車載設計用の最適なパワーマネージメントICを選択する

2017年8月3日

著者:Christine Young
ブロガー、マキシム・インテグレーテッド


データセンターのサーバープロセッサは、1つで200~450Wを消費する場合があります。データセンターは温度管理された環境で、それらのサーバーは冷却機能を備えた設計になっているため問題ありません。しかし、そのサーバーが自動車の中に置かれ、125℃またはそれ以上に達する広い周囲温度範囲だとしたらどうでしょう?

先進運転支援システム(ADAS)やインフォテイメントなどのアプリケーションは常に車載プロセシングパワーの増大を要求するため、車載システムの設計者はこの課題に直面しています。たとえば、これらのニーズに対応するために、NVIDIAはEngadgetが「液冷式車載スーパーコンピュータ」と呼んでいる製品を発表しました。同社のDrive PX 2チップは150台のMacBook Proと同等のパワーを提供し、12のCPUコア、8テラフロップス相当の処理能力、および毎秒24兆回の演算を達成する能力を備えています。このすべてのパワーは、ディープラーニングを含む高度なアルゴリズムの実行と、自動車がより多くのことを自律的に行うための計算に必要なものです。

データセンターのサーバーは十分な冷却能力を備えていますが、自動車ではそれが課題になります。前述のNVIDIAチップの例で使用している液冷方式は、チップ上のマイクロ流体チャネルを介して供給される冷却液によって動作温度を低減する方法を提供します。すでに、新しい世代の車載プロセッサは60~90Wあるいは100Wの電力を必要としています。それらは本質的に自動車内のサーバープロセッサです。その結果、自律的な自動車のレベルが上がるとともに、車載プロセッサの電力要件はさらに高まる一方です。これは、車載パワーマネージメントIC (PMIC)が重要な役割を果たし、固有の要件への適合が期待されることを意味します。

自律走行車自律走行機能によって自動車のパワーマネージメントはさらに重要性を増しています。

熱的制約への適合とEMIの最小化の両立

例として、車載インフォテイメントシステムを考えます。これらのタイプのシステムをサポートするPMICは、ソリューションサイズを最小化するために高いスイッチング周波数を提供する必要があります。また、電磁干渉(EMI)は自動車の多くのサブシステムの性能に大惨事をもたらすため、EMIを最小限に抑えることも重要です。これらのPMICは、通常はメインの車載バッテリに接続されます。このような接続形態が使用されるため、これらのデバイスは高い入力電圧(36V以上)に耐えることができるとともに、自動車の寿命全体にわたってロードダンプ発生時に高信頼性で動作する必要があります(このバッテリ関連の現象は、一般的に個別の回路によって管理されますが)。車載PMICは、非常に特殊な負荷過渡要件(通常は半負荷から全負荷まで1µs以内)に加えて、熱に関する要件および制約にも適合する必要があります。

IC電圧レギュレータについて考えてみましょう。レギュレータは、通常はバッテリ主電源に直接接続され、サージおよび過電圧プロテクタをすり抜けた過渡に対処するために28VDC~40VDC定格になっています(バッテリに直接接続されない下流のレギュレータの場合は、高電圧入力仕様は不要です)。高効率(全負荷時の効率が90%以上)で低自己消費電流のスイッチングレギュレータは、バッテリ寿命の延長に役立つとともに、発熱が少なく、占有する基板スペースも小さくなります。この2つは、車載アプリケーションにとって重要な基準です。

マキシムは、任意のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラとの組み合わせで動作する車載認定PMICの広範なポートフォリオを提供しています。これらのデバイスは、増大する電力要件に対応するとともに、効率、ソリューションコスト、および実装面積に関する自動車メーカーの仕様も満たすように考案されたロードマップによって支えられています。車載設計のパワーマネージメントの課題に直面したときはお問い合わせください。マキシムのPMICが課題への対応にどのように役立つかご検討ください。詳細については、マキシムのアプリケーションノート「Auto Radio Head Units: More Demands, Harsh Environment Drive Need for Sophisticated Power-Management ICs」も参照してください。