ファクトリーオートメーションはどのようにリショアリング(製造の国内回帰)を支えることができるか

2017年11月2日

筆者:Jeff DeAngelis
マキシム・インテグレーテッド ビジネスマネージメント担当マネージングディレクター


2012年以来、積極的に生産を米国に戻している企業の数は250%増加しました。64%はより顧客に近づくためにリショアリングを進めており、一方76%はサプライチェーンを短縮するために行っています。2010年以来、米国の製造業部門が43万人の雇用を追加してきたことは、完全な回復からは程遠いものの、前進であることは確かです。

上記の詳細データは、サンディエゴ大学サプライチェーンマネージメント研究所と共同で、生産とサービスを米国に戻したいと考える企業向けに調査、情報、およびサポートを提供している非営利組織のReshoring Instituteによるものです。マキシムは、企業のリショアリング推進の動機となる生産効率を実現する技術を提供しているため、私は彼らの作業に関心を持っています。

お客様の競争力強化に役立つ技術に取り組むのは楽しい仕事です。マキシムでは、Industry 4.0の動向が始まったときに、ファクトリーオートメーションにおける自社の役割の検討を開始しました。私たちは、「公平な場所を提供して工場の生産性と競争力を高めるために、どんな協力ができるだろうか」と自問しました。

Industry 4.0の出現までに、すでに多数の企業がより低コストの生産環境を求めて米国やヨーロッパを去っていました。Industry 4.0の要点は、生産性の向上、ライン上の潜在的な障害を迅速に検出することによる工場のダウンタイム削減、および工場設備の稼働中の設定変更を可能にすることによる多品種の製品生産の実現です。IO-Link®技術は、インテリジェントセンサーを介して適応型の生産(および生産性の向上)を実現します。ここで登場するのがマキシムのPocket IO PLC開発プラットフォームで、Industry 4.0への道を拓きます。Pocket IOプラットフォームはMAXREFDES150#とも呼ばれ、基本的には占有容積が10立方インチ以下のリファレンスデザインでありながら、一連のアナログおよびデジタルセンサーと通信し、収集した情報に基づいて決定を行い、リレーの駆動、バルブの開閉、またはモーターの制御によって適切な動作に変換する機能を備えています。産業環境では、通常は工場のスペースに厳しい制約があり、冷却ファンの不足のため、電力効率と発熱の低減が不可欠です。小型のPocket IOプラットフォームは、デジタルおよびアナログ入出力、通信技術、およびIO-Link技術を含む30のIOを内蔵しています。情報処理を機器の近くに移動することによって、オペレータは工場のラインがどれだけ効率的かをリアルタイムで判断し、効率を最大化するために必要に応じて機器を再設定することができます。

Pocket IO PLC開発プラットフォーム

Pocket IO PLC開発プラットフォームは、ファクトリー/プロセスオートメーション、ビルオートメーション、ロボット制御、およびその他多数のアプリケーションで使用することができます。

よりスマートな産業制御システムによる生産性の向上

自動車、ミキサー、冷蔵庫、あるいは自動販売機のいずれを取っても、それぞれ産業制御システムに依存しています。産業界では、非常に高い電圧で動作するモーターを扱います。マキシムのデバイスは堅牢で、80Vプロセス技術によって静電気放電(ESD)および過電圧の発生に耐えることができます。このレベルの信頼性は、機器が1日24時間、週7日、年365日動作する必要がある産業環境では非常に重要です。マキシムはデバイスを保護するのみではなく、機能の点でも常に革新を続けています。それは、私が15年前にマキシムに惹き付けられた側面の1つであり、創造的で、革新的なアナログ設計を行い、独自のプロセス技術を開発する能力です。従来の製品と比較して、Pocket IOプラットフォームは30%低い消費電力を40%の小型実装面積で提供します。このプラットフォームはElectronic Productsの2016年度最優秀製品賞を受賞し、最近ではECN Impact Awardの「ボード、モジュール、およびエンベデッドシステム」部門で2位に選ばれました。

マキシムは、先進的ファクトリーオートメーションソリューションのポートフォリオの拡張を続けています。最近では、デュアルチャネル、IO-Linkマスタートランシーバの MAX14819を発表しました。MAX14819はIndustry 4.0アプリケーション用の堅牢な通信を確保し、他のIO-Linkマスターソリューションに比べて発熱を50%も低減します。

産業分野はリスクに挑戦するという点で保守的というのが常でした。そのため、マキシムがPocket IOプラットフォームなどのソリューションを提示すると、産業分野のお客様は驚き、既存の枠に囚われない考え方をするようになります。その多くは、電力効率に優れたマキシムのアナログプロセス技術に帰着し、言うまでもなく産業分野のお客様が所定の生産スペースにより多くのロボットを設置することが可能になっています。

確かに、私たちが今目にしているリショアリングに向かう勢いの多くは、ローカル生産の効率と競争力をもう一度高める技術が利用可能になったことによるものです。リショアリングに関する知見については、Reshoring Instituteの論文「Welcome to the Smart Factory」をご覧ください。