バーチャル・ヘルスケアのための3つの素晴らしい技術事例

2017年8月31日

Christine Young 筆者:Christine Young
ブロガー、マキシム・インテグレーテッド  


医療用ウェアラブルから検出機器まで、ハイテクツールは予防的ケアを強化するとともに、よりパーソナライズされたケアの実現に役立っています。現在これらのツールは各種の生体信号を測定することが可能で、さらに多くのヘルスパラメータを対象に加えるための研究開発作業が進められています。

世界全体で、予防的ヘルスケア技術およびサービスの市場は2024年には4,324億ドルに達すると予想されます。ReportLinkerの調査によると、この拡大の部分的な要因として、ワクチン、スクリーニング/モニタリング機器、および医療過誤を低減するスマート機器を含む、先進技術と予防手段の採用があります。これは設計エンジニアと医療専門家にとって、より健康な世界を実現するための知見を提供するソリューションを産み出すチャンスです。新進企業がこのチャンスを活かし、バーチャル・ヘルスケアソリューションの基底技術としてアナログICを導入した例を見てみましょう。

HD Medicalは、心拍波形のリアルタイム視覚表示によって心音を補助する電子聴診器を開発しました。CEOのArvind Thiagarajan氏にとって、同社のViScope聴診器は彼自身が若い頃に心雑音を患っていた個人的経験に触発されて生まれた製品です。健康に関する不安から医療に対する関心が高まったものの、結局は名門の工業学校に進学したのですが、そこで指導教官から「医者の医者」になれば数百万の患者を救うことができるとアドバイスされました。同社の聴診器を使って、医師は患者の初期スクリーニングを高精度で実施するために役立つデータにアクセスすることができます。また、臨床医が心臓のデータを収集し、別の場所にいる専門家がそれをリモートで参照することができるため、この装置は遠隔医療ヘルスケアモデルにも対応可能です。

ViScope電子聴診器HD Medicalの電子聴診器は医療現場でのトリアージの質を向上させることができます。

ViScope聴診器の設計には、高性能、超低電力、および小型実装面積を備えたICが必要でした。Thiagarajan氏とそのチームは、マキシムのMAX32620マイクロコントローラ、バッテリ充電管理ICのMAX14690、DC-DCコンバータのMAX1703、およびバッテリモニタが自分たちにとって必要なものだと判断しました。「最も重要なのは小型化と低電力で、マキシムにはその両方に対する最良のソリューションが揃っていました」とThiagarajan氏は語っています。

MedWandのCEOであるSamir Qamar博士にとって、技術とはバーチャルケアへの道を拓いてくれるものです。彼の会社は、各種の生体信号を測定することができるハンドヘルド機器のMedWandデバイスを開発しています。ヘルスケアの専門家はそれを使って、リモートで患者を検査することができます。「いつか必ず、患者のいる場所で診察、検査、試験を行い、治療を届けることができるようにするというのが私の展望です」と博士は語っています。

MedWand virtual healthcare device
MedWandデバイスは、収集した臨床データがあらかじめ決めておいた境界を越えている場合、自動的に担当医に通知することができます。

設計の面から見ると、MedWandのエンジニアは複数の医療用センサーをコンピュータのマウスよりわずかに大きいデバイスに内蔵する必要がありました。そのため、内部のICには小型、低電力、低コストのものを使う必要がありました。MedWandはマキシムのさまざまなプロセッサ、センサー、およびパワーマネージメントとオーディオ処理ICをデバイスの設計に使用しました。

遠隔医療ケアの実現は、少ないリソースで作業する医療専門家向けにハンドヘルド超音波診断装置を作っているHealcerionの目標でもあります。同社のバッテリ動作SONONデバイスは、スマートフォンに接続され、遠隔モニタリング用のクラウドベースの画像交換システムを備えています。ユーザーはモバイルアプリから高画質の超音波画像にアクセスし、診断の指針として使用することができます。SONONデバイスの開発時、エンジニアリングチームは超音波の信号処理に対応可能な技術を探しました。ICが小型、低電力で、複数の機能を実行可能であることも重要でした。Healcerionはマキシムのオクタル(8回路)超音波トランシーバのMAX2082と、16チャネル、リニア、高電圧アナログスイッチのMAX4968Bを使用しています。「マキシムのチップによって、ハンドヘルドタイプの要件を満たす小型の超音波デバイスを開発することができました」と、同社のCOOであるAnakin Choung氏は語っています。

Healcerion SONONポータブル超音波装置
Healcerionのポータブル超音波装置は重さわずか約370グラムで、 リチウムイオンバッテリで動作します。

合理化によるケアの拡張

Accenture Consultingのレポート「Virtual Health: The Untapped Opportunity to Get the Most Out of Healthcare」によると、米国は2025年までに約31,000人ものかかりつけ医の不足が予想されるという問題に直面しています。それと同時に、ヘルスケアのコストは増大し続けています。同社は、これらの問題に対する解決策の1つとしてバーチャル・ヘルスケアを挙げています。「バーチャル・ヘルスケアは、作業を合理化して臨床医の時間を高価値のタスクに振り替えることによって、人員を増やすことなくより多くの臨床ケア作業を遂行可能にします。バーチャル・ヘルスケアモデルは、タスクと作業の患者への移行、技術による労力の代替、およびタスクの自動化という、3つの重要な方法で臨床医のキャパシティを拡張することができます」と、同レポートは説明しています。

HD Medical、MedWand、Healcerionなどによって開発されたイノベーションは、ケアを拡張しつつ関連するコストと労力を合理化するために役立つバーチャル・ヘルスケア技術の、ほんの一部の例にすぎません。

参照:マキシムのヘルスケア製品ページ