アリにもスマートシティがある—私たちに作れないはずがあろうか?

2017年3月7日

Christine Young 著者:Christine Young
 ブロガー、マキシム・インテグレーテッド


スマートシティを推進する要因(効率的な資源の使用、持続可能性、復元力)は、新しいものではありません。それどころか、人間に固有のものでさえありません。アリネット(anternet)をご存じですか?スタンフォード大学でアリを研究している生物学者とコンピュータ科学者が、餌を探し回るときの収穫アリの行動に、インターネットのデータトラフィックを管理する伝送制御プロトコル(TCP)アルゴリズムとの類似性があることを発見しました。菌糸のインターネットはどうでしょう?研究者たちは、植物の王国をリンクし、情報と栄養素の共有や、邪魔な植物の生育を妨害するための毒素の放出さえ可能にしている菌糸ネットワークについて記述しています。

私たち人間は、自分たちで思うほど独創的ではないかも知れません。しかし、スマートシティを稼働させるには、明らかにエンジニアリングの才能が必要です。そして、これらの都市が対応する必要のある課題は複雑さを増していると、DesignConでの2月1日の講演で、ARMのIoTソリューション責任者であるAniruddha Doedhar氏は語りました。

ARM、IoTソリューション責任者、Aniruddha Doedhar氏

Doedhar氏によると、2050年には世界の人口が97億人になり、その3分の2は都市部に住むことになります。この急速な都市部の拡大を支えるには、資源の制約から汚染や気候変動まで、幅広い問題に対する対策が必要になります。「ほとんどの近代都市は、何らかの水域の上に存在します。何も対策を取らないと、それらすべての都市が気候変動による悪影響に直面するでしょう」と、Doedhar氏は言います。

都市の対応力、持続可能性、住人にとっての快適性を向上させる機会は豊富に存在すると、Doedhar氏はコンファレンスの出展者ホールでChipHead Theater に集まった聴衆に語りました。1つの例として、「新しい時代のIoT機器が多数登場している一方で、高齢者にとっての移動のしやすさ、健康、および情報へのアクセスの向上という面で、多くの作業が(現在進行形で)行われています」と彼は説明しました。

コペンハーゲンは、スマート化の最先端にいる都市の好例です。同市の目標は、2025年までに世界初のカーボンニュートラル(排出量と吸収量の差がゼロ)な首都になることです。気候変動の影響に対処するため、コペンハーゲンはすでに統合交通/サイクリングプログラムや新しい地域冷房システムなどの持続可能都市ソリューションの適用を開始しています。

小型、セキュア、多用途のセンサーが必要

スマートシティを構築するための作業の多くは、センサーや計測器を通して集められた情報を介して発生します。どのように実現するのでしょう?アナログから開始して、デジタル要素を追加し、最適なタイプのセンサーを選択します。Doedhar氏は、以下に基づいてセンサーを評価することを推奨しています。

  • サイズ—多くのモノのインターネット(IoT)の設計にとって小型化は必須
  • セキュリティ
  • 効率—たとえば、一部のセンサーは環境光からのエナジーハーベスティングが可能
  • 汎用性—ゴミ箱から信号機や自動車まであらゆるものにセンサーの内蔵が必要

現在、IoTの最良の潜在的機会は、家庭、工場、小売店、都市、ビルなどの構築環境にあります。都市の境界内に数百万のセンサーが分散配置される可能性があることを考えると、機器の管理は重要な検討事項です。エネルギー効率とセキュリティも非常に重要です。センサーから見ると、消費電力のほとんどはデータを送信するワイヤレスリンクで発生します。そのため、スマートシティ作りに携わる(ソフトウェアとチップの設計者を含む)関係者は、よりセキュアで、電力効率に優れたセンサーを開発するために作業しています。

ARMは、低電力アーキテクチャ、階層型セキュリティ方式、およびハードウェア/ソフトウェアベンダーの強力なエコシステムを通してIoT分野に価値をもたらしていると、Doedhar氏は説明します。たとえば、ARM® mbed IoT Device Platformを使用したスマート照明の配備によって、サンディエゴだけで年間25万ドルの節約になると予想されます。

センサーノードを保護するIoTリファレンスデザイン

マキシムも、IoTの設計をサポートするソリューションを提供しています。たとえば、MAXREFDES143# IoTエンベデッドセキュリティリファレンスデザインは、認証とウェブサーバーへの通知によって産業用センサーノードを保護します。このリファレンスデザインは標準シールドコネクタを備えているため、MAX32600MBED#などのmbedボードを使って直ちにテストを行うことができます。

「スマートシティを推進するニーズは、何世紀にもわたって存在しました。さらに、自然界には非常に長い時間存在してきました」と、Doedhar氏は言います。しかし今では、都市を真にスマート化するための技術が利用可能です。