センサー/マスターの設計入門書、IO-Linkハンドブック

2017年9月28日

Christine Young 著者:Christine Young
ブロガー、マキシム・インテグレーテッド 


ノースカロライナ州ダーラムには、トヨタのトランスミッションを生産する最大の拠点があります。ここでは、AW North Carolina (AWNC)工場が、カムリ、RAV4、セコイア、タンドラ、およびタコマの各車種用に毎年60万台以上のオートマチックトランスミッションを生産しています。Internet of Things Instituteは、同工場が「120万ドルをかけたITネットワークのオーバーホールによって、未来の製造業の縮図になるかもしれない」と説明しています。

AWNC工場の刷新以前、同工場のネットワークは月に1回ほどシャットダウンし、平均2~4時間にわたって生産が中断していました。1時間の操業停止は、およそ27万ドルの収益喪失に相当します(しかもこれには、従業員の給与および保守作業に関連するコストは含まれていません)。しかし、保守が軽減されたことによって、同社はITネットワークのオーバーホールに費やした120万ドルのうち100万ドルを最初のわずか9か月で取り返しました。

目覚ましいROI (投資利益率)の他にも、AWNC工場はスマートファクトリー技術によって製造がどこに向かっているかを示す例になっています。生産効率の向上とともに、同工場は人員を増やして生産量の増大に対応してきました。予測的保守能力の向上によって、工場のロボットの大幅な稼働停止の短縮が約束されます。また、工場の自動化によって国内回帰の動きが加速し、より労働コストの低い場所への海外移転ではなく、より顧客や研究開発チームに近い場所に生産施設を配置することが可能になっています。

IO-Linkプロトコルは、柔軟な生産を可能にすることによって工場のスループットと操業効率の向上に寄与している技術の1つです。このプロトコルを介して、従来のセンサーはインテリジェントセンサーになり、技術者を工場のフロアに派遣してセンサーの交換や再較正を行う必要がなくなります。その代わりに、ユーザーはライン上の他のセンサーの健全性と状態に関するリアルタイムデータ、およびセンサーが実行することになっている生産操作に基づいて、リモートでセンサーの設定を変更することができます。

IO-Linkおよび関連するソリューションについての知識を深める手助けとして、マキシムはIO-Link®ハンドブックを制作しました。このハンドブックには、6つの主要なセクションがあります。セクション1ではIO-Linkの概要を示し、物理層(PHY) IO-Link標準規格コネクタと電気的仕様および産業用センサーのエコシステムについて説明します。セクション2はIO-Link環境についての知見を提供し、データリンク層、データタイプ、マスター-デバイス間通信などについて取り上げます。セクション3では、設計上の考慮事項およびスマートセンサーの設計の特長を含む、IO-Linkセンサーの設計のヒントを示します。セクション4はIO-Linkマスターの設計の全貌を紹介し、セクション5は電磁環境適合性要件への対応によってシステム性能を向上させる方法を取り上げます。最後に、セクション6では、マキシムの各種IO-Linkソリューションについての情報を提供します。次のIndustry 4.0設計を検討する際には、必ずIO-Linkハンドブックで設計を強化する技法を確認してください。

ファクトリーオートメーション
人とロボットの協業によって、生産はより効率的になっています。