PLC開発プラットフォームは、ファクトリーオートメーション/ビルオートメーション、ロボット制御、産業制御などのアプリケーションに最適です。

ここで気になるのは、「この11月に開催されるElectronica 2018で、マキシムは第3世代産業制御チップセットおよびデモプラットフォームの形で何を市場に提供するのか?」ということです。今はまだあまり詳細について明かすことはできませんが、マキシムの新しいインダストリアルIoTプラットフォームは以前のプラットフォームよりもさらにインスパイアさせるもので、産業コンバージェンスへの道筋に沿って次の一歩を踏み出すために必要な推進力を提供します。

今のところは、誰もが産業コンバージェンスの裏にある真の意味を思い出すように、「フォースと共にあらんことを」の言葉をお贈りするのみとします。