小型、バッテリ駆動電子機器の動作時間を延長する4つの方法

2018年10月4日

Christine Young 筆者:Christine Young
ブロガー、マキシム・インテグレーテッド


ゲーム機、ファクトリーオートメーションシステム、スマートホームスピーカー、およびポータブルツールに共通するものは何でしょう?これらはすべて、シングルセルリチウムイオンバッテリによって給電される電子機器の例です。そのため、これらの小型形状の製品で、バッテリ容量を増やすことなくバッテリ寿命を延長するという困難な課題が設計者に課せられます。

これらの製品のユーザーは、小型サイズを受け入れるとともに、これらの機器が次の充電まで長時間持続することを期待します。この期待があるため、設計者は信頼性の高いDC電力を最終製品に供給する電源の厳格な要件を満たすスイッチング部品を探さねばなりません。理想的には、シングルセルバッテリを使用する小型電子機器の電源部品は、以下の4つの主要な基準を満たす必要があります。

  1. 小型サイズ
  2. 高効率
  3. 低発熱
  4. 低自己消費電流

電源部品を評価する場合、自己消費(またはスタンバイ)電流の役割を見過ごすことはできません。これらのバッテリ駆動機器の多くは、何らかの周期的な動作によって起動してタスクの実行やクラウドへのデータ送信を行うまでは、スタンバイモードになっています。一般的にはごくわずかの量ですが、電源の自己消費電流は通常はシステムのスタンバイ消費電力の最大の要因になっています。したがって、低自己消費電流のスイッチングレギュレータを使って電源を設計することは、小型電子機器のバッテリ寿命を延長するための良い方法です。

図1: ワイヤレススピーカーとスマートフォンは、高効率バックコンバータの恩恵を受けることができるシングルセル、リチウムイオンバッテリ駆動の機器の例です。

新しい高効率バックコンバータ

シングルセルリチウムイオンバッテリの出力電圧は、一般的に3.0V~4.2Vの範囲です。目的の電圧レールがこの範囲以下の場合は、バックコンバータが安定した電圧レールの確保に役立ちます。マキシムは、シングルセルリチウムイオンバッテリで給電される小型電子機器の要件を満たすように設計された新しいバックコンバータを発表しました。MAX77324は1.5A高効率バックコンバータで、6ピンWLPパッケージ(1.22mm × 0.85mm)で提供され、総ソリューションサイズは6.89mm2です。このデバイスは、93%のピーク効率、40µAの自己消費電流、1µAのシャットダウン電流、および軽負荷時の効率を向上させる自動SKIPモードを備えています。低出力電流時、このデバイスは自動的にSKIPモードに移行し、スイッチング周波数を効果的に低下させてスイッチング損失を低減し、コンバータの効率を向上させます。この機能の結果として最も広い動作範囲にわたって効率が最適化され、したがって最長のバッテリ寿命が実現します。また、このバックコンバータのハイサイドおよびローサイドMOSFETの低オン抵抗もバッテリ寿命の延長に貢献します。

図2の効率曲線は、MAX77324が通常のリチウムイオンバッテリの入力電圧範囲およびわずか4mAから最大1.5Aまでの出力電流範囲にわたって87%以上の変換効率を達成していることを示しています。コンバータが1.0VOUTまたは1.2VOUTで動作する場合も、このレベルの性能(図は1.8VOUT構成の場合)は一定しています。

図2: MAX77324の効率曲線

断続的なフォルトが発生した場合に備えて、このデバイスは、低入力電圧状態での動作を防止する低電圧ロックアウト(UVLO)、起動時の突入電流を制限するソフトスタート、アクティブ出力放電、および短絡/サーマルシャットダウン保護などの保護機能を内蔵しています。また、このデバイスはマキシム独自のQuick-PWM高速応答、定オン時間パルス幅変調(PWM)制御方式も使用しています。この制御方式は広い入力/出力電圧比に対応し、負荷過渡に対する瞬時の応答を提供するとともに、ほぼ一定のスイッチング周波数を維持します。前述のように、多くのポータブル電子機器は常時オンで、スタンバイモードとフルパワーモードの間を行き来します。この2つのモード間の遷移に伴って、通常は出力電流が急速に増加または減少します。出力電流の需要の急増に迅速かつ高精度で反応するコンバータの能力は、負荷過渡応答によって測定されます。1つの使用例で、MAX77324は750mAの負荷ステップおよび負荷リリースに対して約2.5%という最小限の出力電圧偏位で反応する能力を示しました。

お客様の満足感を維持する

各種の電子製品の形状は小型化しながら、機能セットは拡大し続けています。それと同時に、内部の小型バッテリは、サイズによって容量が制限されるにもかかわらず、これらの機器をより長時間にわたって動作させるという困難な課題に直面しています。お客様の満足感を維持するには、低自己消費電流を備えた小型、高効率の電源部品を選択することによって製品の動作時間を延長する必要があります。