まさに必要な処方箋:車自体とあなたの状態を監視する自動車

2016年12月8日

Paul Golata 著者:Paul Golata
シニアテクニカルコンテンツスペシャリスト、Mouser Electronics


私にとって重要な日が急速に近づいています。この記事をお読みになる頃には、もうその日が来て、通り過ぎているでしょう。私は昨日、博士論文口頭試問の前に行われる最終面接を受けてきました。

私が書いた論文は先進技術の分野に関するもので、具体的には倫理と人工知能(AI)/人工超知能(ASI)の関係がテーマです。私は当然ながら神経質になり、うまく行くことを祈っていますが、ご想像どおり、この日が近づくにつれて、頭の中はAIの探求に費やしたこの2年間のことで一杯になっています。

自動車におけるトレンドの1つはAIによる自律走行の実現で、緊急事態における衝突前の停止や、すべての人にとってより少ないリスクと危険での目的地への到着が可能になります。これを実現するには、各システムが制御、監視、および検知を備える必要があります。

口頭試問の予備面接が終わって帰宅すると、妻が待ち構えていました。友だちが救急救命室に入っていると連絡があったのです。病院に駆けつけると、彼女は胸の痛みを訴えており、担当の看護師が心筋酵素検査のために採血していました。酵素のレベルの高さによって、医師は心臓で心停止(心臓麻痺)などのストレスが発生したかどうかを判断することができます。幸い、検査結果には問題がなく、彼女は症状を抑えるための鎮痛剤を与えられ、以後のフォローアップのために一般開業医にかかるようアドバイスされました。痛みを感じたとき、彼女が救急救命室に直行してくれて良かったと思いました。体に何か異常があると、私たち人間はそれを感じることができる場合が多く、すぐに治療を受けることができて幸いです。

私自身はと言うと、来週のことが心配で少し心拍数が上がってしまい、夕べは良く眠れませんでした。

自動車にもっと人間を意識させる

数週間前、私のデスクにマキシムのMAXREFDES117#リファレンスデザインが届きました。これは救急救命室の心臓酵素検査器ではなく、赤色およびIR LEDと電源を内蔵した、完全な低電力、光心拍数モジュールです。その中心となるマキシムのパルス酸素濃度計および心拍数センサーのMAX30102は、心拍数の計測と、人間の酸化ヘモグロビンの測定値である動脈血酸素飽和度(SaO2)の推定を行うアルゴリズムも備えています。マキシムおよびその他の主要半導体サプライヤは、将来のウェアラブル機器に使用される小型モジュールの開発に全力で取り組んでいます。図1に示すような生体センサーは、自動車がより人間を意識することができるように、車載アプリケーション用に研究されているアプリケーションの1つです。

図1. MAXREFDES117#:赤色およびIR LEDと電源を内蔵した完全な心拍数およびパルス酸素濃度モニタ。この小型ボードはウェアラブルプロジェクトに最適です。

私が次に自動車を買うとき、ハンドルを握ると心拍の測定ができるようになっている可能性はあるでしょうか?自動車メーカーは、隣りに最愛の人が座っているかどうか、あるいは前方の空いた道路を飛ばすチャンスに興奮しているかどうかを知りたいわけではなく、顧客の安全性、快適性、および利便性を高める新しい方法を求めています。生体センサーは、人間と機械が実用的な形で相互動作し、人間の状態を自動車の応答および性能に取り入れる新しい機会を実現します。

自動車が調子を伝えることができるとしたら?

次に、自分の痛みを伝えることができる自動車を想像してみてください。この自動車は技術的に非常に進んでおり、バッテリが動作していない場合や、フェンダーが凹んでいる場合に、それを伝えることができます。修理のため、自動車は新しいバッテリやフェンダーを自動的に請求し、3Dプリントされた部品が送られてきます。そのために、この自動車は高度な監視と検出を備える必要があります。

これを実現するには、数千の新しい電子部品を開発し、収集、分析、および対応が必要な膨大な量の情報とデータを処理する必要があります。自動車全体にわたって電子信号の正常な伝達を維持するために要求レベルで電力および処理パラメータを監視する、革新的なマイクロプロセッサ監視回路ソリューションが必要です。さらに、新しいセンサーソリューションは、搭乗者を含む自動車の周囲からのアナログ状態を検出し、顧客の体験を充実させるために使用可能な新しいレベルの入力を提供します。赤い「エンジン警告」ライトは過去のものになり、将来のドライバーが目にするのは重要なパラメータが常に表示される継続的なリストになる一方で、自動車自体が適切なアドバイスを行い、ドライバーにさまざまなメッセージを送ることによって是正処置を実施します。

自動車設計の核心を突くためには、自動車自体の状態以外も監視する、よりスマートな自動車を作る必要があります。また、それらの自動車は、搭乗者を含むすべての情報源からの直接フィードバックを統合する方向に進みます。将来の先進的自動車技術は、私たちのことを心に刻み始めます。

Paul Golata氏は、2011年にMouser Electronicsに入社しました。Golata氏は、シニアテクニカルコンテンツスペシャリストとして、先進技術関連製品に関する戦略的リーダーシップの推進、戦術的執行、および製品ラインとマーケティングの全体的管理などの成功に貢献する責任を負っています。Golata氏は、有力ディストリビュータとしてのMouser Electronicsを促進し強化する、ユニークかつ貴重な技術的コンテンツの作成を通して、設計エンジニアに最新の情報を提供しています。Mouser Electronics入社前は、Hughes Aircraft Company、Melles Griot、Piper Jaffray、Balzers Optics、JDSU、Arrow Electronicsの各社で、製造、マーケティング、および販売関係のさまざまな職務に就いてきました。Golata氏は、デブライ工科大学(イリノイ州シカゴ)で電子工学の理学士号、ペパーダイン大学(カリフォルニア州マリブ)で経営管理学修士号、サウスウェスタン・バプティスト・ティオロジカル・セミナリー(テキサス州フォートワース)で神学教職修士号(法学士号を含む)を取得しています。Golata氏への連絡は、paul.golata@mouser.comまで。